更新日:2015年5月2日(土)
1日に発表された4月分のISM製造業景況指数は市場予想を下回り、2013年5月以来の低水準となった3月と同じ51.5。昨年末からの低下傾向からも抜けだせません。それでも6カ月連続の下落を回避したこと、好不況の分岐点となる50を29カ月連続で上回る状態を維持していることなどもあり、それほど悪材料とは捉えられなかった一面もありそうです。
同じく4月分の指標では、ミシガン大学消費者信頼感指数の確報値が発表され、これも市場予想の96をわずかに下回る95.9となり速報値と変わらず。これも1月以来の高水準を維持したことでプラスマイナス0、というところでしょうか。
流れによっては、悪材料と見てドル売りとなってもおかしくないケースですが、昨日は一時的にややドル売り傾向となっただけで、すぐに反発しています。4月末のイベント通過でドル売り円買いの下値トライに失敗したことによる反動から、今度は上値トライの流れが始まった感もありそうです。
今年のドル円相場は117円近辺から122円までのレンジとなり、ここ1カ月は118円台半ばから120円近辺までにレンジ幅を縮小した状態が続き、現時点でもこの延長線上と見ることもできますが、短期的には1週間ほど前の高値を上抜けて120円台に到達したこと、一目均衡表の雲の上限を半月ぶりに終値で上抜けたことなどから、ドル高円安方向へと向い始める兆しと見ることもできそうです。その他複数のオシレータ系指標でも反発上昇を示唆し始め、3月高値(=今年最高値)122円00銭台と4月高値120円80銭台とを結ぶ上値抵抗線を1日高値で上抜け、終値でも上抜けようかという状況に。
セルインメイやゴールデンウィークの円高リスクなど、円高イメージが強い5月ですが、そのマイナスイメージに挑む流れが始まる可能性が出てきました。
ゴールデンウィークを無事通過し、4月の雇用統計の結果次第では、その流れが本格化する可能性が高まりそうです。
この煽りを受ける金相場は、下値トライへの窮地に追い込まれてきそうです。
1日のNY金相場は0.67%安となり3日続落。ドル買いの流れを受けての軟調推移が継続、一時3月20日以来1カ月半ぶりの安値水準となる1168ドルまで下落。4月ISM製造業景況指数などが予想を下回ったことを受けて1170ドル台半ばへと急反発も一時的。その後もドル買いの流れが優勢となり、上値の重い展開に。1170ドルのサポート水準になんとか支えられた状態にあり、下抜けると今年安値水準1150ドル割れ辺りまで下値余地拡大も。
週間ベースでは前週末比わずかに-0.5ドル(-0.04%)となり、3週続落。
プラチナ相場も0.94%の大幅安で続落。2日間で1160ドルのレンジ上限から1120ドルのレンジ下限付近まで急落し、下方リスクが再び高まる状況に。月初の重要指標を控えてレンジ継続の可能性も、ドル買い金売りの流れが進行した場合には金に追随する流れで下値トライへ。その場合のメドは今年安値水準となる1090ドル近辺。
週間ベースでは+8.3ドル(+0.74%)となり、3週間ぶりの反発。
ドル円相場は0.64%のドル高円安で3日続伸。芳しくない米指標を受けたドル売りも限定的となり、米10年債利回りの上昇に連れてドル買いの流れが加速。終値では4月10日以来3週間ぶりの高値水準となる120円10銭台へ。120円ちょうどのレンジ上限をわずかに上抜けたことにより、ドル買い円売りの流れが加速する可能性。ただし4月の経済指標発表を控えて膠着感や単なる行き過ぎの可能性も残り、4月の雇用統計の結果を見るまでは様子見の可能性も。上方向に走りだすと122円台前半が目標水準に。
週間ベースでは+1.22円(+1.02%)で続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/1終値とチャート
2015年5月2日(土)時点の相場
国内金:4,875 円 5/1(金) ▼57(1.16%)
国内プラチナ:4,702 円 5/1(金) ▼20(0.42%)
NY金:1,174.5 ドル 5/1(金) ▼7.9(0.67%)
NYプラチナ:1,129.7 ドル 5/1(金) ▼10.7(0.94%)
ドル円:120.14 円 5/1(金) ▲0.76(0.64%)
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