更新日:2017年7月18日(火)
7月のNY連銀製造業景況指数は市場予想の15.0を大きく下回る9.8。2年9カ月ぶり高水準となった6月の19.8からも急反落。
新規受注は6月の18.1から13.3へと低下し、出荷も2年9カ月ぶり高水準となった6月の22.3から10.5へと急反落で1月(7.3)以来、半年ぶりの低水準。雇用も6月の7.7から3.9へと3カ月連続の低下で2月(2.0)以来5カ月ぶりの低水準。仕入れ価格と販売価格はいずれも6月からはわずかに上昇も近年のピークとなった2月の数値からは半減レベルの水準。
全般に低調な結果となったものの、総合指数を6カ月平均で見ると7月は11.48。6月の10.93からはわずかに上昇し、2015年1月(12.77)以来2年半ぶりの高水準。昨年12月まで17カ月連続のマイナス圏推移となった後、今年に入って7カ月連続のプラス圏となり、景況感は拡大基調を維持。
ただし、6カ月平均での伸び率には鈍化傾向が見られるのに加え、見通し指数も低下傾向。総合的な見通しを示す期待指数は6月の41.7から34.9へと大幅低下、5年ぶり高水準となった12月と1月の49.7からは大きく鈍化。雇用も2月の28.6をピークに足下3カ月連続の低下で11.8、仕入れ価格も1月の50.4から7月は30.7まで低下。
先行き鈍化見通しとともにピークアウト懸念も再びくすぶる状況となってきました。
なお、NY連銀製造業景況指数とISM製造業景況指数は相関性が強く、24カ月の相関係数は6月時点で0.7162。2015年後半以降は0.6台から0.8台での推移が続きます。6月に大幅反発したISM製造業景況指数も7月の失速が懸念されます。
17日のNY金相場は0.51%の続伸。前週末の流れを維持して1220ドル後半での推移から、ロンドン・NY市場にかけては米10年債利回りが2.31%台へと低迷し、ドル売り優勢の展開となって金は一段高。米7月のNY連銀製造業景況指数が下振れたこともあり、NY市場では一時1235ドルまで上昇。半月ぶりに200日移動平均(1233.0)を上抜け、方向感も上向きへ。目先の抵抗水準は6月後半の揉み合い水準で90日移動平均線(1249.7)も横たわる1250ドル近辺。1260ドルを超えるような展開となった場合には高値再トライへと発展する可能性も。
NYプラチナ相場も0.74%の続伸。前週末からの堅調推移は続き、NY朝には一時937ドルまで上昇、終値でも6月14日(951.9)以来1カ月ぶりの高値水準となる930ドル台。短期上値目安となる940ドル台にはわずかに届かず失速した状態となって今朝の時間外には930ドル割れ。このままズルズルと反落へ、という下方リスクはつきまとうものの、先週の乱高下を経て短期トレンドは好転していることから、再度上値トライへと向う可能性は高そう。5月末と6月初旬に上値を押さえられた90日移動平均線(940.9)をしっかりと上抜けできるかどうかが今後の展開のポイントに。
ドル円は0.11%の小反発。海の日で休場となった東京市場では112円50銭をはさんでの保ち合い、欧州市場では米10年債利回り低下とともに112円70銭台から30銭台まで円高推移。低調となったNY連銀製造業景況指数もドル高への重石となったものの、その後は急速に買い戻しの展開となって112円80銭台まで反発。しかし上値の重さは変わらず、今朝の東京市場にかけて112円台前半へと再反落。112円前半では底堅く、113円に抵抗感。20日移動平均線(112.65)との攻防状態となりつつも流れは円高方向がやや優勢の状況に。112円前半を下抜けると111円前半までの下値余地、113円突破では114円が次の抵抗水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/17終値とチャート
3連休明け、18日の国内金価格は4営業日ぶりの反発となって0.55%高。週末の米指標低迷をきっかけに流れが変わり、ゆっくりと水準を切り下げる展開となっていた国内金価格も大きく値を戻す形となり、下値トライリスクは大きく後退。先週末安値4757円が当面の底値となって反発基調へと向う可能性も。目先4750円台から4830円までを上下の節目として新たな展開へ。レンジ内推移から上限突破へと向うようならその先の目標水準は今年高値更新し、昨年高値4941円も視野に。逆に再度下限割れとなれば4710円前後が次の下値目安に。
プラチナ価格は1.13%の大幅反発。7月3日(3593)以来、2週間ぶりの高値水準となり、1カ月以上続く底値保ち合いから上抜けの兆し。金との価格差も1198円となり、わずかながらも再び1200円割れ、鍋底からの反発局面形成に向けての必須条件をクリア。3600円超へと上値を伸ばすことができれば上昇トレンド本格化の可能性、当面の目標水準は3800円台へ。ただし乱高下の展開から3540円の底値割れの場合には大幅下落局面形成となる可能性、下値目安は最大3300円前後まで。
※参考:金プラチナ国内価格7/18とチャート
2017年7月18日(火)時点の相場
国内金:4,783 円 7/18(火) ▲26(0.55%)
国内プラチナ:3,585 円 7/18(火) ▲40(1.13%)
NY金:1,233.7 ドル 7/17(月) ▲6.2(0.51%)
NYプラチナ:930.3 ドル 7/17(月) ▲6.8(0.74%)
ドル円:112.62 円 7/17(月) ▲0.12(0.11%)
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