更新日:2017年8月2日(水)
米商務省が発表した6月の個人消費物価指数(PCEデフレーター)は前年比+1.3%の市場予想を上回り、前年比+1.4%。食品とエネルギー関連を除くコアPCEも市場予想の前年比+1.4%を上回る+1.5%。
しかし、PCEは昨年9月(1.4%)以来、9カ月ぶりの低水準へと伸び率は鈍化。コアPCEは2015年12月(1.4%)以来、1年5カ月ぶり低水準となった5月から横ばい推移。
なお、今回の発表で過去データの修正が行われ、0.1ポイント程度ずつの変動が過去3年程度にわたり加えられています。
その結果を踏まえ、PCEは今年1月に+2.0%、2月には+2.2%まで上昇し、2012年3月(2.4%)以来ほぼ5年ぶりの高水準に到達、FRBのインフレ目標2%を達成していましたが、これがピークとなって翌3月の+1.8%への急減速から4カ月連続の低下中。
コアPCEは昨年10月と12月から今年2月まで、前年比+1.9%へと上昇し、2012年6月(1.9%)以来およそ4年半ぶり高水準となっていましたが、3月には1.6%へと急減速、5月に1.5%となっています。コアPCEがFRBの目標2%に達していたのは、2012年4月(2.0%)が最後。これ以降5年余り目標未達の状態が続きます。
今回の6月分では、PCEがコアPCEの水準を0.1ポイント下回りましたが、過去の推移を見ると、PCEがコアPCEを上回る水準から下抜けた場合には、低下基傾向がしばらく継続してきました。PCEのコアPCEデッドクロスはインフレ鈍化のサイン、となっています。
PCEインフレとの連動性が高いNY原油価格の月間平均では、4月の51.12ドルから6月の45.20ドルまで2カ月続落しましたが、7月には46.68ドルへと小幅反発しており、7月のPCEも小反発か、少なくとも下げ止まりは予想されそうです。しかし、過去の傾向からは、PCEがコアPCEをしっかりゴールデンクロスしなければ、インフレ加速基調は本格化しません。
1日のNY金相場は0.47%高で4日続伸、6月8日(1279.5)以来ほぼ2カ月ぶりの高値水準。米10年債利回り低下とドル安が進行したNY午前に堅調な展開、7月ISM製造業景況指数が予想を若干下回った直後にはドル円の110円割れとともに1280ドルにもワンタッチ。ただしその後は米長期金利の下げ止まりとドル買い戻しの流れに押される形で今朝の時間外にかけては1270ドル前半へと調整。今晩の米7月ADP雇用リポートが予想外のネガティブな結果となるようなら、目先の目標水準1290ドルまで急反発の展開も。
NYプラチナ相場は0.94%の大幅高となって4日続伸。3カ月半ぶりに90日移動平均(938.4)を上抜けて加速した流れで今度は5カ月ぶりとなる200日移動平均(952.4)との攻防へ。NY引け後には一時952ドル近辺まで上値を試すも小幅反落の状態。やや抵抗感もあるこの950ドル前後の水準をしっかりと上抜けることができれば、短期上値目標970ドル手前辺りまでは十分到達可能な状況か。
ドル円は小幅にドル高円安となって3日ぶりの反発。軟調推移の展開で東京市場から欧州市場にかけては110円ちょうど付近で買い支えられての反発でNY市場では一時110円60銭近辺まで反発。しかし、前日高値を超えられず格好の戻り売り局面となると、米10年債利回り低下とともに再び110円割れトライへ。意外と底堅いこの水準では下げ渋るも、ISM製造業景況指数下振れをきっかけに110円割れ。ただし、それほど悪い状況でもない指標結果での売りに持続力はなく、109円90銭台では反発へ。結果的に下値目安となっていた109円90銭台到達による反発となった形でいったんは落ち着きやすい状況に。週後半にかけては指標結果次第で再度下値トライなら109円割れから109円前後まで、反発方向には112円まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/1終値とチャート
2日の国内金価格は0.12%の小反発。上値トライ加速に向けての節目4830円手前での小動きが続き、この水準の重要度が増す状況に。上昇基調が続く9日移動平均線(4812)は90日移動平均線(4807)をゴールデンクロスし、短期上昇トレンドを下支え。しかし、21日移動平均線(4792)は90日移動平均線の下で水平移動の状態が続き、価格押し上げには力不足の状態。上値目標4940円台に向けての流れが本格化するためには、21日線が上向き始め、90日線を上抜ける必要。
プラチナ価格は0.47%高となって3日続伸。6月7日(3634)以来、ほぼ2カ月ぶりの高値水準となり、6月半ばから続いた長期鍋底保ち合いから上抜けの兆し。ただし、しばしば急騰・急反落を繰り返すプラチナの場合、1カ月前にも3593円まで急騰して保ち合い上抜け?の翌日に1%超の急反落でダマシとなった苦い過去も。3600円の節目をしっかりと上抜けるようなら上昇トレンド形成への可能性は一段と高まることとなり、当面の目標水準3700円台前半へ。
※参考:金プラチナ国内価格8/2とチャート
2017年8月2日(水)時点の相場
国内金:4,823 円 8/2(水) ▲6(0.12%)
国内プラチナ:3,598 円 8/2(水) ▲17(0.47%)
NY金:1,279.4 ドル 8/1(火) ▲6.0(0.47%)
NYプラチナ:949.5 ドル 8/1(火) ▲8.8(0.94%)
ドル円:110.36 円 8/1(火) ▲0.11(0.10%)
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