更新日:2018年11月16日(金)
毎月15日に発表されるNY連銀製造業景況指数と、毎月第3木曜日に発表されるフィラデルフィア連銀製造業景況指数がこの日は同時発表となりましたが、明暗分かれる結果となりました。
好調を維持するNY連銀の11月は23.3となり、市場予想の20.0を上回り、10月の21.1からも上昇。トレンドを示す6カ月平均では22.77となり、2007年11月(23.33)以来、11年ぶりの高水準となっています。
一方、フィラデルフィア連銀の11月は12.9となり、市場予想の20.0を大幅に下回り、10月の22.2からも急低下。6カ月平均では19.3となり、1年9カ月ぶりの20ポイント割れ、2017年1月(14.5)以来1年10カ月ぶりの低水準となりました。
NY連銀では出荷が28.0で2009年10月以来9年1カ月ぶりの高水準となり、10月に-8.4と落ち込んだ受注残も0.0へと戻し、見通しを示す期待指数も10月の29.0から11月は33.6へと上昇し、3カ月ぶり高水準。また、販売価格見通しは3年11カ月ぶり高水準、仕入れ価格見通しは6年8カ月ぶり高水準とインフレ加速を見通す状況となっています。また、10月には1年2カ月ぶり低水準となっていた設備投資指数も16.0から24.8へと大きく反発しています。
フィリー指数では、新規受注が2年2カ月ぶり低水準へと落ち込み、受注残も2年2カ月ぶり低水準。平均労働時間も2年ぶり低水準へと落ち込みました。期待指数も2年9カ月ぶり低水準。ただし仕入れ価格見通しは3カ月ぶりの高水準となり、販売価格見通しは30年ぶり高水準となった7月に次ぐ高水準とインフレ見通しはNY連銀と同様。
NY連銀の指数では、依然として高水準を維持する好況期が続いていることを示す結果となりましたが、フィリー指数は6カ月平均の20割れによりピークアウト警戒感も漂い始め、45年ぶりで過去2番めに長い好況期を終えた可能性を示す状況にもなっています。
15日のNY金相場は0.4%高で続伸。欧州時間、英国では前日の閣議で承認されたメイ首相のEU離脱協定案に対してラーブ離脱担当相が講義の辞任。マクベイ労働・年金相も辞任するなど閣僚辞任が相次ぎ、保守党内ではメイ首相の不信任投票を求める動きなども伝えられ、メイ首相の求心力低下と先行き不透明感からポンドが急落。ユーロも連れ安となり、欧州通貨安ドル高の流れに。ただしNY時間にはユーロだけは落ち着きを取り戻す形で節目の1.13ドルを回復。NY金も1210ドル割れから1210ドル半ばを回復する動きに。リスク回避ムードによる買いとドル高による下押し圧力とが交錯する形となったNY金は1210ドル台での揉み合い状態ながら、1200ドルの大台ラインに下支えされての反発基調を維持し、目先は90日移動平均線(1214.4)との攻防状態に。
NYプラチナ相場は+11.5ドル、1.38%の大幅高となって6日ぶりの反発。欧州時間のリスク回避の流れでは前日終値水準830ドル前半で下げ渋り、米株の反発とユーロ高の流れとなったNY時間には一時850ドル手前まで上昇。日足レベルでは右肩上がりの50日移動平均線(832.2)に下値をサポートされ、上値は下落基調が続く200日移動平均線(879.4)が当面の抵抗水準となる状態。目先は850ドルの節目水準にやや抵抗感もあり、サポートを割り込んでしまうと810ドル台までの一段安も。
ドル円は前日からほぼ変わらず113円半ばでの横ばい推移。英国の政局不安となってポンドが急落した欧州時間には対円でも大幅下落、リスク回避の円高となってドル円は113円台半ばから113円10銭近辺まで下落。ドル高円高のために値幅は限定的となり、NY時間にかけてはリスク回避一服でポンド以外は株高の流れとともに巻き戻しの展開に。ドル円も元の水準へと反発すると一時113円70銭台まで上昇。3日連続で上値も下値も切り下がる形となったものの、円高方向への行って来いの展開で下ヒゲ十字線を形成し、反発への可能性も示唆する足型にも。しかし、今朝の東京市場ではまたも日経平均の軟調推移に連れて113円台半ばから前半へとやや軟調な展開に。113円付近で足場を固め、114円の抵抗水準を突破できれば115円トライへと向かう可能性も残しながらも週末は113円台での保ち合い継続か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/15終値とチャート
16日の国内金価格は+16円、0.34%高となって3日続伸。先週高値4810円台から今週安値4700円台まで100円超の急落局面のほぼ半値戻しを達成し、10月後半の保ち合い水準に到達。居心地の良い水準を回復し、9-21日移動平均線(4761-4)が目先の抵抗水準にも。下値は4700円台が当面のサポート水準となり、8月以降の反発基調のサポートラインも通過する重要水準。もし、ここを割り込むような展開となれば、3カ月続いた反発基調も腰折れ、4600円の大台ライン付近も意識されるような展開にも。
週間ベースでは-43円(0.9%)となり、7週ぶりの反落。
プラチナ価格は+28円、0.86%の反発。一段安への流れはNYプラチナの大幅反発にサポートされ、ゆるやかな上昇軌道を描き始めた90日移動平均線(3171)を100円超上回る水準での保ち合い状態に。目先、下値は上昇基調を維持する21日移動平均線(3280)にサポートされる可能性もあり、上値は下降し始めた9日移動平均線(3338)が抵抗水準にも。3310円の節目を突破できれば9日線も超えて高値保ち合い圏、3360円台までが次の上値目標となる可能性も。下方向には21日線から3270円までの水準を下抜けた場合、10月後半の保ち合い水準3200円の大台ライン付近を目指す流れにも。
週間ベースでは-82円(2.43%)で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格11/16とチャート
2018年11月16日(金)時点の相場
国内金:4,756 円 11/16(金) ▲16(0.34%)
国内プラチナ:3,298 円 11/16(金) ▲28(0.86%)
NY金:1,215.0 ドル 11/15(木) ▲4.9(0.40%)
NYプラチナ:845.3 ドル 11/15(木) ▲11.5(1.38%)
ドル円:113.57 円 11/15(木) ▼0.01(0.01%)
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