更新日:2015年2月25日(水)
イエレン議長の上院議会証言では、その原稿内容の第一報として、毎回のFOMCで利上げの決定が可能であり、フォワードガイダンスの変更を行う、というような内容が断片的に伝えられたことで瞬間的にタカ派寄りの側面がクローズアップされたようです。
ドル高株安に金も急落で反応した後、その内容が明らかになるに連れて初期反応とは逆の方向へと反転。事前にドル買い傾向が強まりつつあったドル円は最近の上値抵抗線となっていた119円台前半を超え、119円台半ばから119円80銭台へと急騰。利上げ期待の高さと、実際にその時期が近づいた際のドル買い圧力の強さの一端を垣間見る一瞬となりました。
しかしイエレン議長は、「今後数回」のFOMCで利上げ可能な経済状況となる可能性は低いと見ていることを明言。早すぎる利上げは、改善しつつある労働市場の流れを阻害するリスクがあることにも言及し、労働市場回復にもかかわらず賃金の伸びが低迷していることは完全雇用への道のりがまだ長いことを示している、などと発言。
その一方では、低インフレも続くものの、目標の2%に向かっているとの妥当な自信が得られれば(到達しなくとも)利上げが可能とも。完全雇用云々に関しても同様の考え方と推定されます。
結果的に日米欧主要株の高値更新状態をサポートした形のイエレン証言ですが、決して利上げ先送り感が強い訳でもなく、従来どおり年央を一つのメドとして、慎重姿勢が続く状況には変わりがない、玉虫色という印象を受けます。
「今後数回」を最低2回とすれば、4月末のFOMC声明文から「patient」が消える可能性が若干低下したことになり、6月利上げの可能性もやや低下した状況、ということにはなりそうです。
24日のNY金相場は0.29%の小幅安で3日続落。イエレン議長の議会証言では1,190ドルまで5ドルほど急落した後、ハト派寄りの内容が明らかになるに連れて持ち直し、しかし1,200ドルの大台にはわずかに届かず。ギリシャの改革案リスト提出によるユーロ圏サイドの好感も上値を重くした要因に。大台割れにより、下値目標1,180ドル近辺が浮上。ただし今朝時点で再び1,200ドル台へと水準を切り上げてきていることにより、一時的な行き過ぎとなる可能性も。上限1,210ドルを超えられるようなら地合い改善方向へ。
プラチナ相場はわずかに前日比-0.03%の小幅安で3日続落。3日連続で下値目標1,150ドル台まで下落して1,160ドル台へと反発するパターンが継続し、底値圏での足場固めの様相も。ただし、わずかながら水準を切り下げ続け、第2目標1,130ドル付近をうかがう可能性への警戒感も。
ドル円は0.13%の小幅反発。イエレン議長報道では利上げ期待による乱高下。119円台前半のレンジ上限を上抜けて加速し始めたかのように見えたのは一瞬。下値も118円台後半までにとどまり、結局レンジ相場を維持。少しでも利上げが意識される状況になればドル高の流れが急加速することを確認した日。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/24終値とチャート
25日の国内金価格はわずかに0.08%上昇し、7営業日ぶりの反発。しかし下げ止まりというよりはまだ下落トレンド中の足踏み状態。ほぼ1ヶ月間きれいなレジスタンスラインを形成する9日移動平均線が目先の抵抗線に。上昇基調の90日移動平均線が4,870円台へと水準を切り上げ、短期下落トレンドと中期上昇トレンドの支持線がぶつかりあう4,900円付近がサポート水準に。
プラチナは0.44%の反発。サポートライン候補となっていた4,770円台でいったん下げ止まり。急落する9日移動平均線との攻防が反発基調への分岐点に。
※参考:金プラチナ国内価格2/25とチャート
2015年2月25日(水)時点の相場
国内金:4,938 円 2/25(水) ▲4(0.08%)
国内プラチナ:4,799 円 2/25(水) ▲21(0.44%)
NY金:1,197.3 ドル 2/24(火) ▼3.5(0.29%)
NYプラチナ:1,162.6 ドル 2/24(火) ▼0.3(0.03%)
ドル円:118.96 円 2/24(火) ▲0.16(0.13%)
Copyright(C) Let's GOLD