更新日:2015年1月27日(火)
米北東部は猛吹雪となり、ニューヨーク州など4州では非常事態宣言となっているようです。主要道路の閉鎖や航空便の欠航など交通機関は乱れ、学校は休校。200年に一度とも言われるような猛烈な寒波襲来の影響で、NY市場でも決算発表の延期やNY市場自体も臨時休場となる可能性もあるのだとか。
折しもマーケットはユーロ絡みの混乱状態から、ギリシャ総選挙を経て反緊縮派の急進左派連合チプラス党首が新首相に就任(最終議席はSYRIZAが149、13議席の反緊縮の右派「独立ギリシャ人」と連立へ)したことでいったん区切りをつけたような状況で、マーケットもいったんフリーズ状態となる可能性も。
フリーズ状態から溶け出すと、米FOMCやGDP、月初の重要指標に雇用統計と米国主導の材料で新たな展開も想定されそうです。
ユーロ絡みのリスク要因もいったんフリーズ状態に移行しただけで、いつまた溶け出すかわからない状況が続きます。
金融危機懸念が高まるロシアの格付けがS&Pにより、ジャンク債となる「BB+」へと引き下げられたことで、ロシアではさらなる景気悪化も予想され、これに伴う影響が周辺国に及ぶことになります。S&Pは、政権交代したギリシャの格付けも引き下げの可能性を示唆し、反緊縮政権とユーロ圏との債務交渉の行方を懸念します。
くすぶりつづけるウクライナや中東の地政学リスクも含め、火種はあちこちに存在する状況のなか、市場は昨年と同じような流れになりつつあります。とりわけドル円や金相場は、昨年初旬と同じような推移を描き始めています。違いはドル円の水準が大きく切り上がり、金相場は水準を切り下げているところ。
米国の寒波の影響で、経済指標が一時的に落ち込むようなことになれば、昨年と同様、株価やドル円はやや軟調気味のレンジ継続へ、金は一段高へと向かうことも想定できそうです。
26日のNY金相場は1.02%の大幅続落。ギリシャ総選挙通過の混乱も限定的となり、調整局面としては妥当な下落幅。年初の安値1,167.3ドルから22日高値1,307.8ドルまでの上昇幅に対する23.6%戻しライン1,274.6ドルにほぼ一致する1,275.6ドルまで下落したことで調整一服となりやすいところ。さらに調整が進んだ場合の目安となる38.2%ライン、1,254.1ドル近辺までの水準でサポートラインを形成し、上限1,300ドルまでの間でレンジ形成の流れへ。
プラチナ相場も1.08%の大幅続落。下値目標1,250ドル付近に早々の到達。安値1,246.6ドル付近には90日移動平均線(1,244.4ドル)もあり、年初の2日安値1,187.7ドルから22日高値1,290.3ドルまでの上昇幅に対する38.2%戻しラインも1,251.1ドル。いったん落ち着くには程良い水準。なお、50%戻しライン1,239ドル近辺もサポートされやすい水準、しかしここまで水準を切り下げるようなら年末年始からの上昇トレンドはほぼ終了。
ドル円は0.55%の反発。上下動を繰り返す揉み合い状態の鯨幕相場を形成中。ユーロ主導の荒れ相場が続いたことで方向感が出にくい状況が継続。ユーロメインの材料をひととおり消化し、米国材料が出始める今後に向けて、118円台半ばのレンジ上限トライの動きが始まりつつある様子も。上抜けなら116円半ばまでの下落余地を諦めて120円台をめざす流れへと向かう可能性。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/26終値とチャート
27日の国内金価格は0.67%の続落。日々の変動でNY金とドル円の方向性が明確に逆行するのは10日ぶりとなり、やや波乱含みの相場状態に落ち着きが戻ってきた様子。結果的に買われ過ぎていた金が売られ、揉み合い状態のドル円が円安方向に傾斜したことで国内金はそれなりの下落幅に。5,230円の軽めのサポートラインを下抜けたことで5,170円程度までの調整継続が見込まれる。
プラチナは1.21%の大幅続落で調整局面が拡大し、下値目安となっていた5,090円近辺をクリア。上昇トレンド中の調整局面としてはほぼ目一杯、行き過ぎ状態が続けば5,030円近辺も。
※参考:金プラチナ国内価格1/27とチャート
2015年1月27日(火)時点の相場
国内金:5,202 円 1/27(火) ▼35(0.67%)
国内プラチナ:5,074 円 1/27(火) ▼62(1.21%)
NY金:1,279.4 ドル 1/26(月) ▼13.2(1.02%)
NYプラチナ:1,255.0 ドル 1/26(月) ▼13.7(1.08%)
ドル円:118.45 円 1/26(月) ▲0.65(0.55%)
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