更新日:2016年5月10日(火)
米FRBが発表した4月の労働市場情勢指数(LMCI)は-0.9となり、1月の-1.8(-1.9から上方修正)、2月の-2.6(-2.5から下方修正)、3月の-2.1に続いて4カ月連続のマイナス。2009年以降では最長となる減速状態。
なお、1月から2015年10月までの4カ月間で合計0.6ポイントの上方修正、それ以前では上下0.1ポイントの修正が若干入った程度でこの指数公開後としては最小レベルの小幅修正。6カ月平均では3月時点で2009年10月以来6年5カ月ぶりのマイナス圏となる-0.03となり、4月には-0.62とマイナス幅を拡大。
下落基調が続くなかでは、2月に底入れして反発へと転じた可能性を残す状態とも言え、次月以降の動向が注目されるところ。
雇用統計など、比較的好調を示す他の雇用指標とのギャップは相変わらずで、賃金上昇率も前年比2.0%の低迷状態が長らく続いた後に昨年後半から2.5%付近へと上昇しつつある流れとこのLMCIとは逆相関のような関係を示し、FOMCでの「労働市場の状況は一段と改善」との一文とは矛盾した関係も継続中。
残された労働市場の「たるみ」の影響が大きいのか、クローズアップされない、隠れた悪化指標が存在するのか、どうもスッキリしない不透明感が、米労働市場には存在するようです。
9日のNY金相場は2.12%の大幅反落。週末の急反発後の調整が限定的となっていたことから週をまたいでの調整局面進行となり、ドル買い局面継続に伴い下げ幅を拡大。積み上がり過ぎたCFTC投機筋の買い建玉の解消も進行したものと予想される状況。中国の4月貿易統計悪化(輸出前年比1.8%減)などのマイナス材料も。1270ドルを割り込んだことで高値保ち合い状態から下抜けた形となり、目先は1250ドル前後までの調整継続見込み。1300ドルラインが当面の抵抗水準に。
NYプラチナ相場も3.53%の大幅反落。過熱感が高まる状態での高値保ち合いから予想された急反落の展開に。1050ドルの節目割れに伴う目先の下値目安は1030ドル付近。1090ドルの高値突破と1100ドルの大台超えトライはいったん先送り。今年安値から高値までの23.6%戻しが1026ドル、38.2%戻しなら985ドル。行き過ぎの場合には1000ドルの大台が意識されるような展開も。
ドル円は1.13%のドル高円安へと大幅反発。雇用統計後の急落からの反発の流れは週明けも継続、円買い圧力も後退し、ドル売りの巻戻し局面も進行。FRB関係者のタカ派発言や麻生財務相の「必要なら為替介入する用意」があるとの発言なども直接的な押し上げ要因とまではいかないものの、ドル高円安のサポート材料の一部にはなっている模様。4月28日高値111円80銭から5月3日安値105円50銭までの38.2%戻し(107.96)を上抜けたことにより、一時50%戻しライン(108.71)付近となる108円60銭辺りまで上昇。反落か、もう一段の上値トライ継続かの分岐点に。後者なら、61.8%ライン109.46円が次の目標水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/9終値とチャート
10日の国内金価格は1.03%の反落。円安サポートを超えるNY金の調整幅拡大により堅調気味の推移も失速、9日移動平均がサポートラインとはならず、これを下抜けて4710円台も割り込んだことにより、調整フェーズ進行へ。下値目標水準は4650円台辺り、4760円が当面の抵抗水準となり、超えるようなら4800円超えへと上値トライ再開も。
プラチナ価格も2.05%の大幅反落。やや行き過ぎた流れからの巻戻しは想定通りの展開も調整幅からは余力を残す状況。23.6%ライン3800円程度までの下げ余地はあり。3950円が当面の高値、抵抗線となり、次回上抜け成功時には4000円の大台へと水準を切り上げる展開が予想される。
※参考:金プラチナ国内価格5/10とチャート
2016年5月10日(火)時点の相場
国内金:4,707 円 5/10(火) ▼49(1.03%)
国内プラチナ:3,869 円 5/10(火) ▼81(2.05%)
NY金:1,266.6 ドル 5/9(月) ▼27.4(2.12%)
NYプラチナ:1,046.8 ドル 5/9(月) ▼38.3(3.53%)
ドル円:108.33 円 5/9(月) ▲1.21(1.13%)
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