更新日:2016年7月27日(水)
リッチモンド連銀の7月製造業指数は事前予想の-5.0程度を大幅に上回る+10.0となり、6月の-9.6(-7.0から下方修正)から急反発。4月の+10.4以来3カ月ぶりの高水準となっています。
2015年以降、好不況の分かれ目となる0をはさんで大きく上下動する荒っぽい展開となってはいますが、6カ月平均で見ると今年2月の-0.1を除くと2013年7月以降3年間プラス圏を維持し、7月時点で+4.1と好調を維持しています。
なお、7月は出荷、新規受注、雇用者数などの指数がいずれも3-4カ月ぶりの高水準となり、半年先の見通しでは賃金が10カ月ぶりの高水準へと上昇しています。
また、25日に発表されたダラス連銀の7月分は-10.0の予想に対して-1.3となり、マイナス幅を大幅に縮小。マイナス圏は1年7カ月連続とはなったものの、この間ではマイナス幅は最小となり、次月1年8カ月ぶりのプラス圏回復への期待も高まる状態となってきました。原油価格反発による影響が遅れながらもようやく表れ始めた様子です。雇用指数は7カ月連続マイナス圏の-2.6もこの間では最高水準へと持ち直しの兆し、設備投資は2014年12月以降での最高水準へと上昇。見通し指数も1年ぶりの高水準となる18.4へと急上昇しています。
その前に発表されていたNY連銀とフィラデルフィア連銀の7月はいずれも6月から反落、NY連銀が+0.55、フィラデルフィア連銀は-2.9となっていました。
NY連銀では、雇用指数が6カ月ぶりの低水準へと悪化し、平均労働時間も2カ月連続の-5ポイント台となり、昨年後半のマイナス2桁台からの回復傾向もまだ途上、という状態。期待指数は29ポイント台で悪くはなく、それほど良くもない状態。
フィラデルフィア連銀では、新規受注も出荷も4カ月ぶりの水準を回復し、雇用指数は7カ月連続のマイナス圏も-1.6とプラス圏回復目前まで復調、半年後の期待指数も33.7とまずまず良好、という状態。
全般的には好不況の分かれ目となる0ポイント付近に収束してきた形となりましたが、年初までの下振れ傾向が目立った状況からは確実に回復傾向となり、今後の見通しも比較的良好な状態となってきているようです。
先日のマークイットの製造業PMIの7月速報値も52.9へと回復基調を示していたことから、7月のISM製造業景況指数も5カ月連続の50超と安定した状態を示すのではないかと予想されます。
26日のNY金相場は0.1%の小幅高で3日ぶりの反発。この日も前日時間外の1310ドル台からNY市場にかけて1320ドル台へと買い戻される展開。もう一段の調整が進みそうで進まない、FOMC待ちの小動き状態が継続。わずかに上値を切り下げる傾向となり、1310ドル台から30ドル台までの保ち合いレンジ下方ブレイクへの警戒感がやや高まる状況。ブレイク後の下値目安は1290ドル前後、上方ブレイクなら今年高値圏再トライへの流れへ。
NYプラチナ相場は0.97%の大幅高。調整フェーズが進み始めたかに見えた流れは一時的に留まり、高値保ち合いレンジをわずかに拡大する形で保ち合い継続へと軌道修正。あらためて1080ドル台半ばをしっかりと下抜けるような展開となれば調整局面進行で下値目標は1050ドル前後。上方向へ1110ドル台の高値更新となった場合には上昇トレンド加速で上値目安は1160ドル台辺りまで。
ドル円は1.11%の大幅ドル安円高となって続落。東京市場での経済対策期待後退による株安・円高の流れは欧州市場まで続き、一時104円割れ。13日と14日の安値も意識されてかなんとか下げ止まり。NY市場で発表された米経済指標はマークイットの非製造業PMIが50.9と予想を下回り、前月からも低下とさえない結果となった以外は概ね好結果となり、ドル高優勢の展開へ。日銀の追加緩和報道を受けて一時105円手前まで上昇もその後は失速。結果的に105円台後半の節目割れによる下値目安104円台半ばまでしっかりと下げたことでいったん落ち着いた状態に。ただし、この104円台半ばをさらに割り込む展開となると、円高リスク再燃で下値目安は102円台前半へ。円安方向へと切り返した場合には、106円台前半が節目となり、超えると107円台後半まで上値余地拡大へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/26終値とチャート
27日の国内金価格は0.34%安となって3日続落。6月23日を起点とした上昇トレンドの勢いはほぼ失速し、短期的には下方向への勢いが強まりやすい状態に。調整幅としては38.2%ラインとなる4739円辺りまでは下げやすく、逆にサポートもされやすく、この近辺で下げ止まって切り返す展開となれば、上昇トレンド中の調整局面終了でトレンド再開へ、という展開もあり得る状況。しかし、38.2%ライン付近を超えてさらに4720円の節目を割れると4660円前後までが下値目安となり、調整幅としては61.8%戻し。そうなった場合は調整の範囲を超えて新たな下落トレンドが既に進行している状態。目先、今回のFOMCでは極端な流れとはなり難く、警戒すべきは日銀現状維持による失望の円高か。
プラチナ価格は0.43%の続伸。3900円台で切り返し、調整不十分のまま高値保ち合い継続の兆し。3900円がサポートラインとなり、3度跳ね返された3974円の今年高値までのレンジでの保ち合いも今週末にかけてブレイクする可能性も高まる状況へ。下抜けの場合には少なくとも6月末からの上昇幅に対する23.6%戻しライン3852円前後が目先の下値目安に、次の目安38.2%ラインは3776円。上方ブレイクなら上値目安は4020円前後へ。
※参考:金プラチナ国内価格7/27とチャート
2016年7月27日(水)時点の相場
国内金:4,754 円 7/27(水) ▼16(0.34%)
国内プラチナ:3,926 円 7/27(水) ▲17(0.43%)
NY金:1,320.8 ドル 7/26(火) ▲1.3(0.10%)
NYプラチナ:1,099.0 ドル 7/26(火) ▲10.6(0.97%)
ドル円:104.63 円 7/26(火) ▼1.18(1.11%)
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