更新日:2018年4月20日(金)
4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は23.2となり、市場予想の21.0程度を上回りました。3月の22.3からも上昇し、2016年12月から17カ月連続で20以上の高水準を維持しています。
内訳では、仕入れ価格が56.4となり2011年3月(59.2)以来7年1カ月ぶりの高水準、販売価格は29.8で2008年5月(32.5)以来9年11カ月ぶりの高水準、さらに仕入れ価格見通しも66.8となって2011年2月(68.7)以来7年2カ月ぶり高水準。インフレ加速を裏付けるような結果となっています。
また、雇用指数も高水準を維持し、平均労働時間は3月の12.8から4月は21.6へと急騰、1987年10月(22.8)以来30年半ぶりの高水準となっています。
そのなかで、半年後の見通しを示す期待指数は3月の47.9から4月は40.7へと急低下、昨年7月(39.9)以来9カ月ぶりの低水準となっています。
また、総合指数の方向性を示す6カ月平均は24.3となり、昨年4月(24.2)以来、1年ぶりの水準へと低下しています。
それでも6カ月平均で20以上の高水準を維持する状態は14カ月連続となり、20003年から2005年にかけての16カ月連続以来、13年ぶりの好調期を形成していることになります。
ただし、6カ月平均では昨年6月の29.4がピークとなって20ポイント台前半まで低下してきた状態でピークアウト感も漂い始めます。
過去、フィラデルフィア連銀製造業景況指数は6カ月平均が20以上の高水準でピークアウトすると、ほぼ確実にマイナス圏までの低下フェーズを形成してきました。
6カ月平均が20を下回ると、低下基調が加速しやすくなるという傾向もあり、今後の動向が警戒されます。
NY連銀製造業景況指数に続き、フィラデルフィア連銀製造業景況指数でも景況感縮小フェーズ入りへの可能性が強まりつつあり、ピーク状態(の可能性)にあるISM製造業景況指数も今後、ピークアウト警戒感が強まる状態へと移行していくことも想定されそうです。
19日のNY金相場は0.35%の反落。時間外には1357ドル台まで小幅に買われた後、欧州序盤からは金利上昇に連れて軟調推移、米10年債利回りが1カ月ぶりに一時2.93%台まで上昇したNY午前には1340ドル前半まで下落。2日連続で1360ドルの保ち合い上限をトライして反落、保ち合い下限1340ドルの手前では反発。ゆるやかに下値を切り上げてきた流れも失速、勢いに欠ける状態となって方向感も喪失気味に。1360ドルの堅い壁を何度もトライして跳ね返され続けるようなら反落パターンに陥ることにも。上限突破なら1400ドル台、1340ドルの下限割れなら1300ドルの大台ラインが意識されるような大幅変動にも。
NYプラチナ相場は0.6%安となって3日ぶりの反落。時間外には金の上昇に連れて3月27日(961.6)以来3週間ぶり高値となる957ドル台まで10ドル超の上昇。しかし、金の軟調推移に連れてNY午前には前日安値を下回る935ドルまで20ドル弱の反落。上値目標960ドル台と90日移動平均線(960.5)にもわずかに届かず、長めの上ヒゲ陰線を形成。短期的には9日移動平均線(936.9)が21日移動平均線(936.7)をわずかにゴールデンクロスし上向き優勢の流れ維持も、需給状況など背景的には節目付近に到達すると戻り売り圧力が強まりやすい状況は変わらず。930ドルを割れると短期トレンド逆転の可能性も高まり、今年安値更新で900ドルの大台付近までが意識される展開にも。
ドル円は0.21%のドル高円安となって小幅に続伸。日米首脳会談後の日本株高・円安の流れも107円50銭台で頭打ち。東京市場午前のうちにピークをつけて失速すると107円20銭台から50銭までの狭いレンジで揉み合いの展開に。この日の値幅は上下30銭にも満たず、今年の平均81銭の3分の1で今年最小、昨年末以来4カ月ぶりの小動き。イベント通過とリスク要因一服で今朝の東京市場では株価の堅調推移とともに円安の流れが加速。保ち合い上限となっていた107円半ばを上抜けて107円70銭台へと堅調推移。やや材料不足の感もあるものの、円買い圧力が大きく後退している状況から短期的な流れが円安方向へと変わり始めた可能性。このまま107円後半以上を維持できれば108円台半ば辺りまで水準を切り上げる展開にも。なお、下値は107円ラインがサポートとなり、割り込んだ場合には106円割れへと反落リスクも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/19終値とチャート
20日の国内金価格は0.38%の反落。小幅保ち合い上方ブレイク後の流れはNY金の反落と円安失速で腰折れ。90日移動平均線(4949)をゴールデンクロスした9日移動平均線(4961)によるサポートが持続し、あらためて4990円を突破できれば上値トライ再開で次の目標水準は5030円台辺りまで。ただし、水平状態の90日移動平均線を割れると流れが大きく巻き戻される可能性も。
週間ベースでは+26円(0.53%)となり、今年初、昨年9月以来7カ月ぶりとなる5週続伸。
プラチナ価格は前日の大幅上昇を帳消しにする0.86%の大幅安で3日ぶりの反落。3500円超へと大幅に水準を切り上げる可能性もあった流れは急失速、短期トレンドは上向き維持も目先は3430円から3490円までのレンジで仕切り直し。21日移動平均線(3431)をゴールデンクロスした9日移動平均線(3449)にサポートされ、あらためて3490円超へと反発できれば上値トライ再開で次の目標は3530円台辺りまで。逆に21日線を下回るようだと流れは後転、安値更新を伴う大幅安の展開にも。
週間ベースでは+14円(0.41%)で続伸。
※参考:金プラチナ国内価格4/20とチャート
2018年4月20日(金)時点の相場
国内金:4,971 円 4/20(金) ▼19(0.38%)
国内プラチナ:3,456 円 4/20(金) ▼30(0.86%)
NY金:1,348.8 ドル 4/19(木) ▼4.7(0.35%)
NYプラチナ:940.1 ドル 4/19(木) ▼5.7(0.60%)
ドル円:107.42 円 4/19(木) ▲0.23(0.21%)
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