更新日:2014年10月7日(火)
2011年夏、NY金相場とプラチナ相場はそろって1,900ドルまで上昇しました。これが高値のピークとなり、その後しばらくは高値圏での乱高下が続き、やがて下落基調をたどることになります。当時、為替は1ドル=70円台の超円高水準。その後10月末の75円50銭の円高ピークを迎え、長期円高トレンドからの脱却へと向かい始めました。
それから3年後、NY金相場とプラチナ相場はそろって1,180ドルの安値をつけました。為替は円安トレンドが進んだ結果、1ドル=110円近辺に位置します。
ドル高円安基調が続く限りは、金相場の上値が重い状況も継続する可能性は高く、金に連動するプラチナ相場の上値も制限されやすくなります。しかしながら、金もプラチナも商品でもあり、その商品価値、需給、採算性の問題にも大きく左右されます。ドル高円安が今後も続いたとしても、これまでのようなペースで金もプラチナも下落し続けることは考え難くなります。
一般的に言われる採算ラインを既に大きく下回る状況のプラチナ、金も下回りつつあることなども今後のサポート要因の一つにはなりそうです。
もし、110円がドル高円安の当面のピークとなった場合には、金とプラチナの近年の大底として1,180ドルがクローズアップされる可能性も浮上しそうです。
週明け6日のNY金相場は1.21%の大幅反発。日本時間朝に1,183ドル台の今年最安値をつけて以降はゆっくりと反発傾向へ。昨年最安値1,179.4ドルのわずかに手前で反発し、下値メド1,200ドル前後への到達により、いったん底打ちした形。短期的な下落トレンドには区切りをつけてニュートラルな状態へ。1,220ドル台のレジスタンス超えならもう一段の反発へ、1,190ドルを下抜けると改めて下値模索の展開へ。長めのスパンでは上値の重い状況は変わらず。
プラチナ相場も1.89%の大幅反発。セリング・クライマックスとなったのは金曜日の3.4%の下落ではなく、月曜朝の1,186ドル台までの急落局面だった可能性も。2008年11月から2011年8月までの上昇幅の61.8%戻しライン1,210ドル近辺と1,200ドルの大台ラインが節目となり、少しオーバーランして反発へと向かった形。結果的には、金の安値圏1,180ドル近辺が意識された可能性も。いずれにしても、セリング・クライマックスだったかどうかの判断も、後日。1,220ドル台が当分の間のサポートラインとなる可能性とともに、目先の節目に過ぎない可能性も。
ドル円は0.89%の大幅反落。日本時間15時、安倍首相の「円安は輸入価格を押し上げて、中小企業にとってマイナス」発言など、円安けん制ともとれる発言を受けて円高の流れが加速。ただし、これがなくともそれなりの調整となっていた可能性は高く、10月1日にタッチした110円台がその後の抵抗線となり続け、雇用統計上振れでもタッチすらできなかったことも、高値圏での調整局面を促した様子。108円40銭をサポートラインに、上方向には109円80銭が抵抗線となりつつあるなかで、110円70銭近辺の上値目標水準をうかがう可能性もわずかに残る状況か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/6終値とチャート
7日の国内金価格は1.03%の大幅反発。4,490円前後の下値目標に到達したことにより、少しのオーバーランをはさんで切り返したところ。やや緩和された下値警戒感を維持しつつ、4,470円台が当面の下方向への節目に、上方向は4,590円がレジスタンスライン。
プラチナ価格は5日ぶりの反発で3.39%の大幅高。直近の下値目標水準だった4,700円前後を大きく下抜ける急落、そして急反発で再びこの水準まで戻してきたことで、4510円台までの下落は行き過ぎだった可能性。当面は下方向への節目としてこの4,510円が意識され、上方向には4,910円まで抵抗水準が存在しない状態。下方リスクが残る状態での新たなトレンド模索への可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格10/7とチャート
2014年10月7日(火)時点の相場
国内金:4,524 円 10/7(火) ▲46(1.03%)
国内プラチナ:4,666 円 10/7(火) ▲153(3.39%)
NY金:1,207.3 ドル 10/6(月) ▲14.4(1.21%)
NYプラチナ:1,249.2 ドル 10/6(月) ▲23.2(1.89%)
ドル円:108.78 円 10/6(月) ▼0.98(0.89%)
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