更新日:2019年6月18日(火)
NY連銀製造業景況指数は、5月には2カ月連続上昇で17.8と半年ぶりの高水準となり、底入れの可能性も示す状況にもなっていました。しかし、6月は11.0の市場予想にも反して-8.6と大幅下振れ。2016年10月(-9.2)以来、2年8カ月ぶりの低水準。前月比では-26.4ポイントとなり、2014年10月の-23.1ポイントを上回り、過去最大の急落。
6カ月平均でも7カ月続落となって6月は5.95、2年4カ月ぶり低水準となり、減速基調が続いていることを示す状態に。
新規受注が-12.0となり、2016年1月(-21.6)以来、3年5カ月ぶりの低水準。受注残も-15.8で2015年12月(-16.2)以来、3年半ぶり低水準となったことなどが急落要因となっています。
また、販売価格は6.8で2017年8月(6.2)以来、1年10カ月ぶり低水準となり、販売価格見通しも12.8と2016年8月(9.3)以来、2年10カ月ぶり低水準となり、低インフレ継続を示唆。
さらに雇用指数も-3.5と、2016年12月(-6.0)以来、2年半ぶり低水準となって完全雇用を脅かす兆候にも。
また、設備投資も10.5で2016年8月(4.1)以来、2年10カ月ぶり低水準。今後の回復見通しにも影を落とします。
期待指数は25.7と5月の30.6からは低下も、4月の12.4を大きく上回る水準を維持し、それほど低い数値でもないことがせめてもの明るめの材料と言えそうです。
構成指数も急落やマイナス圏入りが目立ち、5月連休明け以降の米中貿易戦争や、メキシコ関税懸念などが大きく影響したものと思われます。
先週末には小売売上高の好結果が景気減速懸念を後退させ、早期利下げ観測にも「待った」をかける状態にもなっていましたが、今度は再び早期利下げへの支援材料となってしまったようです。
今回のFOMCでは金利据え置きも、市場が85%織り込む7月利下げを示唆。これがメインシナリオとなることを、今回のNY連銀の指標もサポート。
17日のNY金相場は-1.6ドル、0.12%の小幅安で5日ぶりの反落。週末には1年2カ月ぶり高値1362.2ドルをつけ、20ドル弱の長めの上ヒゲを残して典型的な高値ピークアウトの足型。その流れを引き継ぐ形で週明けも軟調な展開でスタート、1340ドル台半ばでの揉み合いからロンドン時間には1340ドル割れ。しかし、NY朝には6月のNY連銀製造業景況指数が予想外の下振れ、米長期金利急低下とドル安の流れにサポートされて1340ドル台を回復。短期トレンドは上昇局面一服で調整局面入り濃厚、という状態ながらもFOMC次第という面も。それでもハト派サプライズがなければ上値再トライは難しい状況か。1350ドル超えなら1360ドル台の高値再トライへ、下値は1320ドル台がサポートに。割り込めば1300ドル付近までの調整も。
NYプラチナは-10.1ドル、1.26%安となって4日続落。ロンドン時間には金の軟調推移に連れて800ドルの大台割れ、NY市場では金の反発に追随できずに790ドル台半ばでの揉み合い推移。20日移動平均線(805.3)にも上値を押さえられ、短期的なサポート水準となっていた800ドルの大台ラインを下抜けたことで、もう一段の下値トライが進行しやすい状況に。今年最安値(780.9)更新の可能性もあり、当面の下値目安は昨年安値圏、770ドル台まで。
金との価格差は6月7日の540ドルを上回り、548.3ドルへと過去最大を更新。
ドル円は先週末からほぼ横ばい推移で108円50銭台。この水準では底堅く、しかし上値も108円70銭台までと限定的に。値幅は20銭余りで今年の平均値幅55銭の半分以下。NY連銀製造業景況指数のサプライズ的な弱さにはさすがに急落の反応も、108円60銭台から50銭近辺までと値動きはやはり限定的。今朝の東京市場ではRBA議事要旨を受けて追加利下げ観測が強まった豪ドルの急落に連れてドル円も108円40銭割れへと軟調推移。しかし、依然としてFOMCまでは方向感は定まり難い状況継続か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/17終値とチャート
国内金価格は+2円、0.04%の小反発。3日連続で5000円の大台キープもほぼ横ばい推移。NY金の急失速と為替の膠着状態により、高値保ち合い上抜け後の上値トライに向けた流れも進まず。RSIは86.7と過熱感だけが高まる状態となり、反落警戒感も。目先は5030円近辺までの上値余地、下値はゆるやかに上昇を続ける90日移動平均線(4950)が当面のサポートに。この水準を割れると4900円前後までの大幅調整も。
プラチナ価格は-32円、1.07%の大幅安で4日続落。昨年8月17日(2970)以来、10カ月ぶりの安値水準に。NYプラチナの三角保ち合い下方ブレイクに追随する形となり、当面の下値目標は昨年安値2911円から2900円の大台割れをうかがうような展開となる可能性も。ただし、RSIは44%と直近安値となった6月3日の20.4%を大きく上回るなど、オシレータ系指標は逆行状態となって下げ渋りを示唆。
金との価格差は前日の1999円をさらに大幅更新、2日連続の過去最大更新で2033円に。
※参考:金プラチナ国内価格6/18とチャート
2019年6月18日(火)時点の相場
国内金:5,003 円 6/18(火) ▲2(0.04%)
国内プラチナ:2,970 円 6/18(火) ▼32(1.07%)
NY金:1,342.9 ドル 6/17(月) ▼1.6(0.12%)
NYプラチナ:794.6 ドル 6/17(月) ▼10.1(1.26%)
ドル円:108.54 円 6/17(月) ▼0.02(0.02%)
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