更新日:2016年4月4日(月)
ちょうど3年前の今日、黒田バズーカと言われた日銀の量的質的緩和政策が発動されました。日銀が発表するマネタリーベースは、2013年3月の134.7兆円から今朝発表された今年3月分では362.6兆円となり、この3年間で2.7倍に増加しました。増加率としては+169.20%。この間、為替は1ドル=93円から111円台まで、およそ18.5円の円安となっています。マネタリーベースが10%増加する毎に1.1円ずつ円安が進行してきた計算になります。
2014年には米国のマネタリーベース拡大ペースが縮小され、2015年には完全にストップしたこともあり、日米のマネタリーベース比率は拡大の一途、これを示すソロスチャートは一本調子での上昇基調が継続しています。
この上昇基調に連動するように、円安も進行してきましたが、今年に入って急速に円高が進んだことで、ソロスチャートとドル円相場の相関性は急速に弱まり、足下では逆相関となってきました。
マイナス金利の副作用も懸念される状況で日本株安と円高圧力が強まり、先週末には日銀短観で大企業製造業業況判断DIが大幅に悪化したことなどをきっかけに日本株の大幅安も進行し、さらなる株安円高への警戒感も高まる状況となってきました。
日本の製造業の景況感の悪化は日銀短観だけでなく、マークイットと日経発表の製造業PMIでもその傾向が示されています。
日本の製造業PMIは、1月の52.3から2月には50.1へ、そして3月には49.1へと急落し、過去3年余りでの最低水準となっています。
米国が2月の51.3から51.5へ、ユーロ圏も51.2から51.6へと小幅に反発したことで、世界全体の製造業PMIも50.0から50.5へと節目の50割れを回避して反発しました。
しかし、日本の景況感は、低迷続きの状態から反発した中国の49.7を下回り、同じく低下傾向にあるトルコの49.2をも下回っています。
日本国内の景況感悪化に伴い、株安円高への警戒感が高まる状態が続くことで、日本国内の金価格にも下押し圧力が高まる状況となってきました。
4日の国内金価格は1.43%の大幅反落。週末の米雇用統計とISM製造業景況指数の好結果を受けてのNY金の大幅安を円高が増幅し、2月23日以来6週間ぶりの安値水準に。NY金もドル円も今朝時点では下方向への節目水準以上で落ち着いていた状態から、いずれも下値警戒感が高まる状況にあり、どちらか一方、あるいは両方とも水準を切り下げる可能性もあり、いずれにしても金価格の下方リスクはやや拡大。小さな三角保ち合いを下抜けた形となり、目先の下値目安水準としては4660円台辺り。上方向には4760円台を超えると流れが変わる可能性も。
国内プラチナ価格も2.33%の大幅反落。地合い改善の兆しが見られた状態から一転、急反落で21-9日移動平均線をまとめてデッドクロス。乱高下が続く不安定な状態にあり、方向感としては大きく見れば横ばいも、円高リスクがやや高まっていることに影響され易い状況か。上方向への節目は3780円に切り下げ、超えると3840円程度までの上昇も。下方向に3670円を割り込むと3600円付近が下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格4/4とチャート
2016年4月4日(月)時点の相場
国内金:4,695 円 4/4(月) ▼68(1.43%)
国内プラチナ:3,690 円 4/4(月) ▼88(2.33%)
NY金:1,222.2 ドル 4/1(金) ▼12.0(0.97%)
NYプラチナ:953.6 ドル 4/1(金) ▼23.0(2.36%)
ドル円:111.60 円 4/1(金) ▼0.97(0.86%)
Copyright(C) Let's GOLD