更新日:2017年5月3日(水)
マークイットと日経などから発表された4月の製造業PMIでは、ほとんどの主要国が節目の50を上回る加速基調入り。足下では、3月にトルコが1年1カ月ぶりの50台を回復し、4月にはブラジルが2年3カ月ぶりの50台回復。近年稀に見る好景気状態となってきた様子です。
主要国の4月のPMI総合指数を数値順に並べると、
ドイツ:58.2(↓5年11カ月ぶり高水準となった3月から0.1低下)
オーストリア:58.1(↑6年1カ月ぶり高水準)
オランダ:57.8(→5年10カ月ぶり高水準となった2月から0.5低下した3月と同じ)
英国:57.3(↑2年10カ月ぶりの高水準)
ユーロ圏:56.7(↑6年ぶり高水準)
イタリア:56.2(↑6年1カ月ぶり高水準)
フランス:55.1(↑6年ぶり高水準)
アイルランド:55.0(↑3カ月ぶり高水準)
スペイン:54.5(↑2カ月ぶり高水準)
ポーランド:54.1(↑2カ月ぶり高水準)
米国:52.8(↓7カ月ぶり低水準)
日本:52.7(↑2カ月ぶり高水準)
インド:52.5(→3月から変わらず)
トルコ:51.7(↓過去12年間で最大となった3月から0.5低下)
ロシア:50.8(↓8カ月ぶり低水準)
中国:50.3(↓7カ月ぶり低水準)
ブラジル:50.1(↑2年3カ月ぶり高水準)
ギリシャ:48.2(↑4カ月ぶり高水準)
英国を含むEU圏、とりわけギリシャを除くユーロ圏各国の好調ぶりは際立ちます。
対称的に新興国勢は50超の加速基調は維持しながらも、いずれも低水準にとどまっています。
ブラジルは急回復が続き、ようやくニュートラル水準となってきた状態、しかしロシアと中国は節目の50割れも視野に入り、その失速ぶりが気になるところです。原油価格の伸び悩みなども影響しているものと推測され、世界の貿易への影響も懸念されます。
また、現状水準こそ違えど失速ぶりでは同レベルの米国の今後の動向にも要注意、という状況でしょうか。
※参考:ブラジル、ロシア、インド、中国、英国、ユーロ圏の製造業PMI
2日のNY金相場は0.12%の小反発。FOMCや雇用統計等米経済指標に仏大統領決選投票など、いずれも今回は相場変動への多大な影響を及ぼすような結果は想定されないものの、週末にかけての多数のイベントを控えて市場全体が一服状態となった日。1250ドル台での小康状態が続いた金のこの日の値幅6.2ドルは4月28日の5.7ドルに続いて今年2番めの小動き。NASDAQは連日の最高値更新、連休明けのドイツDAXも最高値更新など株高進行のリスク・オン地合いは続くものの、米10年債利回りは節目の2.3%で揉み合い状態となって反発しきれず、ドル・インデックスも揉み合い状態となったことなどが金の下値を支える状況。目先、下値は1240ドル近辺がサポート水準候補となり、FOMCで6月利上げ示唆、バランスシート縮小議論の動向によってはドル売りで金は反発の展開も。ただし上値は1280ドル程度が抵抗水準候補。
NYプラチナ相場は0.67%安となって3日続落。12月30日(901.6)以来、4カ月ぶりの安値を更新。短期的には下げ止まりやすいとも思われた940ドル台へと戻すことなく下落トレンド継続の兆しも。イベントをきっかけに金が下方向へと動き出した場合にはプラチナの一段安も想定され、昨年末水準900ドルの大台ラインが当面のサポート水準候補として作用するかどうか。金との価格差331ドルは昨年10月21日(335.4)以来、6カ月半ぶりのピーク水準。
ドル円は0.14%の小幅ドル高円安となって4日続伸。日経平均の上昇に連れてドル高円安が進行した東京市場では、なかなか上抜けできなかった112円ラインを突破し、3月21日以来の水準となる112円30銭まで上昇。しかしこれがこの日の高値となってNY市場にかけては米10年債利回りの軟調推移にも連れて調整の展開へ。112円の攻防ラインまで押し戻された状態の今朝から東京市場は連休入り。リード役不在のなかではなかなか動意付き難い状況か。日足レベルではここまで一本調子で上値を切り上げてきた展開から、多少の調整局面も。FOMC声明文でタカ派寄りの姿勢が見られれば、改めて112円をしっかり上抜けてさらに加速への展開も。その場合の次の上値目安は114円台へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/2終値とチャート
2017年5月3日(水)時点の相場
国内金:4,839 円 5/2(火) ▼24(0.49%)
国内プラチナ:3,610 円 5/2(火) ▼39(1.07%)
NY金:1,257.0 ドル 5/2(火) ▲1.5(0.12%)
NYプラチナ:926.0 ドル 5/2(火) ▼6.2(0.67%)
ドル円:111.98 円 5/2(火) ▲0.16(0.14%)
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