更新日:2018年3月20日(火)
2月初旬の株価急落からの回復も失速傾向となっています。日米政治リスクや通商リスクなどへの警戒感に加え、この日はフェイスブック株急落なども重なり米株の大幅安をきっかけに世界同時株安基調へと逆戻りの様相も。しかし、米長期金利が2.9%付近での高止まりが続き、ドル安基調も進みそうで進まない状態から、金の上値も重い状態が続きます。
この結果、2月以降の騰落率ではNYダウ-6.0%、ドル円-3.1%、NY金も-2.2%と株安・ドル安・金安基調が続いています。
FOMCが転機となってドル安の巻き戻しが進行するか、それとも株安と金安が巻き戻されるのか、ややイレギュラーな展開は今週、分岐点を迎える可能性もありそうです。
逆相関が弱まるドル円とNY金との90日相関係数が-0.69台へと低下するのに対し、逆相関が強まるドル円と米10年債利回りの90日相関係数は-0.912台と過去最高水準レベルを維持するイレギュラー状態も続いています。
そんななかでもNY金とドルインデックスの逆相関性は依然強く、90日相関係数は-0.906台を維持しています。
ダブルトップを形成し、下落基調が強まるかとも思われたNY金はネックライン付近で下げ渋り、ダブルボトムを形成して反発基調が強まるかと思われたドルインデックスはネックライン付近で上げ渋る状態が続いています。
FOMCでは利上げペース加速見通しが示される、との思惑がやや後退する状況から足下ではドルインデックスがやや軟調な流れにもなっていますが、NY金の反発度合いも限定的にとどまり、市場の疑心暗鬼を象徴するような状態とも言えそうです。
しかしFOMC後に、ドルインデックスが89ポイント割れへと再び安値トライへと向うようなら、NY金は1360ドル台の高値更新トライへと向う可能性が高まりそうです。逆にドルインデックスが91ポイント台へと反発基調を強めるようならダブルボトムからの流れが加速、NY金はダブルトップからの流れが再加速することになり、1300ドル割れへと大きく水準を切り下げる可能性もありそうです。
19日のNY金相場は0.42%高となって4日ぶりの反発。時間外では軟調推移となって1310ドル割れ、一時3月1日(1303.6)以来の安値となる1307ドルまで下落。欧州市場ではブレグジットの移行期間に関するEUと英国との合意を受けて欧州通貨高ドル安、NY市場では個人データ不正流出問題をきっかけにフェイスブック株急落、欧米主要株も大幅安の展開となって金は1320ドル手前まで反発。FOMCを前に下げ渋る格好となったNY金は1300ドルの大台もしっかり維持し、3月1日安値1303.6ドルを中心に2月8日の1309ドル、この日の1307ドルとで逆三尊形成への可能性も示唆。FOMCの結果次第では現状水準を維持して反発へと向う可能性もあり、上方向への節目1330ドルを超えるようだと今年高値更新トライへと流れが逆転する可能性も。ただし現状ではまだ下方向優勢の流れ、短期下値目安は最大で1280ドル近辺まで。
NYプラチナ相場も0.44%高となって4日ぶりの反発。軟調推移となった時間外には940ドル台前半での推移となり、今年最安値となっている1月2日安値934.5ドル以来2カ月半ぶり安値942ドルまで下落。しかし940ドルラインにサポートされる形で金に追随、反発したNY市場では一時960ドル手前まで上昇。ただし先週末高値は超えられず、960ドルが目先の抵抗水準となる可能性も。流れ好転に向けてはここを超えて970ドルラインも上抜ける必要。現状ではまだ下方向への流れ継続中、目標水準910ドル付近も維持。
ドル円は先週末からほぼ変わらず106円00銭台での横ばい推移。内閣支持率急低下などもあり株安基調とともに東京市場では105円60銭台まで下落。しかし3日連続この水準で下値を支えられる形となって欧州市場にかけては106円30銭台まで反発。今度は3日連続この水準で上値を押さえられる形となって反落すると、NY市場では株安の流れで一時106円割れ。105円60銭台から106円30銭台までのレンジで保ち合いとなってFOMC待ちへ。流れは反発方向へと傾斜しており、今朝の東京市場では106円30銭の上限トライの展開に。上方向に抜け出した場合でもFOMCまでは107円ラインも抵抗水準となり、ここを超えると反発基調加速で108円も。FOMC後に反落となって105円60銭台のサポートを割れた場合には安値更新で104円台を試す展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/19終値とチャート
20日の国内金価格は0.35%高となって4日ぶりの反発。昨年8月末以降の上昇分を全て帳消しにする8カ月ぶり安値圏到達による一服、という状態に。このまま反発へと向うかどうかはFOMCの結果次第。彼岸の週に流れが反転する可能性も高く、春分の日の祝日明け、22日早朝には短期下値目安4750円近辺へと一段安となって底値をつけるか、このまま反発基調スタートかが明確化することにも。上方向には4870円が当面の抵抗水準に。
プラチナ価格も4日ぶりの反発で0.67%高。短期下値目安3460円台辺りに到達したことによる反発の兆しとなった格好に。FOMCでタカ派色が弱ければこのまま2番底をつけての反発継続の可能性も、強ければ金や株価とともに売り優勢の展開へ。3450円を割り込むようだと一段安で目標水準は3400円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格3/20とチャート
2018年3月20日(火)時点の相場
国内金:4,809 円 3/20(火) ▲17(0.35%)
国内プラチナ:3,478 円 3/20(火) ▲23(0.67%)
NY金:1,317.8 ドル 3/19(月) ▲5.5(0.42%)
NYプラチナ:954.4 ドル 3/19(月) ▲4.2(0.44%)
ドル円:106.04 円 3/19(月) ▲0.01(0.01%)
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