更新日:2018年5月6日(日)
ワールドゴールドカウンシルによれば、2018年第1四半期に世界の金需要は合計973.6トン。前期比-132.3トン(-12%)、前年同期比では-73.3トン(-7%)となり、2四半期ぶりの低水準。第1四半期としては2008年以来10年ぶりの低水準となっています。需要減の要因としては金価格が一定レンジでの推移にとどまり、バー・コインなどの金現物投資と金ETF関連投資需要がいずれも低調となったことが挙げられています。
宝飾品需要は487.7トン。2017年第4四半期が656トンの高水準となったことで前期比では大幅減となりましたが、前年同期比では-0.8%にとどまります。インドの需要減を中国の増加などがカバーし、全体シェアも50.1%と50%台を維持。中央銀行は116.5トンの買い増しとなって前期比+42.9トン(+58.3%)、前年同期比+34.3トン(+41.7%)、全体需要の12%を占めました。産業用は82.1トンで前期比-7.2%も前年比+3.2%、80トン前後での推移は続き、シェアも8.4%と8%台での推移が続きます。
投資需要は287.3トンで前期比-0.5トン(-0.2%)、前年同期比-106.9トン(-27.1%)。それでも需要全体の29.5%を占めます。
このうち現物需要が254.9トンとなって前期比-4.0トン(-1.5%)、前年同期比-43.3トン(-14.5%)となり、ETF関連は32.4トンで前期比+3.5トン(+12.1%)も前年同期比では-63.7トン(-66.3%)の大幅減となりました。ただしETF関連は5四半期連続の買い越しが続いています。
宝飾品と現物投資を合わせた金消費需要は世界で742.6トンで需要全体の76.3%を占めましたが、前期比-18.8%、前年比-6.0%といずれも減少。
このうちインドと中国の2カ国合計で51.4%を占めました。インドは2017年第4四半期には249.3トンで9四半期ぶりに中国(245.1)をかわしてトップとなりましたが、今期は115.6トン(中国は265.8)へと急減。インドではルピー建て金価格が高騰したことにより、金消費需要は2年ぶり低水準に落ち込みました。対象的に中国の宝飾品需要は3四半期連続の増加で3年ぶり、現物投資でも1年ぶりの高水準となっています。
世界の金消費需要トップ10で中国、インドに続く金消費大国は、3位米国(26.9)、4位ドイツ(25.2)、5位タイ(24.3)、6位トルコ(23.0)、7位イラン(20.0)、8位ベトナム(17.8)、9位インドネシア(14.6)、10位香港(12.7)となっています。
このうち上位4カ国は2014年第3四半期以降は不動(※1-2位の順位逆転はあり)。タイとトルコの5-6位争いも続きます。
2018年第1四半期の11位以下はUAE(12.2)、韓国(10.8)、パキスタン(10.5)、ロシア(10.2)、サウジアラビア(10.0)、スイス(8.2)、エジプト(6.6)、英国(5.9)、メキシコ(5.0)、日本(4.9)。
最近増加傾向となっているのはイラン、ベトナム。
リサイクルは287.7トンとなって前期の278.5トンからは小幅増。2016年1-3四半期の320トン超、2011-12年の400トン超などと比較しても近年は減少傾向にあります。
また、需給バランスとしては81.48トンの供給増。4四半期連続の供給増となっています。
2018年5月6日(日)時点の相場
国内金:4,941 円 5/2(水) ▼7(0.14%)
国内プラチナ:3,396 円 5/2(水) ▼14(0.41%)
NY金:1,314.7 ドル 5/4(金) ▲2.0(0.15%)
NYプラチナ:910.3 ドル 5/4(金) ▲6.3(0.70%)
ドル円:109.12 円 5/4(金) ▼0.07(0.06%)
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