更新日:2015年6月22日(月)
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が「16億ユーロの返済期限をギリシャが守らなければ7月1日からデフォルト」とプレッシャーをかけるなか、最終段階となるユーロ圏首脳会合が月曜日に予定されています。既にギリシャのチプラス首相が新提案を行っているとも伝えられていますが、債権団との認識は相当な乖離があるものと見られ、これまで何度も繰り返されてきた新提案→決裂のパターンがそう簡単に覆るとも思われません。
既にギリシャの銀行からは預金流出が止まらない状況となり、ギリシャ中銀総裁は国内銀行に対し、22日にギリシャ政府が債権団との合意に至らなかった場合、23日の「困難の日」に備えるよう警告したとの報道も。
ギリシャのIMF返済が遅延すれば、IMFによるデフォルト認定、現在急場をしのいでいるECBによるギリシャの銀行へのELA(緊急流動性支援)も機能不全に陥り、ギリシャ国内の金融市場が混乱に陥るのは必至で、ユーロ離脱への道を進むことになります。
しかし、EUとしては政治的(地政学的)にもギリシャがEUから離れるような事態を認める訳にはいかないはずで、何らかの妥協案を見いだすことになるのだろうとも思われます。
そんな悲観論と楽観論が入り混じるなか、ユーロは対ドルでも対円でも買われてスタートしています。後者優勢と見る向きが強い、ということかもしれません。リスク回避的なドル売り円買いも予想されたドル円も今朝はドル高傾向でスタートし、やや軟調気味へ。楽観と悲観が入り交じる展開となっているようです。この影響で貴金属市場もやや動き難い状況で週明けを迎えている様子です。
月末までにIMFへの16億ユーロ返済が履行された場合でも、7月から8月にかけて、今度はECBが保有する68億ユーロのギリシャ国債が満期を迎えるようです。ギリシャにとっての「困難の日」は今後も度々訪れることになりそうです。
22日の国内金価格は前週末比-14円、0.28%の小幅反落。6月前半のゆるやかな下落トレンドを脱したことにより、もう少し反発傾向が強まる可能性を抱きながらもやや停滞。今朝時点でのNY金相場が1200ドルをわずかに割り込む場面も見られ、ややサポート不足。しかし、今のところは一方的に弱含むような動きは想定し難く、目先5100円の節目を超えることができれば5130円台辺りまで上値を伸ばす可能性を維持。サポートラインは5020円。
プラチナも0.35%下げて小幅続落、今年安値4576円をつけた3月18日以来の安値水準に。やはりNYプラチナの反発の兆しが小康状態となっていることで、円高圧力により上値が重い状況。17日の4599円をわずかながらも下回ったことにより、大幅下落の可能性も浮上。行き過ぎでなければ下値目標水準は4500円台半ば。最大では4400円台半ばを目指す可能性も。単なる行き過ぎで反発に転じた場合、4610円台のレジスタンス超えなら4670円台辺りまでの反発余地も。
※参考:金プラチナ国内価格6/22とチャート
2015年6月22日(月)時点の相場
国内金:5,070 円 6/22(月) ▼14(0.28%)
国内プラチナ:4,593 円 6/22(月) ▼16(0.35%)
NY金:1,201.9 ドル 6/19(金) ▼0.1(0.01%)
NYプラチナ:1,086.8 ドル 6/19(金) ▲4.0(0.37%)
ドル円:122.67 円 6/19(金) ▼0.29(0.24%)
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