更新日:2014年9月25日(木)
昨日発表された9月のドイツIFO企業景況感指数は市場予想を下回り、5カ月連続の低下で1年5カ月ぶりの低水準へと落ち込みました。1週間ほど前に発表されたZEW景況感指数も9カ月連続の低下で1年9ヶ月ぶりの低水準となっていました。また、23日にマークイットとHSBCが発表した9月の製造業PMI速報値では、ドイツの数値は1年3ヶ月ぶりの低水準となる50.3へと低下、節目の50割れ目前の状況に。ユーロ圏経済を牽引するドイツの勢いが急減速しています。
IFOは「ドイツ経済はもはや順調とはいえない」との認識を示し、欧州連合(EU)全体の景気低迷やウクライナ危機に伴う不安定感がマイナス材料となり、明るい材料はほとんどない、とも。
先週実施された第1回めのTLTRO(的を絞ったLTRO)では、供給額が予想を大幅に下回る6-7割程度となり、ユーロ圏での資金需要不足、貸出先の不足状態を露呈しています。
そんな状況を背景に、ECBは量的緩和導入へ向かわざるを得ない、といった観測が台頭し始めます。最終手段とも言われる量的緩和に踏み切るのかどうか、次週行われるECB理事会への注目度も高まります。
ECBによる量的緩和実施決定、もしくは確実と見られれば、ユーロ売り圧力はさらに強まり、ユーロドルは一段の下落へと向かうことになります。
ここ最近、ユーロドルとの相関関係が強い金相場にも、若干の売り圧力が加わることにはなりそうです。
しかし、最近のユーロドルと金相場の相関性の強さは、ユーロの売り材料に加え、ドル高材料が重なった影響もあります。ドル高要因が強い状況では金の売り圧力も高まりますが、ユーロ売り要因のみが強い状況では、金の売り圧力はそれほど高まりません。
ECBの量的緩和決定に伴い、ユーロ売りが強まる局面では、ユーロドルの下落幅は大きくなりますが、ドル建て金価格の下落は限定的にとどまり、ユーロほど売られることはないものと思われます。
もちろん、ECB理事会翌日の雇用統計でのポジティブ・サプライズ等、ドル高材料が飛び出せば話は別ですが・・・。
24日のNY金相場は0.2%の小幅反落。米8月の新築住宅販売件数が予想を大幅に上回る好結果となったことなどを背景にドル買い金売り傾向が強まるも、米軍のイスラム国空爆に伴う地政学リスクへの警戒感や採算レートも意識される水準に達していることなどもあり、ドル高進行の割には金の下落は限定的。1,200ドル前後までの下落リスクは継続。
プラチナ相場は1%の大幅反落で昨年12月19日の1,318.4ドルに迫る9カ月ぶりの安値水準。金に追随する流れが増幅し、金を上回る極端なペースに。現状の1,310ドル台は底値として意識される可能性も高い水準。しかし、ここを抜けた場合には昨年6月末の1,303.7ドルが意識されることになり、1,300ドルの大台ラインが当面の下値攻防ラインへ。
ドル円は0.14%の小幅続伸。108円台半ばの安値圏ではドル買い圧力が強まり、米住宅指標の好結果に加え、ユーロ売り進行に伴う相対的なドル買い、米金利上昇などもサポート材料となり、対円でのドル高も進行。前日比での上昇幅はわずかながら、2008年8月28日以来となる終値ベースで109円台に到達したことで節目を突破。過熱感も最大級ながら、さらに上値を伸ばす可能性。当面の上値目標水準は110円70銭辺り。ただし108円80銭のサポートラインを割れた場合には108円近辺を目指して急落の可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/24終値とチャート
25日の国内金価格は0.09%の小反落。9日移動平均線と絡み合いながら、4,550円近辺から4,590円台までのレンジを徐々に縮小する展開が継続。ゆるやかな下落トレンドから中立状態に近づきつつある状況も、4,500円近辺までの下落リスクへの警戒感も残るところ。
プラチナは0.82%安で3日続落。円安の勢いを上回るNYプラチナの下落でなかなか下げ止まらない状況となり、サポート水準候補の4月安値4,940円台にいきなり到達。次のサポートライン候補として3月末の安値圏4,790円台が意識される。
※参考:金プラチナ国内価格9/25とチャート
2014年9月25日(木)時点の相場
国内金:4,568 円 9/25(木) ▼4(0.09%)
国内プラチナ:4,940 円 9/25(木) ▼41(0.82%)
NY金:1,219.5 ドル 9/24(水) ▼2.5(0.20%)
NYプラチナ:1,319.4 ドル 9/24(水) ▼13.3(1.00%)
ドル円:109.04 円 9/24(水) ▲0.16(0.14%)
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