更新日:2015年11月3日(火)
米国を含め世界的に製造業の不調が危惧されていた状況は、9月で底入れした可能性も考えられます。10月の世界各国の製造業PMIでは、全般に復調の兆しが見られ始めています。
中国の財新発表の製造業PMIが9月の47.2から48.3へと上昇したのに続き、マークイットと日経などが発表した製造業PMIでは、米国が9月の53.1から54.1へと上昇し、半年ぶりの水準を回復。日本も9月の51から52.4へと1年ぶりの高水準へ、ユーロ圏も9月の52から52.3へと小幅上昇、トルコでは中国と同様節目の50割れ水準での推移が続くものの9月の48.8から49.5へと上昇。
その他でも、英国は9月の51.5から1年半ぶりの高水準となる55.5へと大幅上昇、ロシアも9月の49.1から11カ月ぶりの節目超えとなる50.2へと上昇。ユーロ圏のなかでもイタリアが52.7から54.1へ、オランダが53.0から53.7へと牽引し、7月に30.2まで落ち込んでいたギリシャも47.3まで急回復中。
世界的な復調傾向に乗り遅れている国もあり、ドイツは52.3から52.1へと2カ月連続の減速状態、スペインも50を上回る水準ながら5カ月連続の低下で23カ月ぶり低水準となる51.3へ。インドも3カ月連続の低下で22カ月ぶりの低水準となる50.7へと減速。
主要国での反発傾向を受けて、JPモルガン発表の世界の製造業PMIでは9月の50.7から51.4へと上昇しています。
そんな状況のなかで、ISMが発表した米国の10月製造業PMIは50.1とギリギリ節目の50割れを回避。4カ月連続の低下で2013年5月以来、2年5カ月ぶりの低水準となり、減速傾向からは抜け切れません。
全10項目の内訳でも、雇用、在庫、価格、受注残、輸出、輸入の6項目で節目の50を割り込み、雇用は4月以来の50割れで47.6となって2009年8月以来6年2カ月ぶりの低水準。
雇用統計でも3月と4月は20万人割れの低水準となった時期であり、今週末の10月雇用統計にも注目です。
そして次月の米ISM製造業PMIでは改善傾向が見られるのか、さらに減速傾向が続くのか、そして世界的な復調の兆しが単発で終わるのか2カ月目と続き、FRBが注視する世界の景気動向のリスク緩和要因となるのかどうか。12月利上げ可否に向けての重要な判断材料となりそうです。
2日のNY金相場は0.48%安となって3日続落、10月1日以来1カ月ぶりの安値水準へ。東京市場の日経平均がほぼ安値引けとなって切り返し、欧州時間からNY時間にかけてゆるやかに株高ドル高が進行した流れに合わせる形でゆるやかな下落基調。米10月ISM製造業景況指数が予想をわずかに上回った直後につけた1132.5ドルがこの日の安値となって小反発、1130ドル台での揉み合い状態へ。目標水準1130ドル台後半に到達し、7月の今年安値1072.3ドルから10月高値1191.7ドルまでの半値戻し1132ドルまで下げたことで、90日移動平均線にも支えられて短期下落トレンドに区切りをつけるには程良い水準。
NYプラチナ相場は1.08%の大幅安で3日続落。990ドル付近の節目を割り込むとジリ安の展開、970ドル付近まで下げての反発も980ドルに届かず。90日までの全ての移動平均線を下抜けたこともあり、短期的な下落基調はもう少し継続濃厚。10月2日の今年安値897.1ドルから16日高値1026.8ドルまでの38.2%戻しが977.3ドルで現状水準、半値戻しが962ドル。960ドル前後が当面の下値目標水準に。
ドル円は0.11%の小幅ドル高円安。日曜発表の中国国家統計局の製造業PMI下振れで円高方向への窓開けスタートからトルコ総選挙での与党圧勝、政局安定見込みなどもあり窓埋め方向への動きも先週末終値120円60銭台には届かず、株安の流れに連れて反落。一時120円40銭のサポートラインを割り込んで120円20銭まで下落も株価反発に連れてドル高円安基調へと反発。欧州時間には早朝の窓埋め、ISM製造業景況指数の節目50割れ回避や株高の流れに連れて120円80銭台まで上昇。ほぼ120円台半ばから121円台半ばまでのレンジ内推移にとどまり、週末にかけては保ち合い状態継続見込み。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/2終値とチャート
2015年11月3日(火)時点の相場
国内金:4,724 円 11/2(月) ▼41(0.86%)
国内プラチナ:4,076 円 11/2(月) ▼41(1.00%)
NY金:1,135.9 ドル 11/2(月) ▼5.5(0.48%)
NYプラチナ:978.4 ドル 11/2(月) ▼10.7(1.08%)
ドル円:120.75 円 11/2(月) ▲0.13(0.11%)
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