更新日:2015年6月23日(火)
アテネでは数千人規模のギリシャ人が集まってユーロ圏残留を訴えるなか、ギリシャ政府が債権団へ提出した新たな提案内容は、従来に比べ一歩踏み込んだ形で改善され、債権団が求める内容への歩み寄りが見られたもようで、評価する声も多々聞かれます。債権団は、さらにもう一段の歩み寄りを要求し、48時間の期限設定での解決策提出を求めているようです。
結果的に、22日の合意は先送りとなったものの、23日はギリシャにとっての「困難の日」とはならず、週末25-26日の財務相会合、EU首脳会議でのとりあえずの妥結を目指す方向で、そうなる可能性も一段と高まりつつある様子です。
これに伴い欧米株は大幅上昇。特に最近やや軟調気味だったドイツDAXは今年最大の上げ幅となる3.8%の上昇。米NASDAQも過去最高値更新、日経平均も今朝の前場で年初来高値更新、債券は売られて利回り上昇、為替もドル高円安と、リスクオン全開の流れに。
その影響で金は大幅下落、プラチナは底値反発を先送り、こちらは期限なしの持ち越し状態となっています。
週明け22日のNYプラチナ相場は前週末比-26.2ドル、-2.41%と大幅反落。下落幅としては今年3番目の大きさ。ギリシャ債務協議進展期待の高まりとともに金が売られ、プラチナも追随売り。先週末の底値反発の兆しは長続きせず、逆に格好の戻り売りチャンスとなってしまったようで安値更新。2009年3月以来、6年3カ月ぶりの水準となり、一週間前に点灯した下落サインの目標水準1060ドル近辺ちょうどに到達。
南アランド建てプラチナ価格も最近のサポートラインとなっていた13,000ランドを割り込む12,800ランド台まで下落。南アランドの対ドル為替レートは6月5日に13年ぶりのランド安水準をつけてランド高方向へと調整フェーズが進行中、南アランド建てプラチナ価格でも下落圧力が急速に高まる状況にあり、コストライン懸念に伴う買いが入ることも想定され、現状水準での推移は長続きはしない可能性も。
ただし、短期的に見たNYプラチナ相場は下方向への流れ再加速の兆しもあり、1040ドル台辺りまでもう一段安の可能性も。上方向には1090ドルのレジスタンスの存在感が増す状況。
NY金相場も-17.8ドル、-1.48%の大幅下落となって1200ドルの大台を維持できず。短期上値目標1220ドル近辺を目指す流れが早くも腰折れ、その可能性はわずかに残る程度に後退。サポートライン1170ドル台半ばを維持する限りは1200ドル近辺までの間でレンジ形成、再度上値トライへとつながる可能性も。しかし、1170ドルを割れた場合には今年安値を更新し、昨年安値1130ドル台が下値メドとして浮上する可能性。
ドル円は3日ぶりの反発で0.56%のドル高円安。朝方のやや軟調な流れはレンジ下限となる122円台半ばで反発、ギリシャ問題楽観視派優勢の流れで堅調推移、米5月の中古住宅販売件数の予想上振れにも好感。ただし、レンジ上限123台半ば近辺を上抜ける勢いはまだない様子。上抜け成功なら124円台半ばが目先の上値メドに、122円台半ばのサポートライン下抜けの場合には121円台前半までの調整余地。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/22終値とチャート
23日の国内金価格は0.53%安で続落。6月初旬の高値5100円の節目すら遠く、5130円台辺りを目指す上昇トレンドは大きく巻き戻し。5020円のサポートラインを維持できれば揉み合いを経て再度上値トライへと向かう可能性も残るところ。サポートライン割れなら4980円近辺がとりあえずの下値メドに。
プラチナは1.26%の大幅安で3日続落、今年安値を更新し、昨年10月6日以来8カ月ぶりの安値水準に。前日の大幅下落の可能性を示唆した下落は行き過ぎではなかったことになり、最初の下値メド4500円台半ばを突破。NYプラチナが一段安となるようなら国内価格も第2目標4400円台半ばを目指す可能性が高まることに。
※参考:金プラチナ国内価格6/23とチャート
2015年6月23日(火)時点の相場
国内金:5,043 円 6/23(火) ▼27(0.53%)
国内プラチナ:4,535 円 6/23(火) ▼58(1.26%)
NY金:1,184.1 ドル 6/22(月) ▼17.8(1.48%)
NYプラチナ:1,060.6 ドル 6/22(月) ▼26.2(2.41%)
ドル円:123.36 円 6/22(月) ▲0.69(0.56%)
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