更新日:2018年3月21日(水)
ドイツのZEW景況感指数、3月は期待指数が5.1となり2月の17.8から急落。2カ月連続の低下で2016年9月(0.5)以来、1年半ぶりの低水準となりました。現況指数は90.7となって2月の92.3、過去最高となった1月の95.2からは2カ月連続の低下。現況指数はピークアウトの兆しを示す状態となってきました。
ZEWのレポートでは、「ドイツ経済は高水準での下落、肯定的な見通しは期待を下回りながらも持続」と好調維持を否定する見方はないようです。
なお、ユーロ圏については「期待が少し曇っており、インフレ期待はECB目標の下にとどまる」とし、米国経済については「見通しは依然としてプラス」、日本は「経済状況はやや悪化」、英国は「経済的期待が下がっている」とのコメント。
過去にドイツZEWの現況指数が85以上の歴史的高水準でピークアウトすると、現況指数も期待指数も急落となっていた流れが再現されようかという展開となってきています。
このまま現況指数が急低下へと向うようなら、期待指数もマイナス圏へと落ち込む可能性もありそうです。
今回の結果も影響し、ユーロは対ドルで軟調な推移となっています。相対的なドル高によって軟調推移となりやすいNY金とユーロドルとは相関関係が強まる状態にあり、両者ともにダブルトップを形成し、ネックライン付近での攻防が続く状態でFOMCを迎えることになります。
20日のNY金相場は0.45%の反落。パウエル新体制初のFOMCを前に米10年債利回りは2月末以来の2.9%付近まで上昇、ドル高と株高の流れも優勢となり、時間外には1310ドル台後半から前半へと軟調な流れ。NY朝には1310ドルを割り込んで20日ぶり安値となる1306ドルまで下落、その後は1310ドルをはさんでの揉み合いもNY引け後には再び1310ドル割れ。今回の利上げは織り込み済みながら、今後の見通しに関しては強気方向への警戒感から下値模索への警戒感が勝る様子。2018年末FF金利見通し中央値が2.25%以下(年3回)となるようなら1300ドルラインでサポートされる可能性も、それを超えるようなら1280ドル前後の下値目標水準へ。予想外にハト派的なら1330ドルの節目トライへ。
NYプラチナ相場は0.98%の大幅反落。時間外の950ドル台半ばからNY朝にかけて940ドル台前半まで軟調推移となり、12月29日(934.2)以来ほぼ3カ月ぶりの安値水準。ただし前日安値を下回ることはなく、940ドル台ではサポートされる状態。金が下方向へと動き出せば930ドル台までは下げやすく、金が1280ドルまで下げ幅を拡大するようならプラチナの下値目安は910ドル。反発方向へは970ドルの水準が当面の抵抗ラインに。
ドル円は0.47%のドル高円安となり、1週間ぶりに106円台半ばを回復。金利上昇や株高の流れも好感し、ドイツの景況感指数の悪化などもありユーロ売り圧力も強まってドル高の流れに。ただし106円60銭台では上値を押さえられる形となり、これ以上はFOMC後に再トライか、反落か。上方向には107円前後が節目となり、突破できれば少なくとも108円台は視野に。下方向に106円を割れると安値更新の可能性が高まり、目先の下値目安としては104円台半ば辺りまで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/20終値とチャート
2018年3月21日(水)時点の相場
国内金:4,809 円 3/20(火) ▲17(0.35%)
国内プラチナ:3,478 円 3/20(火) ▲23(0.67%)
NY金:1,311.9 ドル 3/20(火) ▼5.9(0.45%)
NYプラチナ:945.0 ドル 3/20(火) ▼9.4(0.98%)
ドル円:106.54 円 3/20(火) ▲0.50(0.47%)
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