更新日:2017年7月15日(土)
米労働省が14日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+1.6%。市場予想の+1.7%を下回り、5月の+1.9%からも一段と低下。その5月は事前予想+2.0%に対しての下振れ、4月は予想+2.3%に対して結果+2.2%、3月は+2.6%予想に対して+2.4%と、4カ月連続での予想下振れ。
そして6年11カ月ぶりの高水準となった2月の前年比+2.7%をピークに4カ月連続の低下となり、昨年10月(+1.6%)以来8カ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー関連を除くコアCPIの6月は前年比+1.7%となり、2015年5月(+1.7%)以来2年ぶり低水準となった5月から横ばい推移。今年1月の+2.3%がピークとなり、5月まで4カ月連続低下し、いったん下げ止まった状態です。
なお、CPIの内訳でガソリンの前年同月比-0.4%以外で低下が目立つのは、中古車-4.3%、航空運賃-4.3%、携帯電話サービスは-13.2%。
FRBが一時的要因によるとするインフレ鈍化傾向は年初からスタートして6月まで続いたことになります。
7月にはこれらの物価が底打ち、反発への兆しとなれば、CPIも反転へと向う可能性も高まり、FRBの思惑通り一時的要因解消とともにインフレ再上昇へと向うことになりそうです。
しかし、そうならなければ、一時的要因は半期で終息せず下期へとずれ込むことになり、1週間前の47.3%から43.1%まで低下してきた12月利上げの確率は一段と低下することにもなりそうです。
それを見越した株式市場では利上げ観測後退を好感し、NYダウが3日連続の過去最高値更新となり、VIX指数は23年半ぶり低水準となる9.51まで低下しています。
14日のNY金相場は0.84%の反発。ジリ高推移となった時間外に1220ドルを回復すると、NY朝に発表された米6月CPIの鈍化に加え、小売売上高も前月比+1.1%予想に反して-0.2%、自動車を除く売上高も+0.2%予想に対して-0.2%といずれも低調となり、1230ドル台へと急騰。その後発表された6月鉱工業生産は好調も7月ミシガン大消費者信頼感指数が低調となったことで、急騰後の金の売りも限定的となり、1220ドル後半を維持して終了。6月高値から7月安値までの38.2%戻し(1240.2)手前まで上昇し、終値では6月30日(1242.3)以来半月ぶりの水準を回復。1200ドル台でしっかり反発した形となって流れも好転目前、目先の抵抗水準1240ドルを超えると61.8%戻し(1262.6)近辺が意識される。
週間ベースでは+17.8ドル(1.47%)となり、6週間ぶりの反発。
NYプラチナ相場は1.81%の大幅反発。NY朝の急騰局面では910ドル付近から920ドル台へ大幅上昇。その後の調整も限定的となり、ほぼ高値引け状態。連日の乱高下でも下げ幅を上げ幅が上回る堅調推移となり、流れも好転。6月30日(923.7)以来半月ぶりの水準に到達し、抵抗水準となっていた920ドルラインも突破。それなりの上昇局面を形成する可能性は高まり、目先の上値目標水準は940ドル台まで。
週間ベースでは+19.4ドル(2.15%)となって3週間ぶりの反発。
ドル円は0.68%のドル安円高となって反落、6月30日(112.43)以来半月ぶりの円高水準。米6月CPIと小売売上高の低調な結果を予想していたかのように、東京市場での高値113円50銭台から113円10銭近辺まで軟調推移の展開で指標結果を確認すると112円20銭台まで1円弱の急落。短期的な円高目安となっていた112円半ばの水準に到達したことによる反発もミシガン大消費者信頼感指数も低調となり、戻りも限定的に。短期上昇トレンドは終了し、調整局面入りした流れにあり、4月安値108円10銭台から7月高値114円50銭近辺までの38.2%戻しとなる112円06銭近辺までが目先のサポート水準となり、ここを下回ると50%ラインの111円30銭、61.8%戻し110円56銭辺りまでが次の下値目安に。上方向には114円ラインが当面の抵抗水準に。
週間ベースでは-1.42円(1.24%)、5週間ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/14終値とチャート
2017年7月15日(土)時点の相場
国内金:4,757 円 7/14(金) ▼5(0.10%)
国内プラチナ:3,545 円 7/14(金) ▼37(1.03%)
NY金:1,227.5 ドル 7/14(金) ▲10.2(0.84%)
NYプラチナ:923.5 ドル 7/14(金) ▲16.4(1.81%)
ドル円:112.50 円 7/14(金) ▼0.77(0.68%)
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