更新日:2015年2月26日(木)
日経平均とドル円のデカップリング状態が進行しています。年初の高値を超えられず、118円から119円前後での保ち合い状態が続くドル円に対して、2月に入って連騰状態となった日経平均は今世紀最高値を更新し、その勢いには衰えが見られません。イエレン議長の議会証言がタカ派寄りではなかったことが株価にとっての安心材料となり、ドル高材料とならなかったことも足元の距離感を拡大する要因となりました。
さらに、GPIFに続き国家公務員共済組合連合会も資産構成割合を見直し、国内外の株式を16%から50%へ引き上げる、との支援材料も。官制相場の色合いも強めつつ、日本株は力強さを増しつつあるようです。
現時点での30日間の相関係数は0.5334。最近ではぼ常に0.90台後半を示していた数値は大きく低下しています。ただし、足元の30日相関係数の推移を見ると、2月初旬に0.2を割れる水準まで下げて反発傾向にある状態。デカップリング状態が進行しているのではなく、収束に向かっている可能性もあります。
過去に相関関係が弱まった時期、2014年7月前半までの日経平均とドル円の推移を見ると、今以上にデカップリング状態となっていました。30日相関係数も-0.32896と逆相関方向まで急低下。
当時のドル円相場も小動き状態が延々と続いていた時期にあり、日経平均はそれなりの変動で3月の高値を超えてさらなる高値トライも、という状態。
しかし、それも一時的。長期的に見た日経平均とドル円の関係性は、過去1年間の相関係数が0.9429、過去3年間では0.9782と非常に強い相関関係が継続中。
現在の日経平均とドル円のデカップリング状態も一時的、という範疇を抜け切れません。
今後、米国の利上げが近づくにつれ、徐々にドル高圧力が強まることが予想され、利上げフェーズ(=金融引き締め)進行が株安要因となることにより、現在の距離感が徐々に狭まる可能性は高まります。近い将来、再び相関性が高まることになります。
ただし長期的には、いずれ官制相場・金融相場の色合いが徐々に薄れていくことになるなら、それぞれの方向感にも微妙な差が生じていくことも予想されます。そうなった時には、両者のデカップリング状態が本格的に進行することもあり得ます。
25日のNY金相場は4日ぶりの反発で0.35%高。前日の1,200ドルの大台割れ水準からの反発傾向が続くと、1,210ドルの抵抗線上抜けトライを何度か試す展開。抜け切れなかったことで減速すると、NY時間には米1月の新築住宅販売件数が予想を上回ったことなども売り材料となり、再び1,200ドルの大台割れ寸前まで下落。行って来い状態で1,180ドルまでの下落リスクもまだ継続。
プラチナ相場も0.53%上昇し4日ぶりの反発。金と同様に反発傾向が続き、1,170ドル台の抵抗水準上抜けトライに失敗して反落、しかし1,160ドル台では底堅さも見られ始め、再び1,170ドル台へと持ち直しの動きも。1,180ドル台に届けば地合い改善へ。
ドル円は0.09%の小反落。118円台後半での小動きに終始。イエレン議長が議会証言を巧みに切り抜けたことにより、動き出しのきっかけを喪失し方向感も喪失。 今夜発表の1月消費者物価指数(CPI)で、利上げに向けての足かせとなっている低インフレ動向を確認し、動き出しの準備へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/25終値とチャート
26日の国内金価格は前日比-1円。横ばい推移が続き、動意喪失気味。確率的には、売られすぎによる反発の可能性が極めて高い状況ながらも下落トレンドも継続中。気がつけば下落トレンドが終わっていた、という流れとなる可能性も。
プラチナは0.08%の小幅続伸。2日前の4,778円でいったん底打ちし、今年安値水準を当面のサポートラインとして揉み合い形成、もしくはゆっくり反発基調へと移行する可能性も。水平状態からわずかに上昇傾向となる90日移動平均線が現状の中期トレンドを示唆。
※参考:金プラチナ国内価格2/26とチャート
2015年2月26日(木)時点の相場
国内金:4,937 円 2/26(木) ▼1(0.02%)
国内プラチナ:4,803 円 2/26(木) ▲4(0.08%)
NY金:1,201.5 ドル 2/25(水) ▲4.2(0.35%)
NYプラチナ:1,168.8 ドル 2/25(水) ▲6.2(0.53%)
ドル円:118.86 円 2/25(水) ▼0.11(0.09%)
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