更新日:2015年9月22日(火)
ハト派的な利上げか、タカ派的な据え置きか、といった見方が優勢だった今回のFOMC。結果はハト派的な据え置きとなったことでリスク回避傾向が強まり、株安ドル安の流れが進行した週末の流れをリカバーしようとするFRBメンバーのタカ派発言が続出しています。
今回のFOMCで唯一利上げ見送りに反対したリッチモンド連銀のラッカー総裁は、今回の見送りによって米国経済への悪影響リスクが高まったとし、これ以上の利上げ見送りは断固反対的な姿勢を貫き、FRB内での最タカ派としての存在感を強めた様子。
今年の投票権を持たないセントルイス連銀のブラード総裁は、10月利上げの可能性を主張し、サマーズ元財務長官ら利上げ反対論者を批判。
8月上旬には9月利上げを支持して驚かせた中立派のアトランタ連銀・ロックハート総裁は、金融市場の動揺に自信が動揺してしまって利上げ見送りに賛成したことを、金融市場の動揺が米経済の重しにならないようにするためのリスクマネジメントだったと釈明し、年内利上げの見方は変わらずとの発言。
週末には、イエレン議長の後任総裁でもあるサンフランシスコ連銀・ウィリアムズ総裁も、今回は僅差で見送りを決定したが年内利上げは妥当である旨の発言で先輩のイエレン議長をフォロー。
過剰な不透明感を演出してしまったイエレン議長とFOMCでの決定に対するリカバー発言により、株安ドル安の流れはいったん巻き戻され、CMEのFEDウォッチでも12月の金利据え置き確率は先週末の62.7%から56.2%へとやや低下。
それでもまだ半分以上が年内利上げ見送りを予想。市場はまだ、FRBメンバーの発言をそれほど信用していない状況のようです。
21日のNY金相場は0.44%の反落。FOMC直後のドル安株安局面から週をまたいでの巻き戻し。それでも短期上昇トレンド中の小幅調整の範囲内に留まり、直近の上値目標水準1130ドル台をキープ。強めの抵抗線となりつつある1140ドルを超えられるようなら一段高へと新たな展開も想定可能。しかし、年内利上げ支持発言も出始める状況にドル高再開の兆しも見られ、徐々に上値が重くなる展開も。
プラチナは1.09%の大幅反落。金に連れ安となった時の下げ幅が金よりも大きくなるところに相変わらずプラチナの地合いの弱さが。底値からの反発基調で1000ドルの大台回復を目指した流れも失速状態。970ドル前後までの水準を維持できれば、揉み合い状態から上値トライ再開へと望みもつながる可能性。960ドル台から980ドル台までの小幅レンジ形成へ。
ドル円は0.46%のドル高円安。週末に119円の下値目安まで急落して反発した流れが続く形でドル全面安からの巻き戻し状態。しかし上値も120円60銭が壁となって伸び悩み。セントルイス連銀・ブラード総裁の10月利上げ支持発言なども下支え要因にはなったものの、さらにドル買いを推進するほどの材料とはなり得ず。あらためて120円から120円60銭までのレンジで上下どちらかへの動き出しチャンスをうかがう展開に。上方向なら122円、下方向なら118円台前半も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/21終値とチャート
2015年9月22日(火)時点の相場
国内金:4,665 円 9/18(金) ▲14(0.30%)
国内プラチナ:4,046 円 9/18(金) ▼9(0.22%)
NY金:1,132.8 ドル 9/21(月) ▼5.0(0.44%)
NYプラチナ:973.7 ドル 9/21(月) ▼10.7(1.09%)
ドル円:120.56 円 9/21(月) ▲0.55(0.46%)
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