更新日:2015年5月6日(水)
米3月分の貿易統計では、赤字額が前月比43.1%増加の514億ドルとなり、金融危機時の2008年10月以来6年5カ月ぶりの高水準に急増しました。市場予想の412億ドルの赤字を大きく上回り、増加率では1996年12月以来とのこと。
FRBも景気減速は一時的要因として許容した3月分の数字とはいえ、先日発表された1-3月期GDP速報値の0.2%が下方改訂されてマイナス成長となるのではないかとの懸念も台頭し、米株もドルも売り材料となりました。
その米国のGDPは昨年も1-3月期は-2.9%とマイナス成長。しかし、季節要因がなくなるその後は急回復し、4-6月期は4.6%、7-9月期には5.0%と好調を示しました。
今年も1-3月期がマイナス圏へと落ち込む可能性が高まったことで、4-6月期以降の急回復度合いが、より重要視されることになります。
現在3分の1が経過した4-6月期GDPの市場コンセンサスは3%台前半。しかし、最近注目されるアトランタ連銀のGDPナウキャストによれば、5日時点での予想は0.8%程度。
1-3月期GDP速報値の市場予想が1.0%程度となっていたのに対し、日々更新されるアトランタ連銀の予想では、発表3日ほど前に予想値を0.2%へと引き下げていました。
金融政策正常化へ向かおうとしているFRBにとっても、このアトランタ連銀のGDP予想がここから急上昇していくことは、必須条件となります。
その為には、今後発表される4-6月分の経済指標の多くが、かなりの好調度合いを示す結果となる必要がありそうです。
5日のNY金相場は0.54%の続伸。原油相場が年初来高値更新へと上昇基調を強めたことによるインフレ観測台頭で金も上昇。米3月の貿易赤字拡大を受けたドル売りの流れも金を後押し。しかし、1210ドル台の抵抗水準手前、1200ドルの大台が超えられずに失速。1170ドルから1210ドル台でのレンジ相場はもうしばらく継続見込み。
プラチナ相場は0.18%の小反落。金に追随した流れも1160ドルのレジスタンスラインにぶつかって反落。日足チャートの形状はしばしば方向転換を示す十字線。しかしレンジ中ほどでの方向感のない状況では気迷いの十字線に。
ドル円は0.22%の続落。欧州時間に加速したドル買い円売りの流れでは4月13日以来3週間ぶりの高値圏となる120円50銭まで上昇。しかし、米3月の貿易収支で赤字幅が予想を上回ったことで急反落。その後発表された4月分のISM非製造業景況指数が予想を上回ったことで一時120円台へと急反発も長続きせず。マイナス材料が続くようならレンジ状態へと逆戻りへ。早めに120円台を回復できれば上値トライの流れ再開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/5終値とチャート
2015年5月6日(水)時点の相場
国内金:4,875 円 5/1(金) ▼57(1.16%)
国内プラチナ:4,702 円 5/1(金) ▼20(0.42%)
NY金:1,193.2 ドル 5/5(火) ▲6.4(0.54%)
NYプラチナ:1,148.8 ドル 5/5(火) ▼2.1(0.18%)
ドル円:119.85 円 5/5(火) ▼0.26(0.22%)
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