更新日:2017年8月3日(木)
7月末には1ドル=110円20銭台となって1カ月半ぶりのドル安円高水準、8月2日には1ユーロ=1.1850ドル台となり、2015年1月以来2年7カ月ぶりのドル安ユーロ高。
ドル全面安の流れはとまらず、ドルインデックスは今年ほぼ一方的な下落基調が続き、7月末に93ポイント割れ、8月2日時点では92.70ポイント台の安値圏となっています。
既にトランプラリーの全戻しだけにはとどまらず、2015年以降の安値圏となる93ポイント前後の重要水準との攻防を迎えています。
短期的には、NY金との逆相関性が最も強いのはドル円で、両者の相関係数は現時点で90日でも30日間でも-0.9台と非常に強い逆相関を示し、日々逆行状態が続きます。
ドルインデックスとNY金との関係性は、短期的には逆相関関係はそれほど強くなく、現時点での90日相関係数は0.13台とほぼ無関係の状態。しかし、ドルの価値が高まれば、相対的にドル資産のNY金は下落しやすくなり、ドルの価値が低下している現在は、相対的に金の価値が高まりやすくなる傾向にあります。
ドルインデックスとNY金との過去1年間の相関係数は-0.736台と、やや強めの逆相関を示し、大まかな流れとしては逆行しやすいことも示します。
ドル高時代の終焉をかけた重要水準の攻防にあるドルインデックスがさらに下落するようなら、NY金の相対的な強気相場も続くことになり、今年2度上値を押さえられた1300ドルの重要水準との攻防を迎える確率は高まり、さらにこれを突破して行く可能性も浮上することにもなりそうです。
2日のNY金相場は5日ぶりの反落で小幅調整。NYダウが2月以来今年2度めの7日続伸で最高値更新、節目の22000ドル到達でRSIは77.4%まで上昇。過熱感ではNYダウを上回るNY金は90%台での推移が3日連続となって91.2%まで上昇。このところの急騰局面からの調整を余儀なくされた形でNY引け後に調整幅を拡大、今朝の時間外では一時1260ドル台前半まで急落する場面もあり、7月10日安値から8月1日高値までの23.6%戻し(1262.3)を瞬間的にはほぼ達成した状態。短期的な流れとしては目標水準1290ドル近辺を目指すトレンドは継続中と見るが、雇用統計の結果次第となってきた様子も。ポジティブ・サプライズとなった場合には短期トレンド腰折れで38.2%戻し(1251.2)近辺までの調整は必至か。
NYプラチナ相場は0.45%高となり、1年ぶりで今年初となる5日続伸。6月6日(963.3)以来ほぼ2カ月ぶり高値圏となり、5月と6月高値で形成したダブルトップ上限960ドル台を目指す短期トレンド継続中。今朝の時間外には金に連れての下落局面も限定的にとどまり、950ドル近辺での攻防が継続。仏・英が2040年までにディーゼル車販売禁止方針を表明し、需給面でのアゲンストの風が吹き荒れるなか、ドイツでは排ガス制御での大気汚染対策に取り組む方針で合意するなどディーゼル車擁護のプラス材料も。
ドル円は0.31%のドル高円安となって続伸。米7月ADP雇用者数は市場予想を下回ったものの、過去2カ月分が上方修正されたことを好感し、米10年債利回り上昇とともに111円手前まで上昇。しかし東京市場での高値ともなったこの水準を超えることは出来ず、金利反落にも連れて110円20銭台まで急反落。ただしこの水準での底堅さも確認する形となって110円後半へと反発。目先のレンジ上下限を確認するような展開となって週末の雇用統計待ちへ。目先、軽めのサポートラインとなってきた110円20銭を割り込むようだと6月安値圏109円前後が意識され、軽めの抵抗線となりつつある111円ラインを超えた場合、過去3月や5月にも反発局面で上値を押さえられた112円ラインが強めの抵抗線。これも上抜けるようなポジティブサプライズは想定し難いが、その場合には113円前半が視野に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/2終値とチャート
3日の国内金価格は0.1%の小反落。4830円の節目手前の水準での小動きが1週間継続し、その間にNY金は買われ過ぎ、ドル円は売られ過ぎの過熱感が高まり、NY金にはやや不安定な動きも見られる状況となり、国内金価格は上値を押さえられる状況下でもRSIは70台へと上昇傾向。それでも短期的な方向感は依然上向き優勢の状況にあり、週末にかけて上値トライスタートへの可能性は残される状況。
プラチナ価格は0.53%高となって4日続伸。6月7日(3634)以来ほぼ2カ月ぶりの高値水準を更新し、節目の3600円ラインを上抜け、5カ月ぶりに90日移動平均線も上抜けて6月半ばから続いた長期鍋底保ち合いを上抜け。金との価格差も半月ぶりに1201円まで縮小し、節目の1200円ライン割れをうかがう状況に。目先、金価格の動向に若干の不透明感が漂い始めたことがネックとなるものの、単独で見れば上昇トレンドスタートへの可能性は極めて高まる状況に。当面の上値目標は3710円台辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格8/3とチャート
2017年8月3日(木)時点の相場
国内金:4,818 円 8/3(木) ▼5(0.10%)
国内プラチナ:3,617 円 8/3(木) ▲19(0.53%)
NY金:1,278.4 ドル 8/2(水) ▼1.0(0.08%)
NYプラチナ:953.8 ドル 8/2(水) ▲4.3(0.45%)
ドル円:110.70 円 8/2(水) ▲0.34(0.31%)
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