更新日:2015年8月14日(金)
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が13日発表したGold Demand Trends Q2 2015によると、2015年第2四半期の世界の金需要は914.9トン。前期(1084t←1079.3)比-169.1t(-15.6%)、前年同期(1038t)比-123.1t(-11.9%)といずれも大幅減少。
目的別需要
宝飾品:513.5t(前年同期比-13.6%)
工業関連:85.5t(-0.9%)
投資関連:178.5t(-10.7%)
中央銀行他:137.4t(-12.6%)
投資関連では、バー・コイン等の現物投資は201.4t(-15.3%)、ETF関連では前年同期の-37.9tの売り越しから-22.9tの売り越しへ縮小。
国別金消費需要ランキング(宝飾品と現物投資の合計)
1位 中国:216.5t(前年同期比-7.6t,-3.4%)→
2位 インド:154.5t(-50.4t,-24.6%)→
3位 米国:37.9t(+3.6%)↑
4位 ドイツ:26.2t(+21.9%)↓
5位 サウジアラビア:20.1t(-11.1%)↑
6位 タイ:19.1t(-8.2%)↓
7位 トルコ:16.1t(-49.8%)↑
8位 UAE:15.3t(-22.3%)↓
9位 ベトナム:14.5t(-5.2%)→
10位 インドネシア:14.0t(-14.1%)↓
世界合計:714.9t(-117.5t,-14.1%)
※矢印は2015年第1四半期の金消費需要ランキングからの順位変動
中国は意外と小幅減少にとどまり、インドでは予想外の大幅減少となっています。この2カ国での需要合計は世界全体の51.9%を占め、前年同期比減少分でも49.4%とほぼ半分を占めました。インドの金需要全体の約3分の2を占めると言われる農村部での天候不良による所得低迷が大きく影響した模様。
上記以外で消費需要10t超の国は、香港:10.8t(-18.2%)、イラン:11.2t(-40.7%)、ロシア:10.5t(-44.7%)、スイス:11.0t(+12.2%)など。米国、ドイツ、スイスを除く全ての金消費大国での需要が減少しました。
なお、消費需要10t未満で前年同期比でプラスとなった国は、日本の3.7t(+40%)、メキシコの4.5t(+7%)、スペイン2.1t(+6%)、英国6.1t(+9%)、オーストリア2.5t(+28%)など。
ドル建て平均価格は前年同期の1,288.4ドルから1,192.4ドルへと7.5%低下したことで米国の需要は増加。ユーロ建て平均価格は前年同期比15%上昇、円建てでは10%の上昇、ポンドでも2%上昇。金価格上昇にも関わらず日欧での消費は増加。その他アジアを中心とする新興国では通貨安に伴う金価格上昇と景気減速なども影響したものと思われます。
中央銀行保有量ランキング
1:米国 8,133.5(74%)
2:ドイツ 3,381.0*(68%)
3:IMF 2,814.0(-)
4:イタリア 2,451.8(66%*)
5:フランス 2,435.4(65%)
6:中国 1,658.1←1,054.1(2%)*↑
7:ロシア 1,275.0←1,238.3*(13%)↓
8:スイス 1,040.0(7%)
9:日本 765.2(2%)
10:オランダ 612.5(57%)
11:インド 557.7(6%)
12:ECB 504.8(26%)↑
13:トルコ 504.7*←513.0(16%)↓
14:台湾 423.6(4%)
15:ポルトガル 382.5(75%)
16:ベネズエラ 361.0←367.6(68%)*
17:サウジアラビア 322.9(2%)
18:英国 310.3(10%)
19:レバノン 286.8(21%)
20:スペイン 281.6(19%)
*:3月末時点からの変動、括弧内は公的準備資産に占める割合、矢印は順位変動
ロシアはコンスタントに増加、トルコは減少傾向、中国は数年ぶりに保有量を公表。
これ以外での目立った変動は、は23位のカザフスタンが7.3トン買い増して227.4tへ。
供給量
供給量は1,032.6t。前年同期(1,085.8t)比-53.2t(-4.9%)の減少。内訳は、鉱山産出量が781.6t(-3.9%)、リサイクルが251.1t(-7.9%)。
13日のNY金相場は6日ぶりの反落で0.71%安。中国人民銀行の人民元大幅切り下げ終了示唆により株安の流れも終息し、やや一方的に進んだ買い戻しの流れも一服。NY原油の6年5カ月ぶり安値にも足を引っ張られた形。米7月の小売売上高は予想通りの結果で6月分は上方修正、新規失業保険申請件数でも好調維持となり、やや売られた場面でも下値は1110ドル台を維持。1130ドル前後までは再度上値を試す可能性を残しつつ、戻り売りにも警戒する状況へ。
プラチナ相場も6日ぶりの反落となって0.49%の下落。1000ドルの大台にタッチして反落の流れは3日連続、上値目標1010ドル台手前の大きな壁に跳ね返され続ける状態。7月の急落、小反発、戻り売りを繰り返してきた流れでレジスタンスラインとなっていた9日移動平均線や、一度もタッチすらできなかった21日移動平均線を上抜けており、流れは変わりつつある状況。現在980ドル付近にある21日移動平均線を下回らないことが目先のポイントに。
ドル円は0.17%の小反発。人民元ショックに振り回された状況からは落ち着きを取り戻し、ドル買い円売りの流れ再開も限定的。米小売売上高、新規失業保険申請件数などの好結果を受けて20銭ほど急騰してつけた124円60銭台がこの日の高値。124円台半ばで既に上値が重くなる状態となり、やや流れが変わってきた様子も。今のところは124円20銭のサポートラインが機能し、上値は125円20銭を抵抗水準とするレンジ状態に。上方向にブレイクならあらためて126円台後半を目指す流れが期待され、下方向ブレイクなら123円前後までの下値余地。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/13終値とチャート
14日の国内金価格は4日ぶりの反落で0.73%安。3日間で147円、3.2%の急騰となり、目標水準4820円台手前となる4811円まで上昇したところで調整。マーケットが落ち着きを取り戻してきたことで、夏場の急落、急騰局面も一段落へ。日本ではお盆休みを終え、海外でも休暇明けとなるケースも増える今後は米国経済指標を中心に9月利上げに向けて素直に反応する従来の姿へ。週明けには日本の4-6月期GDP速報値(下振れ予想)もあり、日本発要因で一波乱の可能性も。
週間ベースでは+99円(2.12%)で続伸。
プラチナは8営業日ぶりの反落となり、0.86%安。円安によるサポートが期待ハズレとなり、上値目標4350円台にはまだ遠く及ばない。しかし、7月2日から8月4日までの急落値幅に対する38.2%戻しライン4284円をわずかに超えての反落となり、入るべくして入った調整局面とも言える状況。再び上値トライのチャンスをうかがう状態に。
週間ベースでは+149円(3.63%)の大幅反発。
※参考:金プラチナ国内価格8/14とチャート
2015年8月14日(金)時点の相場
国内金:4,776 円 8/14(金) ▼35(0.73%)
国内プラチナ:4,251 円 8/14(金) ▼37(0.86%)
NY金:1,115.6 ドル 8/13(木) ▼8.0(0.71%)
NYプラチナ:995.0 ドル 8/13(木) ▼4.9(0.49%)
ドル円:124.41 円 8/13(木) ▲0.21(0.17%)
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