更新日:2018年5月7日(月)
国内連休中の5月3日から4日にかけて中国・北京で行われた米中通商協議では貿易摩擦解消に向けての進展は見られず、合意したのは「協議を続けていく」ことのみ。引き続き米中貿易戦争懸念が市場のリスク要因としてくすぶり続ける状態となっています。
中東・イランを巡っては2015年にイランと欧米6カ国で結んだ核合意に関し、米国が離脱するかどうかの最終判断期限が12日に迫り、報道ベースで有力とされる離脱となれば、米国のイランへの追加制裁とイランも対抗策へと情勢悪化が懸念されます。
米国の経済指標では4月の消費者物価指数が注目され、前月に続き2%超維持が予想されますが、上昇度合いが強ければ年内合計4回の利上げへと織り込みが進行することにも繋がります。また、英BOE金融政策会合については、利上げ見通し後退によるポンド安でこれまでのドル高をサポートしてきた経緯もあり、今後の見通し動向も警戒されます。
これらの動向などを背景に、ドル高と金安の流れが反転の兆しもある状況が今週さらに進行するか、それとも巻き戻されて従来の流れ再開となるか、分岐点の週ともなりそうです。
週明けの東京市場で為替は株安の流れにも連れて109円割れ、先週110円の高値をつけてからの反落基調進行の兆し。時間外のNY金は1320ドルを試す堅調推移、先週1302ドルの安値をつけてからの反発基調進行の様子も。プラチナも920ドルを試す勢いで先週安値890ドル付近からの反発基調継続の様相に。
連休明け、7日の国内金価格は連休前から変わらずで横ばい推移。4940円台半ばのサポート水準をわずかに下回った状態を維持し、4月半ばから続いた保ち合い下方ブレイクの流れが進行もせず、巻き戻しもされず。水平状態の90日移動平均線(4956)をはさんで下落基調の9日移動平均線(4958)と上昇基調の21日移動平均線(4947)も集中し、上下双方向へのトレンド形成の可能性を示唆する状況に。流れとしてはわずかに下方向優勢の状態でこのまま下落トレンド形成となれば4850円台までが当面の下値目標水準に。反発できれば4990円を上限に保ち合い継続へ。
週足チャートでは年初からの下落基調の抵抗線を上抜けた状態を維持するも足下では軟調気味の推移となり、20週移動平均線(4954)割れ。緩やかながらも上昇軌道を維持する52週移動平均線(4920)にはサポートされ、中期上昇トレンドは維持。短期トレンド好転に向けては20週線上抜けが必須となり、そうなれば20週線+4%ライン方向に向けた流れが形成される可能性も。逆に52週線を割れるようだと20週線-4%ラインに向けて反落の流れが加速する展開にも。
プラチナ価格は1.09%の大幅高となって5営業日ぶりの反発。可能性はそれほど高くはなかった大幅安に向けた流れは巻き戻され、これまでの保ち合い下限3430円台を回復。連休前の2日には過去最大となる1545円まで拡大していた金との価格差も1508円と2週間ぶりの水準へと急縮小。目先は3390円台を下限に3480円の上限までのレンジで方向感を模索する展開へ。あらためて下限割れへと向かった場合には2016年10月安値付近、3350円台までが下値目安に。
週足チャートでは20週移動平均-5%ラインから反発し、年初からの急落トレンドの抵抗線を上抜け。中期斜行三角形の保ち合いを上抜けて上昇トレンド形成への可能性も示す状況。ただし52週移動平均線(3597)も20週移動平均線(3566)もはるか上方で下落基調を維持。短期的な節目3480円を上抜けできれば3600円台回復を目指す流れとなる可能性もあり、そうなれば中期トレンドも好転へ。
※参考:金プラチナ国内価格5/7とチャート
2018年5月7日(月)時点の相場
国内金:4,941 円 5/7(月) +-0(0.00%)
国内プラチナ:3,433 円 5/7(月) ▲37(1.09%)
NY金:1,314.7 ドル 5/4(金) ▲2.0(0.15%)
NYプラチナ:910.3 ドル 5/4(金) ▲6.3(0.70%)
ドル円:109.12 円 5/4(金) ▼0.07(0.06%)
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