更新日:2015年1月24日(土)
日銀の量的質的金融緩和がまだまだ継続するなか、ECBによる量的緩和が決定。米FRBは今年、金融政策転換へと向かう可能性は高いとはいえ、まだ量的緩和状態を縮小し始めたわけではなく、ゼロ金利状態も向こう数ヶ月は維持される見込み。量的緩和の拡大はストップしたけれど緩和状態を維持している状況。これに加えて周辺の主要国も金利引き下げによる金融緩和政策が進行。先日のカナダ中銀、デンマーク中銀の他、新興国でもインド準備銀行やトルコ中銀が政策金利を引き下げています。
通貨危機対策やインフレ対策で利上げしたロシアやブラジルを除き、資源国や新興国でも景気対策や自国通貨安対策の為に政策金利を引き下げる国が目立ちます。
日米欧の主要3中銀を中心に、世界中の主要国が緩和的な金融政策をとることで、意図するかしないかは別として、自国通貨安誘導へとつながります。
受け皿としては、近い将来、金融引き締めへの転換が予想される米ドル。それ以外では、金。そんな状況が続いている様子。
その結果、逆相関の関係が強いドルと金が同時に買われたり、同時に売られるケースも最近では目につきます。
現在のドル円とNY金相場の関係を見ると、30日相関係数では-0.5929と短期的にはやや逆相関の関係となっているものの、90日相関係数では-0.25526と、ほぼ相関関係なしの状態。
昨日マークイットが発表した米国の1月製造業PMI速報値は、12月の53.9から53.7へと低下し、1年ぶりの低水準となりました。2月初旬に発表されるISM製造業景況指数も12月に大幅低下していましたが、1月も低調な数字が予想されそうです。
順調と言われる米国経済の回復状況にも、不安要素も時折見られます。
世界各国中銀による金融緩和の受け皿として米ドルが買われやすい状態は続きそうですが、米ドルの信頼性が時折弱まることで、消去法的に金が買われやすくなる時期もしばしば訪れることになりそうです。
23日のNY金相場は0.62%の反落。1,300ドルの大台到達による一服感から1,290ドル台付近での小動きに。年初からほとんど押し目もなく一本調子で上昇してきた割には調整幅は限定的。年初からの上昇値幅を考慮すると浅めの調整なら23.6%戻しで1,274ドル、深めの調整なら38.2%戻しで1,253ドル程度、それ以上なら調整の域を超えて短期トレンド転換の目安に。ただしギリシャの総選挙を目前に控え、若干の混乱も予想されることからもう少し底堅く推移する可能性も。
週間ベースでは+15.7ドル(+1.23%)となり3週続伸。
プラチナ相場は1.25%の大幅反落。1,290ドルの抵抗線を超えられず、1,270ドル台のサポートラインを下抜けたことで調整幅拡大の見込み。当面の下値目標は1,250ドル付近。そのすぐ下1,245ドルには90日移動平均線も控え、この近辺はサポートされやすい水準。
週間ベースでは-0.7ドル(-0.06%)の小幅安で3週間ぶりの反落。
ドル円は0.57%の反落。ECBの量的緩和を好感してユーロの大幅安ドル高となった翌日はギリシャ不安によるユーロ安ドル高。しかしリスクオン傾向からリスク回避傾向へと風向きが変わったことでドル円は上昇後の反落。日足ベースでは上下動を繰り返す揉み合い状態が続くなか、118円台割れ付近のサポートラインを下抜けたことで調整局面再開の可能性、当面の円高余地は116円台半ば辺り。ギリシャ不安が限定的となり反発へと向かい、118円半ばのレジスタンスを超えた場合には120円台を目指すドル高トレンド再開の可能性も。
週間ベースでは+0.28円(+0.24%)の小幅高で3週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/23終値とチャート
2015年1月24日(土)時点の相場
国内金:5,298 円 1/23(金) ▲66(1.26%)
国内プラチナ:5,193 円 1/23(金) ▲44(0.85%)
NY金:1,292.6 ドル 1/23(金) ▼8.1(0.62%)
NYプラチナ:1,268.7 ドル 1/23(金) ▼16.1(1.25%)
ドル円:117.80 円 1/23(金) ▼0.68(0.57%)
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