更新日:2016年9月16日(金)
15日に発表された9月のNY連銀製造業景況指数は-1.00予想に対して-1.99の下振れ。フィラデルフィア連銀の同指数は+1.0予想に対して+12.8と大幅上振れ。明暗分かれる結果となった米主要地区連銀の9月指標は、同時刻に発表された他の指標の強弱入り交じる結果と合わせ、一時的には市場の乱高下を招く要因の一つとなりました。
NY連銀の指標では、予想を下回ったものの8月の-4.21からは反発しています。新規受注と出荷は7カ月ぶりの低水準へと後退し、雇用と平均労働時間は9カ月ぶり低水準へと落ち込みました。しかし、見通し指数は3カ月ぶりに30台の高水準へと上昇し、今後の回復基調が期待されている状況のようです。
フィラデルフィア連銀の指標では、総合指数は2015年2月(13.0)以来1年7カ月ぶりの高水準。但し、出荷は5カ月ぶりの低水準に鈍化、仕入れ価格は3カ月ぶりに20台の高水準を回復し、販売価格も一桁台後半ながら堅調推移、雇用は8月の-20からは-5.3へと急回復も9カ月連続のマイナス圏。半年後の見通しでは8月の40台からは低下も30ドル台後半の高水準維持で良好。
NY、フィラデルフィアともに雇用が不調ながら、今後の見通しは上向き。総合指数の推移からも、年末年始の底入れ後、上下動を繰り返しながらも下値を切り上げる推移が続き、回復基調を維持している様子。
8月小売売上高も前月比-0.1%予想に対して-0.3%、自動車を除く数値でも+0.2%予想に対して-0.1%といずれも予想を下回りましたが、そもそも前月比の数値なのでプラス圏が何カ月も続くことはなく、上下動を繰り返す推移となります。6カ月平均で見ると、8月は+0.27%となり、2015年3月以来1年半もの間プラス圏推移が続きます。自動車を除く数値でも8月時点の6カ月平均は0.32%で7カ月連続のプラス圏を維持。
各地区連銀の景況感も小売売上高も、ゆるやかな回復基調、比較的好調推移が続く状況のようです。
15日のNY金相場は0.61%の反落で1320ドル割れ。9月1日(1317.1)以来、2週間ぶりの安値水準に。米8月小売売上高、9月NY連銀製造業景況指数の下振れを受けて1320ドル台半ばから1330ドル台前半へと急騰、しかし同時に発表された週間新規失業保険申請件数と9月フィラデルフィア連銀製造業指数が上振れたことで切り返し、1312ドルまで急反落。強弱入り交じる指標結果に乱高下を経て元の水準へと戻すもその後はやや軟調気味。1330ドル前後での抵抗感が徐々に強まり、1310ドルのサポートラインがより意識される状況となり、今朝も1320ドル前後の攻防状態。
6月24日の急騰で1300ドル台へと水準を切り上げてからの3カ月間は、1300ドルの大台を割れることなく1310ドルが下値サポート水準であり続けた状態。この水準は90日移動平均線と5月末安値からの上げ幅に対する38.2%戻しの水準にも相当し、かなり強めのサポートライン。ここを割り込む為にはそれなりの材料が必要。しかし、割り込んだ時には1300ドルの大台でサポートされる可能性は低く、61.8%戻しにも相当する1270ドル付近までの下落も想定される。
NYプラチナ相場も0.68%の反落。強弱の米指標を受けての乱高下では1044ドルから1026ドルまでの範囲で1030ドル台前半に収束。6月30日(1021.5)以来、2カ月半ぶりの安値水準となり、下値目安1030ドル付近にも完全に到達した形で、いったんは落ち着きどころ。しばらくはこの近辺での小動きが続き、次週のイベント待ちへ。金と同様、急落の確率は低いと予想するものの下値警戒水準としては、今年の上げ幅の半値戻しにも相当する1000ドルの大台ライン付近まで。
ドル円は0.3%のドル安円高で小幅続落。FOMC前のプチ・イベントとなった21時30分の複数指標の同時発表を受けて101円90銭付近まで急落、直後の反発では102円70銭台まで。ほぼ現状の小幅保ち合い水準下限から上限までの変動を試し、方向感確立には決め手を欠く状態。今朝の東京市場では102円割れでレンジ下限付近での推移と軟調気味の展開に。しかし、これも次週までは大きく割り込むような展開も予想し難いところ。イベント前に動意づいて動き出すようなことがあれば、上方向へは104円台、下方向には100円近辺までが当面の目安。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/15終値とチャート
16日の国内金価格は3日ぶりの反落で0.98%の大幅安。NY金と為替が同時にレンジ下限付近へと軟調推移となったことにより、保ち合い継続予想のシナリオはあえなく崩れ、下方ブレイクへ。現状ここから本格的な下落基調がスタートするような状況にもなく、一時的な下振れに過ぎない可能性も残されるものの、単体で見た場合の流れは下方向優勢、6月安値の手前、4570円付近までが下値警戒水準に。4680円辺りまで反発することができれば、4700円台後半へと流れが変わる可能性も。
週間ベースでは-75円(1.59%)、3週間ぶりの反落。
プラチナ価格も1%の大幅反落。下落途中の一服を経て勢いが増してしまった形で下値目安3660円台をややオーバーラン。いったんは下げ止まる可能性も想定され、当面の上値抵抗水準としては21日移動平均線の3770円台辺り。下方向へのさらなる行き過ぎ警戒水準としては、6月末からの上げ幅の76.4%戻しとなる3600円付近まで。
週間では3週ぶりの反落で-179円(4.68%)、4月前半の5.11%に次ぐ大幅安。
※参考:金プラチナ国内価格9/16とチャート
2016年9月16日(金)時点の相場
国内金:4,628 円 9/16(金) ▼46(0.98%)
国内プラチナ:3,647 円 9/16(金) ▼37(1.00%)
NY金:1,318.0 ドル 9/15(木) ▼8.1(0.61%)
NYプラチナ:1,033.8 ドル 9/15(木) ▼7.1(0.68%)
ドル円:102.09 円 9/15(木) ▼0.31(0.30%)
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