更新日:2016年5月23日(月)
FOMCで投票権を持つ地区連銀総裁5名の最近の発言はタカ派寄りに傾斜しています。常任でハト派のNY連銀ダドリー総裁が先週「6月FOMCでは間違いなく利上げが議論」されるだろうと述べ、タカ派でクリーブランド連銀のメスター総裁も10日ほど前に「インフレは目標に向け上昇している」と指摘しています。また、ハト派のボストン連銀ローゼングレン総裁は、4月から「市場が織り込むよりも多い利上げが必要となる可能性」を指摘しており、5月に入って「第2四半期の指標好調なら利上げ必要」と主張し始め、昨日には「利上げの分岐点間近」にあるとしています。
中立ながら時にハト派、現在はタカ派のセントルイス連銀ブラード総裁は3月末時点で「FOMCが4月に動く可能性」を指摘し、5月には「6月利上げは経済指標次第で可能」というスタンス。タカ派のカンザスシティ連銀ジョージ総裁は3月FOMC以降、唯一利上げを支持し、最近では「米金利は低過ぎ」であると嘆きの声も。
タカ・ハト問わず、投票権を有する地区連銀総裁5名全員が、6月FOMCでの利上げの可能性を肯定しています。また、今年の投票権こそないものの、その影響力や注目度が高い中立派のアトランタ連銀ロックハート総裁とサンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁はともに先週「年内2-3回の利上げは当然」と発言しています。
米GDP改定値、ISM製造業景況指数などがそれほど悪くなく、PCEデフレータが上昇傾向、雇用統計もまずまずの結果で賃金も上昇、といった結果が確認出来れば、6月FOMCでは、投票権保有者全10名のうち、少なくとも5名が利上げ支持に回る可能性が高まります。
鍵を握るのは3名のFRB理事と議長、副議長。ハト派のブレイナード理事は2週間前に「世界経済の状況は依然として課題」であることを指摘していました。
今週末、ハト派のイエレン議長が何を語るのか、注目度は高まります。
23日の国内金価格は0.4%安となり3営業日続落。それほど期待感はなかったはずの仙台G7財務相・中銀総裁会議では、協調的財政出動合意もなく、為替相場を巡る日米の認識のズレも変わらず、麻生財務相の「消費増税は予定通り実施」発言なども影響してか週明けの東京市場は円高・株安基調のスタート。時間外のNY金小反発傾向でもサポートし切れず。ゆるやかな上昇トレンドは失速状態が続き、1カ月ぶりに21日移動平均線付近まで下落。しかし、9-90日移動平均線はまだ全て上昇基調を維持。4700円のサポートライン付近まで上昇してきた90日移動平均線を下抜けるようだと下落基調が強まる可能性も、現時点ではそこまでのリスクは小さそうだが。
プラチナ価格は4営業日ぶりの反発で0.7%高。NYプラチナの下値目安到達後の反発度合いが比較的大きくなったことにより国内価格を押し上げた形。3820円台の下値目安に対しては3845円までと少し及ばず、反転してしまった格好も流れが変わったとも言えない状態。上方向には3940円が当面の抵抗水準としての存在感を強め、改めて下方向に3840円を割り込むようなら、3800円前後へと大きく水準を切り下げるような展開も想定される状況。
※参考:金プラチナ国内価格5/23とチャート
2016年5月23日(月)時点の相場
国内金:4,741 円 5/23(月) ▼19(0.40%)
国内プラチナ:3,872 円 5/23(月) ▲27(0.70%)
NY金:1,252.9 ドル 5/20(金) ▼1.9(0.15%)
NYプラチナ:1,023.3 ドル 5/20(金) ▲10.0(0.99%)
ドル円:110.21 円 5/20(金) ▲0.26(0.23%)
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