更新日:2018年3月24日(土)
2日連続の大幅安で4カ月ぶり安値となったNYダウは今週、-5.67%の大幅続落。週間騰落率では中国発世界同時株安となった2016年1月第1週の-6.19%以来、2年2カ月ぶりの大幅下落。三角保ち合いを下抜けて急落局面を形成し始めた様子です。
ナスダックも週間騰落率では-6.54%で続落、ドイツDAXは-4.06%、英FTSEも-3.38%、日経平均も-4.88%と、今回は米国発世界同時株安の様相となってきました。
この結果、2月以来の株安・ドル安・金安の流れはFOMCが転機となり、株安・ドル安再加速、金は反発へ、という構図になってきました。
トランプ米大統領の「通商法301条」発動で中国への関税賦課に対して中国も報復関税を表明、くすぶり続けていた貿易問題が、ここに来て米中貿易戦争懸念へと急拡大し、フェイスブックのデータ不正流出問題やウーバーの事故なども重なりました。リスク要因は重なる時には重なるもので、トランプ大統領が側近を強硬派で固め始めたことへの警戒感や先行き不透明感も高まります。
軟調気味に推移していたNY金もドル安加速の兆しとともに大幅高へと舵を切り、ドルインデックスは89ポイント割れへと再び安値トライへと向かい、NY金は1360ドル台の高値更新再トライへと向かい始めます。
23日のNY金相場は1.7%の大幅高となって3日続伸。世界同時株安とドル安基調が続く展開となり、前日NY引け後に1330ドル台へと水準を切り上げた後も堅調推移が続き、ロンドン市場では1340ドル台、NY市場では1カ月ぶりに1350ドルまで上昇。保ち合い上限となっていた節目の1330ドルを大きく上抜けて1カ月ぶりの大陽線を形成、今年高値更新再トライへの流れが急加速。当面の上値目標は1365ドルの高値更新できれば1370ドル台へ。
週間ベースでは+37.6ドル(2.87%)の反発。
NYプラチナ相場は0.07%の小幅続落。NY朝には960ドルまで上昇もその後は失速。940ドル台でサポートされて4日連続下値を切り上げながら、上値は7日連続960ドル前後で押さえられる状態に。米中貿易摩擦懸念では金に追随できず、金との価格差は過去最大を20ドル超の大幅更新、401.5ドルまで急拡大。目先は970ドル台へと保ち合いを上抜けできれば金に追随する展開で1000ドルの大台再トライへ、940ドルのサポート水準割れの場合には920ドル台までが下値目安に。
週間ベースでは-1.8ドル(0.19%)の小幅安となり、2015年11月以来2年4カ月ぶりの5週続落。
ドル円は0.38%のドル安円高となって3日続落。2016年11月7日以来、1年4カ月半ぶりの104円台。東京市場朝の急落で104円60銭台まで下げたのがこの日の安値となり、欧州・NY朝にかけての反発局面では105円20銭台まで反発。しかしNY午後には米株の大幅安にも連れる形で再度105円割れ。結果的には下値目安104円台半ばを何度も試しながらもこの水準では下げ止まり、しかし反発力にも乏しい状態。利上げペース維持見込みとなったFOMC後も米10年債利回りも2.8%台での保ち合いが続き、貿易摩擦と日米政局不安に株価下落も止まらない状態でドル安円高基調も継続。短期的にはいったん下げ止まりの兆候も、行き過ぎの展開となれば一時的には104円割れも。2016年6月安値99円台から2016年12月高値118円60銭台までの76.4%戻しとなる103円60銭台が次の下値目安に。
週間では-1.29円(1.22%)の続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/23終値とチャート
2018年3月24日(土)時点の相場
国内金:4,821 円 3/23(金) ▼38(0.78%)
国内プラチナ:3,439 円 3/23(金) ▼65(1.86%)
NY金:1,349.9 ドル 3/23(金) ▲22.5(1.70%)
NYプラチナ:948.4 ドル 3/23(金) ▼0.7(0.07%)
ドル円:104.74 円 3/23(金) ▼0.40(0.38%)
Copyright(C) Let's GOLD