更新日:2016年5月24日(火)
マークイットと日経が発表した5月の製造業PMI速報値は、日米欧いずれも4月から低下。協調財政出動に反対するドイツが3カ月連続の上昇で52.4となり5カ月ぶりの水準を回復し、フランスも3カ月連続節目の50割れも3カ月ぶりの小反発で48.3へと上昇したにもかかわらずユーロ圏は51.5へと3カ月ぶりの水準に減速。高水準での推移が続いていたイタリア、スペイン、オランダなどのいずれかが減速傾向を示していることになりそうです。
軟調気味に推移する欧米との乖離が拡大傾向となっている日本は5カ月連続の低下で47.6となり、3カ月連続の節目50割れ。2012年12月以降、安倍政権発足後の3年5カ月間で最も景況感が悪化した状態。ロシアの4月48.0をも下回る水準へと悪化しています。消費増税延期か決行かの議論にも影響しそうな状況となってきました。
米国は3カ月連続でユーロ圏を下回り、2カ月連続の低下で50.5。2009年10月以来の低水準へと落ち込み、節目の50割れへの警戒感も高まりそうな状況です。生産は49.1へと6年8カ月ぶりに50を割り込み、新規受注も52.0から51.6へと低下。
米国でのこの指標の注目度はそれほど高くはないようですが、各地区連銀の製造業景況感にも減速の兆しが見られ、最も注目されるISMの指数悪化への警戒感も高まるところです。今朝もフィラデルフィア地区連銀ハーカー総裁の「今年2-3回の利上げ」見通し、6月FOMCまでの「経済指標が悪い内容でなければ、利上げを決定すべき」との発言もありましたが、利上げを決定できない悪い指標が飛び出す可能性も否定できません。
23日のNY金相場は0.11%の小幅安となって4日続落。連日の当局関係者によるタカ派発言に軟調気味の推移が継続、この日もサンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁が「今年2-3回」発言を繰り返し、さらには「来年は3-4回」との強気発言で1243ドルまで売られる場面も。およそ4週間ぶりの安値水準とはなったものの、この間SPDRゴールド・シェアの金ETF残高は増加の一途で872.52トン、2年7カ月ぶりの水準へ。これがジリ安の展開の金を買い支え、相場価格がそれほど下がらないことで金ETFはさらに買われる状態。短期調整局面は継続中で1230ドル前後までの下値余地も継続。
NYプラチナ相場は1%の反落。1010ドルの目標水準到達後の反発も一時的となり、戻り売りで一時1005ドルまで下落と再び安値トライの気配も。1010ドルのサポートラインまで戻した後もこの水準での攻防が続く状態。明確に割り込むと1000ドルの大台割れ濃厚となり、990ドル前後が目先の下値目安に。1020ドル台を超える反発となれば、1050ドル付近までの戻りも想定可能。
ドル円は0.89%の反落。東京市場の円高・株安基調がズルズルと継続、前週末に110円60銭付近まで円安が進行し、上値目安110円後半に到達したことで戻り局面は息切れ。当局のタカ派発言にもドル買いは強まらず、110円付近の小さな保ち合いを下抜けて109円10銭まで下落。週足の「下げ三法」に従っての反落の流れとなり、当面の下値目安は5月半ばまでの保ち合い水準108円台後半へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/23終値とチャート
24日の国内金価格は0.74%安で4日続落。NY金の小幅安の影響を円高によって増幅され、5月10日の4707円をわずかに下回り、4月22日の4700円以来ほぼ1カ月ぶりの安値水準。90日移動平均線にかろうじて支えられた状態も短期上昇トレンドは腰折れ、下値警戒感も高まる状態となり、4700円を割れると4600へ付近まで下値余地拡大へ。4700円台以上を維持できれば4800円までの間でのレンジ形成も。
プラチナ価格は1.58%の大幅反落。前日の反発が一時的に過ぎず、警戒された下値トライへの流れが加速、3840円の節目をあっさりと割り込んだことにより下値目安3800円前後となる3811円まで急落。NYプラチナの一段安の可能性も残り、円高圧力も上値を押さえる状態にあり、さらにもう一段安の展開も想定され、当面の下値目安としては3780円前後も。
※参考:金プラチナ国内価格5/24とチャート
2016年5月24日(火)時点の相場
国内金:4,706 円 5/24(火) ▼35(0.74%)
国内プラチナ:3,811 円 5/24(火) ▼61(1.58%)
NY金:1,251.5 ドル 5/23(月) ▼1.4(0.11%)
NYプラチナ:1,013.1 ドル 5/23(月) ▼10.2(1.00%)
ドル円:109.23 円 5/23(月) ▼0.99(0.89%)
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