更新日:2016年11月3日(木)
10月の米ADP雇用者数は事前予想を下回り、5カ月ぶりの低水準へと反落しました。
9月は大幅上方修正、8月は下方修正されていますが、今回は過去分全般に渡って修正され、6月分は+9.1万人の大幅上方修正、5月分は-15.0万人の大幅下方改訂など、かなりの修正幅となっています。
その結果、ADP雇用者数の3カ月平均の推移は、以前にも増して雇用統計NFPのそれと非常に似通った推移となっています。とりわけ今年2月以降はほぼ一致、と言っても差し支えない推移となっています。
9月時点での24カ月相関係数は0.7534と非常に強い相関関係を示し、とはいえ政府関連の雇用者数を含むNFPの2016年平均は17.8万人、ADPは17.5万人となり、ここ数年でもコンスタントにNFPのほうが数千人から数万人多い状態となり、かなり妥当な?数値となっています。
ADPの数値は、雇用統計の先行指標としての精度を増したかもしれません。NFPの3カ月平均も減速傾向継続となる可能性は高そうです。
週末の雇用統計NFPが市場予想どおりの+17.5万人となった場合、3カ月平均ではADP:17.0万人に対しNFP:16.6万人となり、ほぼ完全一致の状態が続きます。
ただしNFPの数値はADPの数値を若干上回るべき、とすると若干の上振れ余地はあっても良さそうです。
その場合も+20万人程度なら3カ月平均も17.4万人となり、妥当な範囲。
いずれにしても、ADPもNFPも年間平均では2014年からコンスタントに鈍化傾向が進んでいます。
2日のNY金相場は1.57%の大幅続伸。前日から続いたリスク回避優勢の流れでコンスタントに上値を切り上げ、10月3日(1312.7)以来1カ月ぶりの高値水準に到達。くすぶり続ける米大統領選挙への不透明感、トランプリスクを背景にNYダウは5日続落となり、終値でも7月7日(17895.9)以来4カ月ぶりの安値水準となって18000ドル割れ、NASAQも7日続落で3カ月ぶり安値水準で節目の5100ポイント割れ目前となるなど世界同時株安の展開。米10月ADP雇用者数も予想を下回り、ドル安の流れも継続。しかし、引け後のFOMC声明文では予定どおりの現状維持もインフレ見通しなどでは楽観表現も見られ、株価やドルも下げ渋り、NY金は調整反落で今朝の時間外では1300ドル割れ。
結果的には急落前の保ち合い下限、7月高値から10月安値までの半値戻しにも相当する1310ドルラインが抵抗水準となって反落した状態。ただ、Fedウォッチの12月利上げ確率は66.8%へ、2017年9月追加利上げ確率も30.7%へといずれも小幅に低下。週末の雇用統計もそれほどの好結果は期待できなさそうな状況で、結果次第ではあらためて1310ドルの節目超え再トライも。
NYプラチナ相場は0.39%の続伸。金とともに上昇基調継続も欧州株安の影響もあってかやや勢いには欠ける展開、それでも1カ月ぶりに1000ドルの大台ラインにはワンタッチ。FOMC後の今朝には990ドル付近まで反落しており、こちらは1000ドルの大台ラインが節目として意識された様子。990ドル付近はサポートラインとなりうる水準でもあり、この水準を週末まで維持できれば、上値再トライの展開も。雇用統計後にそうなった場合、1010ドル付近で上昇基調を維持する200日移動平均線が次の重要な節目水準に。
ドル円は0.81%の続落で10月7日(102.96)以来、4週間ぶりのドル安円高水準へと逆戻り。日本株安、欧州株安の流れとともにドル安円高の流れが続き、103円台前半へ。ADP雇用下振れ、FOMC声明文発表直後にはいずれも103円00銭台まで下落、しかしこの水準では底堅く、耐える展開。今朝も祝日で閑散状態の東京市場では円買い優勢。103円台半ばの節目水準を下方ブレイクし、流れは既に円高ドル安優勢の状態、今晩のISM非製造業景況指数、明日の雇用統計などでネガティブな結果があれば一段安も。米大統領選の行方に関する情報も含め、リスク回避の流れが加速した場合、下値目標は9月末の保ち合い水準上限、101円近辺まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/2終値とチャート
2016年11月3日(木)時点の相場
国内金:4,610 円 11/2(水) ▲8(0.17%)
国内プラチナ:3,554 円 11/2(水) ▲7(0.20%)
NY金:1,308.2 ドル 11/2(水) ▲20.2(1.57%)
NYプラチナ:1,001.8 ドル 11/2(水) ▲3.9(0.39%)
ドル円:103.31 円 11/2(水) ▼0.84(0.81%)
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