更新日:2014年9月30日(火)
香港ハンセン指数が急落しています。この夏場、8月以降の2ヶ月間で日経平均は+5.1%、NYダウも+3.5%と日米の株価は堅調推移を示し、欧州株は若干の不安要素を抱えながらも概ね横ばい推移となっているのに対して香港ハンセンは-5.3%の大幅安。9月3日に今年高値をつけて以降は-8.25%の急落。
その原因となっているのが香港民主化デモ。デモへの参加者は8万人とも言われ、警官隊との衝突で負傷者や逮捕者も多数出ているもよう。警官がデモ隊に対して催涙弾を使用したことも騒ぎを大きくしている理由のひとつに。
香港での行政長官選挙で中国政府公認の候補者しか認めないとしたことに対して、民主的選挙を要求する学生たちを中心に始まったデモはエスカレートし、その規模の拡大とともに、国際的な注目を集め、香港での民主的選挙実施を支持する声も高まっているようです。しかし、これに対して中国政府は国内問題に外国が介入すべきではない、と、らしい対応。
香港でなければ、強制的にデモを沈静化していたのではないか、とも思われます。
今回のデモは、とりあえずは収束方向へと向いつつあるようですが、香港での民主化要求の動きとそれを認めない中国政府との方針は、ほぼ恒久的に歩み寄ることがないと思われるだけに、今後もデモや騒ぎが発生することが予想されます。ウイグル自治区など、中国各地への影響も懸念され、そのたびに株価の急落を招き、それでなくとも勢いが衰えつつある中国経済にとっても、マイナス材料となりそうです。
なお、デモなどの拡大は地政学リスク的な側面と、中国経済にとってのマイナス材料となって中国の金需要にも影響を及ぼす側面もあり、金相場にも微妙な影響を及ぼしそうです。
デモの影響で、香港にある多数の銀行の支店やATMコーナーも閉鎖されたようです。そのなかの一つ、HSBC(香港上海銀行)から中国の製造業PMIの9月確定値が今朝発表されています。
速報値の下方修正となり、好不況の節目となる50をわずかに上回る状況での横ばい推移。中国の景況感も、回復しそうでしない状況を繰り返す、微妙な状態が続きます。
29日のNY金相場は0.28%の小幅反発。香港の民主化デモによる中国経済への不安から欧米株が下落したことも材料視された可能性もあり、1,223ドル台まで反発。しかしレジスタンスラインとなる1,220ドル台では上値も重く、1,210ドル台へと収束。再度1,200ドル前後まで下落するリスクを抱えつつ、1,210-20ドル台での横ばい推移による鍋底状態継続で底割れ回避。
プラチナ相場は0.45%高となり、4営業日ぶりの反発。一時1,297.7ドルまで下げて安値ベースでの今年最安値を更新しながらも1,300ドルの大台ラインがサポートラインとして機能した可能性も。
ドル円は0.19%の小幅続伸。安倍総理の臨時国会所信表明演説のタイミングで109円70銭台まで上昇し、2008年8月27日の109円85銭以来の高値をつけた後は軟調推移。それでも109円台を維持するドル高地合いが継続。目先は上値110円70銭辺りまでドル高円安進行の可能性。過熱感はピークから低下傾向にあり、108円70銭のサポートライン割れなら、107円台へと調整幅拡大の可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/29終値とチャート
30日の国内金価格は0.22%の小反落。前日の反発で下値リスクは緩和されたものの、上昇が続くこともない、典型的な保ち合い相場の主要レンジは4,560円台から4,590円台まで、21日移動平均線と90日移動平均線がレンジの上下に位置し、徐々にその幅は縮小傾向。週末の急変動には要警戒。
月間ベースでこの9月は-31円(-0.67%)となり、4ヶ月ぶりの小幅反落。
プラチナは6日ぶりの反発となる0.39%高。値幅0.39%(19円)はプラチナとしては控えめ、しかし最近の上昇幅としては8月8日の0.68%(35円)上昇以来となる1ヶ月半ぶりの大幅上昇。
月間ベースでは-171円(-3.37%)となり、8月の2.64%下落に続き大幅続落。
※参考:金プラチナ国内価格9/30とチャート
2014年9月30日(火)時点の相場
国内金:4,574 円 9/30(火) ▼10(0.22%)
国内プラチナ:4,909 円 9/30(火) ▲19(0.39%)
NY金:1,218.8 ドル 9/29(月) ▲3.4(0.28%)
NYプラチナ:1,307.8 ドル 9/29(月) ▲5.8(0.45%)
ドル円:109.49 円 9/29(月) ▲0.21(0.19%)
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