更新日:2016年5月20日(金)
5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想の+3.0を下回り-1.8と低調な結果となりました。4月の-1.6からも悪化し、昨年9月以降では今年3月の+12.4を除いて全てマイナス圏となり、6カ月移動平均で見ると7カ月連続のマイナス圏に低迷中。3月の好結果だけが突出し、一時的だったことになり、第2四半期もフィラデルフィアの製造業の景況感は低調な状態が続きます。
内訳では、新規受注が総合指数とともに3カ月ぶりの水準に悪化したものの、出荷は4月の-10.8から-0.5へとマイナス幅を大幅縮小し、雇用も同様に-18.5から-3.3へ、価格指数はプラス幅を拡大し、仕入れ価格は15.7、販売価格も14.8となっていずれもで2014年10月以来1年7カ月ぶりの高水準に。半年後の見通しを示す期待指数は1年3カ月ぶりの高水準となった4月の42.2から36.1へと低下したものの、それほど悪くはない数値。悲観するような内容でもなさそうです。
ただし、先日発表されたNY連銀の数値も5月は-9.02へと大幅に下振れており、次週発表予定で2カ月連続好結果を示しているリッチモンド連銀の数値が下振れるようなことがあれば、ISM製造業景況指数の再び50割れ、への警戒感も高まります。
そうなれば、夏場の利上げに向けて市場の織り込み度アップを図るFRBにとっても、黄色信号となりそうです。
昨年12月、ISM製造業景況指数は48.0と節目の50割れ水準で、しかも底値をつけたタイミングで初回利上げに踏み切ったFRBにとっては、問題なし、との見方もできそうですが。
19日のNY金相場は1.54%の大幅続落。前日朝、NY時間外のFOMC議事要旨を受けて1250ドル台まで下げて1260ドル近辺へと小反発の状態から、この日もリッチモンド連銀ラッカー総裁やNY連銀ダドリー総裁の6月利上げの可能性発言を受けて3週間ぶり安値圏となる1240ドル台へと一段安。しかし、ドル高の流れもそれほど強まらなかったこともあり、再び1250ドル台まで買い戻し。節目の1260ドルまで戻しきれなかったことで目線は下へ、1230ドル前後を目標水準に調整局面継続見通し。
NYプラチナ相場は2.8%の大幅続落。金に先行する形での調整局面進行で目安水準となっていた1010ドル付近に到達。終値ベースで4月22日(1011.2)以来4週間ぶりの安値圏までしっかりと下げたことに加え、週末、材料不足という状況からも一服感となりやすいところ。金の調整局面が浅めの水準で終わった訳ではない場合、連れ安の展開でもう一段の下げ局面進行も想定される。現状では1000ドルの大台ライン維持の可能性は高そうだが、今年の上げ幅に対する38.2%戻しとなる985ドルも警戒水準に。
ドル円は0.22%の小幅ドル安円高で4日ぶりの反落。東京市場終盤に110円38銭辺りまで上昇したのが高値となって頭打ち。利上げ観測再燃ムードにも、それ自体の懐疑的な見方や株安への警戒感なども重石となった様子。4月末の急落局面の76.4%戻しが110円38銭に当たること、日足一目均衡表の雲の下限も抵抗感に。それでも低調な米経済指標を受けての反落も109円70銭付近までと限定的。110円台後半までもうひと伸びの余地はありそうだが、下落基調の雲の下限を突破できるかどうかが目先のポイントに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/19終値とチャート
20日の国内金価格は0.27%の小幅続落。ドル高地合いにも円安サポートが鈍化し、ゆるやかな上昇トレンド中の調整局面が継続。方向感は上向き維持も失速気味となり、円安の流れが続かないようなら徐々に保ち合い状態から短期トレンド転換の可能性も。
週間ベースではわずかに+1円で続伸。1週間かけて行って来いの状態で上値トライのスタート地点に逆戻り。
プラチナ価格は1.06%の大幅安で3日続落。3820円台の下値目安まで若干の下げ余地を残す状態も、NY市場の目安水準到達と失速気味ながらも円安優勢の為替動向からは、現状の下落局面はもうそれほど続かないという見通しも成り立ちそうだが。
週間ベースでは-72円(1.84%)の反落。
※参考:金プラチナ国内価格5/20とチャート
2016年5月20日(金)時点の相場
国内金:4,760 円 5/20(金) ▼13(0.27%)
国内プラチナ:3,845 円 5/20(金) ▼41(1.06%)
NY金:1,254.8 ドル 5/19(木) ▼19.6(1.54%)
NYプラチナ:1,013.3 ドル 5/19(木) ▼29.2(2.80%)
ドル円:109.96 円 5/19(木) ▼0.24(0.22%)
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