更新日:2016年9月17日(土)
米労働省が発表した8月の消費者物価指数(CPI)は事前の予想を上回り、前月比では+0.1%予想に対して+0.2%、食品とエネルギーを除くコアCPIは+0.2%を上回る+0.3%。
前年比でもCPIは+1.0%予想に対して+1.1%、コアCPIは+2.2%を上回る+2.3%。
コアCPIの前年比+2.3%は今年6月と2月に並び、2012年5月以来、4年ぶりの高水準となりました。
今後、前年比+1.6%での横ばい推移が続く個人消費支出の物価、PCEデフレーターを押し上げる可能性を示した形で、年内利上げに向けては好材料となりました。
いっぽう、ミシガン大学が発表した1年期待インフレ指数の9月速報値は+2.3%。2010年9月(2.2)以来、6年ぶりの低水準となっています。
2011年以降の低下傾向は続き、3カ月平均でも2.5%となり、2月と並んで2010年10月以来、ほぼ6年ぶりの低水準です。
先日、NY連銀の1年期待インフレ指数では8月に反発し、底入れの可能性を示していたの対し、ミシガン大の指標では低下基調から抜け出せない状態が続きます。
インフレ期待値の反発への可能性の判断は、少なくともあと数カ月は必要となりそうで、年内利上げに向けても懸念材料であり続ける状況です。
16日のNY金相場は0.59%の続落。時間外には1320ドルをわずかに割り込んでの揉み合い状態、NY市場では米8月CPIが予想を上回る好結果となったことで小幅に急落。一時的には1309ドルまで下げて重要なサポート水準1310ドルラインに支えられて下げ止まり。終値ベースでは6月24日の急騰後の最安値となり、6月23日(1263.1)以来、およそ3カ月ぶりの安値水準。90日移動平均線(1310.2)にも引っ掛かった状態でシルバーウィークの日米イベント待ちへ。日銀の追加緩和で円安進行度合いが強まるようなら、相対的なドル高が若干の下押し材料に。FRBの現状維持で年内利上げ見通しもそれほど強まらないようならいったん金は反発へ。ドル買いの勢いが強まれば1300ドルを割れて1270ドル付近までが当面の下値目安に。
週間ベースでは-24.3ドル(1.82%)、3週間ぶりの反落。
NYプラチナ相場は1.57%の大幅続落。下値目安水準(1030)到達や南アランド下げ止まりの兆しなどもあり、重要イベント前にいったん下げ止まり、との予想に反しての続落で6月29日(1011.3)以来、2カ月半ぶりの安値水準に。米CPI上振れに伴うドル高金安の流れと株安の流れに押される形で次の下値目安1020ドル割れにも到達。一時1010ドルまで下げて戻りを試す流れで今週を終えており、次週半ばまでは大台割れ回避へ。イベント後にドル買い金売りの流れが加速するようだと大台割れトライの可能性も。その場合の下値目安としては今年の上昇値幅の61.8%戻しとなる960ドル付近が意識されることに。
週間ベースでは-49.9ドル(4.67%)の反落。1月半ば(-5.83%)に次ぎ今年2番めの大幅下落。
ドル円は0.18%のドル高円安へと3日ぶりの小幅反発。102円を挟んでの揉み合いから欧州時間にかけては101円70銭台の安値まで下押し、米CPI上振れを受けて再び102円台へと反発すると上値は102円40銭台まで。結局101円台後半から102円台後半のレンジ内推移はこの日も継続。徐々にレンジを狭めて動き出しを待つ体勢が整いつつある様子。テクニカル的な節目は上方向に多い状態ながら、流れはほぼニュートラルで純粋に日米金融政策動向と見通しに反応する展開が予想され、上方ブレイクなら104円台後半まで上値を伸ばす可能性もあり、複数の節目を超えて今後の流れも好転へ。下方向へは100円前後がメドに。
週間ベースでは-0.42円(0.41%)と小幅続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/16終値とチャート
2016年9月17日(土)時点の相場
国内金:4,628 円 9/16(金) ▼46(0.98%)
国内プラチナ:3,647 円 9/16(金) ▼37(1.00%)
NY金:1,310.2 ドル 9/16(金) ▼7.8(0.59%)
NYプラチナ:1,017.6 ドル 9/16(金) ▼16.2(1.57%)
ドル円:102.27 円 9/16(金) ▲0.18(0.18%)
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