更新日:2019年7月17日(水)
NAHB(National Association of Home Builders:全米住宅建設業者協会)とウェルズ・ファーゴが発表した住宅建設業者の景況感を示す、NAHB住宅市場指数(HMI)は7月に65となり、市場予想と6月の64を上回る好結果。昨年12月には3年7カ月ぶり低水準となる56まで低下していたこの指数は今年、回復傾向が続きます。
ただし、5月に66まで上昇して7カ月ぶり高水準となった後はやや頭打ちとなっています。
また、NAHB住宅市場指数(HMI)を前年同月比で見ると7月は-3。昨年12月の前年比-18からはマイナス幅は縮小してはいますが、昨年11月以降、9カ月連続で前年割れとなっています。
HMIの前年割れ期間としては、最後のリセッション以降では最長となっています。
2005年8月(-3)に前年割れとなった時には、その10カ月後の2006年6月を最後に利上げ打ち止め、2007年9月には利下げフェーズ入り。そして、HMIが前年割れとなって2年5カ月後の2008年1月にはリセッション入りとなっていました。
1999年10月(-4)に前年割れとなった時には、その7カ月後、2000年5月を最後に利上げ打ち止め、2001年1月には利下げフェーズ入り。そして、HMIが前年割れとなって1年半後の2001年4月にリセッション入りとなっていました。
さらにその前、1989年3月(-3)に前年割れとなった時には、その1年4カ月後、1990年7月にリセッション入りとなっていました。
HMIの前年割れが続き、利上げもいったん打ち止めとなった状態の現在、とりあえず1回めの利下げが決行されようとしています。
今回の利下げが、予防的利下げにとどまらず、利下げフェーズ入りとなってしまうようなら、まもなくリセッション入りが警戒されることにもなりそうです。
16日のNY金相場は-2.3ドル、0.16%安で3日ぶりの反落。1420ドルで上値を押さえられ、1410ドル台半ばでの小幅揉み合いとなった時間外から、NY朝には米6月小売売上高の好結果をきっかけにドル高と金利上昇の流れが強まって軟調推移。NY引け後には1410ドルを割れて一時1402ドル付近まで下落する場面も。また、中東情勢ではイランがミサイル計画について交渉する準備ができているとも伝えられ、米国との緊張緩和への思惑なども重石に。それでも7月利下げ観測は変わらず、この日もパウエルFRBに議長が「適切に行動する」と発言し、シカゴ連銀のエバンス総裁は「年末までに2回の利下げ」についても言及、1400ドルでのサポートの裏付け材料にも。1400ドル台へと上昇してきた20日移動平均線(1402.5)にもサポートされての高値保ち合い継続へ。ただし、大台を維持できなくなれば大幅調整を余儀なくされる展開も予想され、6月上旬高値圏1350ドル台までが下値目安に。
NYプラチナは+1.7ドル、0.2%の小幅高で5日続伸。5月15日(847.7)以来、2カ月ぶりの高値水準での堅調推移。高値では一時855ドルまで上昇し、短期上値目標850ドル台にしっかり到達。終値では90日移動平均線(844.1)超えも維持した形ながら、NY引け後には一時840ドル付近まで急反落し、高値圏での十字線を形成。4月高値から5月安値までの半値戻し(855.0)を達成し、38.2%戻し(839.6)ラインまでのレンジで上下動の展開に。反落の展開となれば23.6%戻し(820.5)付近までが意識されやすく、予想に反して一段高となれば61.8%戻し(870.4)が目標水準にも。
ドル円は40銭ほどのドル高円安となって3日ぶりの反発。東京朝につけた安値107円80銭台ではしっかりサポートされ、この水準での底堅さを確認して買戻しの展開へ。それでも108円を越えたところでは戻り売り圧力も強く、欧州時間までは108円10銭付近が抵抗水準に。NY時間には米6月小売売上高が予想を上回り、4カ月連続で前月比プラス圏推移と消費の強さを示したことを好感し、この抵抗水準を突破すると108円30銭台まで上昇。前日の足型、安値圏での「トウバ」が示唆したとおりに反発の展開となり、20日移動平均線(107.97)も上抜けて今後のサポートにも。目先は107円80銭台から109円付近までが主要レンジとなり、予防的利下げを完全に織り込み、年内追加利下げ観測が後退していくようなら、いずれ上値トライへと向かうような展開にも。上下どちらへ抜け出した場合でも2円超の大幅変動となる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/16終値とチャート
17日の国内金価格は-25円、0.48%の反落。7月10日(5226)以来1週間ぶり安値水準となり、5200円から5300円までの高値保ち合いレンジ半ばから下方向へ。今しばらくの高値保ち合い継続も予想されるものの、NY金の1400ドル割れが想定以上に早まるようだと追随する展開に。節目の5200円を割り込めば一段安となり、2月高値5090円前後までが当面の下値目安に。
プラチナ価格は+9円、0.29%の続伸。5月17日(3152)以来、2カ月ぶりの高値水準での堅調推移となって上値目標3200円に向けた流れがジワリと進行。NYプラチナの上値トライ一服感と金の下値警戒感が重石となるアゲンスト状態のなかでも単体で見れば強気相場にも。まずは3170-80円で推移する200日、90日移動平均線を上抜けできるかどうかが目標到達に向けての第1、第2関門。
※参考:金プラチナ国内価格7/17とチャート
2019年7月17日(水)時点の相場
国内金:5,229 円 7/17(水) ▼25(0.48%)
国内プラチナ:3,140 円 7/17(水) ▲9(0.29%)
NY金:1,411.2 ドル 7/16(火) ▼2.3(0.16%)
NYプラチナ:846.9 ドル 7/16(火) ▲1.7(0.20%)
ドル円:108.22 円 7/16(火) ▲0.39(0.36%)
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