更新日:2015年8月29日(土)
米商務省が発表した7月の個人消費支出の物価動向を示すPCEデフレーターは低調が続いています。変動の大きい食品・エネルギー価格を除くコアPCEデフレーターの前年比では、予想を下回り、6月の+1.3%から+1.2%へと鈍化しました。6月のFOMCで示されたコアPCEインフレ率の2015年末見通し1.3-1.4%の下限を割り込む結果となっています。
過去数年分の修正が入ったこともあり、2011年3月以来4年4カ月ぶりの低水準へと落ち込みました。2012年1-3月の+2.1%をピークに上値を切り下げ、インフレ圧力低下傾向を示す、下落トレンドが鮮明となってきました。
ミシガン大学発表の消費者信頼感指数の構成指数の一つに、期待インフレ指数という指数があります。そのうち、1年後のインフレ率を予想する指数の8月は+2.8%。
2010年6月頃の1年期待インフレ指数は+3.0%程度でした。その1年後、2011年後半にかけてのPCEデフレーターは+2.7%から+2.9%程度まで上昇しました。ほぼ予想どおりとなっていました。
しかし、2012年以降の予想値は3.0%台前半に対して2013年以降のPCEデフレーターは1%台半ばへと低迷。この状況が続き、足下ではミシガン大学の期待インフレ指数も水準を切り下げ始めています。
9月利上げに向けて、タカ・ハト入り交じる発言が多数FRB関係者から飛び出していますが、クリーブランド連銀のメスター総裁は「インフレ率2%達成への合理的な確信」があるとおっしゃっています。
本日、フィッシャーFRB副議長はジャクソンホールでのパネルディスカッションに参加予定。テーマは「米国のインフレ動向」。
28日のNY金相場は5日ぶりの反発で1.02%の大幅高。小幅株高ドル高の堅調推移となった東京時間には1130ドル台へと水準を切り上げ、欧州時間にかけては1120ドル台半ばへと戻り売り優勢、米7月のコアPCE低下をきっかけに反発傾向に転じると、ミネアポリス連銀コチャラコタ総裁の緩和必要発言が追い風となって加速、1140ドルまで上昇。その後フィッシャーFRB副議長の9月利上げ五分五分発言に弱含む展開も1130ドル台半ばを維持。株高ドル高傾向継続の割には底堅さも見られる状況ながら、1120ドル割れの場合には1100ドル割れへと下値模索の可能性。雇用統計までの1週間は1120-1160ドルのレンジで揉み合い状態か。
週間ベースでは-25.6ドル(2.21%)となり、3週間ぶりの反落。
プラチナ相場は1.56%の大幅高で3日続伸、予想以上の堅調ぶりで1週間ぶりの1020ドル台回復。1030ドル台はやや厚めの抵抗水準となり、目先はここから970ドル台までのレンジを縮小する展開濃厚と想定。堅調推移継続の為には1000ドルの大台ライン以上での足場固めが必要。もし、あっさりと1040ドル到達するようなことがあれば1060ドル台が次のターゲット。
週間では3週ぶり反落も-5.4ドル(0.53%)の小幅安まで戻し、長い下ヒゲ十字線で底値圏からの反発基調加速を示唆・・・。
ドル円は0.28%の小幅ドル高円安で4日続伸。ブラックマンデーの急落からの反発基調は弱まりながらも継続、ダブルトップのネックラインに200日移動平均線、半値戻しなどの重要水準が集中する120円台後半がサポートラインとなる形で121円前後で揉み合う展開に。インフレ上昇の確信どころか懸念が高まるなかではフィッシャーFRB副議長発言がドル高を後押し、一時24日以来の121円台後半まで上昇。今後の展開としては9月FOMC前最後の雇用統計への警戒感からの小動きが続き、その結果次第では上方向への重要水準123円台前半(直近高安値幅の76.4%戻しラインと一目均衡表の雲が薄くなる部分)突破も。予想外の下振れなら120円を割利込み、118円台半ばまでの下落も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/28終値とチャート
2015年8月29日(土)時点の相場
国内金:4,694 円 8/28(金) ▲41(0.88%)
国内プラチナ:4,197 円 8/28(金) ▲103(2.52%)
NY金:1,134.0 ドル 8/28(金) ▲11.4(1.02%)
NYプラチナ:1,021.7 ドル 8/28(金) ▲15.7(1.56%)
ドル円:121.35 円 8/28(金) ▲0.33(0.28%)
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