更新日:2016年7月30日(土)
12時半を過ぎても日銀からの政策発表がなかったことで、日銀サイトはアクセス不能状態、市場も乱高下の「さわるな危険」状態の実質アクセス不能状態に。
次第に思惑買いが優勢となるなか「日銀追加緩和決定」報道に瞬間的にドル円は105円50銭台まで急騰。
しかし、発表された追加緩和はETF増加ペースを年6兆円へとほぼ倍増、の株価対策のみ。
3次元緩和も予想された状況に対して、量と金利は現状維持。英・欧・米と続いた7月の金融政策がいずれも現状維持となっていたことから日銀だけが派手な動き、には出難いとの見方もあったとおりの、やや控えめの内容となり。政府からの圧力にも配慮したバランス政策となったようです。
マイナス金利の深掘り回避で国内金融株の好感などから日経平均が急落からほどなく持ち直し、一時前日比プラス圏へと持ち直したのに対し、円安支援策見送りによりドル円は105円半ばから103円割れへと3円近くもの大幅円高状態に。それでも日経平均の反発に連れてドル円も103円台回復へと持ち直し。
日銀が次回会合でのマイナス金利付き量的・質的金融緩和の「総括的な検証」を予定したことで市場期待をつなぎとめ、麻生財務相や菅官房長官は「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けて日銀との緊密な連携」と「あらゆる政策を総動員」、「一体となって取り組む」と異口同音に応援演説、×発言。
次週発表される政府の経済対策期待もあり、市場の波乱もいったん収束かと思われた状態も長続きはしませんでした。
ひそかに警戒はされていた米4-6月期GDP速報値の下振れが現実となり、前期比年率2.5%程度の予想に対して1.2%と大幅下振れ。さらに前期分も1.1%から0.8%へと下方修正されたことで、米経済の回復基調失速懸念と、利上げ見通しのさらなる後退でドル全面安へ。
いったんは落ち着くかと思われたドル円も、今度はドル安によって日中安値を下抜けて一時102円割れ。
この流れを受けて、ドル建て金価格は再び上値トライの兆しとなり、プラチナは買われ過ぎ状態での高値更新が続きます。
円高とドル安のダブルパンチによって、週明けの国内金・プラチナ価格は一時調整見通しとなります。
しかし、その流れも政府の「政策総動員」による経済対策によって、下支えされることになるはずですが・・・
29日のNY金相場は1.25%の上昇で4日続伸。米GDP速報値下振れを受けて急騰、1310-30ドル台の保ち合いレンジを再度上抜け、7月上旬から続いた調整フェーズからも本格的に抜け出した形となり、目先は今年高値圏1370ドル付近を目指す流れへ。1310ドル台のサポートラインが当面の主要レンジ下限に。
週間ベースでは+25.6ドル(1.93%)となり、3週間ぶりの反発。月間では+28.4ドル(2.15%)の続伸。
NYプラチナ相場も4日続伸で1.03%の上昇。上値目標1160ドル付近到達後の失速も想定された状況で、実際に1130ドル台前半へと軟調推移となっていた状態から、米GDPの失速によって息を吹き返した形となって再加速。連日の1160ドル超えとなり、終値でも昨年5月21日(1152.3)以来、1年2カ月ぶりの高値水準に。昨年2月から5月までの保ち合い水準上限付近に到達しており、さらなる上値トライにはそれなりの時間と調整が必要となる可能性も。
週間ベースでは+62.2ドル(5.71%)の大幅高で3週ぶりの反発。週間で5%超の上昇は今年6回目。2015年は2回、2014年は0回、2013年は1回、2012年でも5回。
月間では+129.1ドル(12.64%)の続伸。2012年1月の13.5%以来、4年半ぶりの大幅高。
ドル円は3.01%の大幅ドル安円高となって続落。6月24日の3.63%下落に次ぐ大幅下落となったこの日、日銀の金融政策発表後には一時的に103円割れも103円台半ばへと持ち直して下げ止まりの兆し、予想どおり103円の下値目安が下限となったかに思われた展開も、予想外の米GDP下振れで次なる展開へ。ドル全面安の流れとなって再び103円を割れるとNY市場終盤には一時102円割れ。次の下値目安101円付近を目指す流れが加速してしまった状態。2番底をつけに行く展開へ。
週間ベースでは-4.09円(3.85%)の大幅反落。4月25日からの週(-4.8%)以来3カ月ぶりの下げ幅。
月間では-1.10円(1.06%)で続落。前日までプラス圏を維持していた状態から最終日にマイナス転換。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/29終値とチャート
2016年7月30日(土)時点の相場
国内金:4,799 円 7/29(金) ▼19(0.39%)
国内プラチナ:4,047 円 7/29(金) ▼25(0.61%)
NY金:1,349.0 ドル 7/29(金) ▲16.7(1.25%)
NYプラチナ:1,150.6 ドル 7/29(金) ▲11.7(1.03%)
ドル円:102.09 円 7/29(金) ▼3.17(3.01%)
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