更新日:2019年7月18日(木)
米商務省が発表した6月の住宅着工件数は年率換算で125万件。市場予想の126万件を下回り、2カ月連続の低下で3カ月ぶりの低水準。
住宅着工件数は、昨年1月の133.5万件が近年のピークとなり、低下傾向が続きます。1959年以降の長期平均143万件には届かずにピークアウトした可能性が高まる状態となっています。
着工件数の先行指標となる建設許可件数の6月は122万件。市場予想の130万件を大幅に下回り、5月の129.9万件からも大幅減少、2017年5月(120.1)以来、2年1カ月ぶりの低水準となっています。
許可件数の近年のピークは昨年3月の140.6万件だった可能性が高く、こちらは長期平均135.5万件を一時的には上回った状態でのピークアウト(の可能性)となっています。
許可件数は6カ月平均でも1年8カ月ぶり低水準となっており、許可件数の減少基調が着工件数を抑制する状態となっています。
過去の住宅着工件数とリセッションとの関係を見ると、着工件数がピークアウトしてしばらく減少が続いた後、ボトム期にかけてリセッションとなってきたようです。
現在、着工件数が既にピークアウトしていたとしても、近いうちにリセッション入りとなる可能性は極めて低い、と見ることもできそうです。
ただし、着工件数のピーク水準が高水準となった場合には、減少期も長期化し、その落差も拡大、その末期にかけてリセッション入り、というパターンとなっていますが、ピーク水準がそれほど高くない場合には当てはまらない可能性もありそうです。
ピークアウト後まもなくリセッション入り、というケースも有り得そうです。
17日のNY金相場は+12.1ドル、0.86%の反発で2013年5月14日(1424.5)以来、6年2カ月ぶりの高値水準に。時間外ではドル高と米10年債利回り上昇の流れがやや優勢となり、1400ドル台での小幅揉み合いから軟調な展開となって一時1401ドルまで下押し。しかし1400ドルの大台ラインでの底堅さを確認するとNY朝には反発へ。米6月住宅着工件数が低調となり、高値更新が続いていた米株は続落となり、ドル安と長期金利低下の流れが強まるとNY金は1420ドル超へと急騰。NY引け後には一時1430ドル台まで上昇し、1420ドル台後半での推移。6月末以降、散発的に1420ドルを超えることはあったものの定着できず、今回ここまではしっかりと水準を切り上げる形にもなり、高値更新トライへと向かう可能性も。当面の上値目標水準は今年最高値1442.9ドルを超えて1450ドル台まで。
NYプラチナは+0.2ドル、0.02%の小幅高で6日続伸。6日続伸は昨年11月以来、8カ月ぶり。5月15日(847.7)以来、2カ月ぶりの高値水準での推移が続き、高値では連日上値目標850ドル台まで上昇。しかし、850ドル台では戻り売り圧力も強く、まだ抵抗感も。90日移動平均線(844.4)超えを維持できれば、上値トライ再開のチャンスも。4月高値から5月安値までの61.8%戻し(870.4)が次の上値目安にも。
ドル円は30銭のドル安円高となって反落、再び108円割れ。東京時間からNY朝までは108円台前半での小幅保ち合い推移、前日高値108円30銭台が超えられない状態が続くと、米6月住宅着工件数と建設許可件数がいずれも低調となり、米10年債利回りの低下基調が加速する形となり、米株の下落基調にも連れてドル安円高の流れに。ベージュブックでの「貿易関連の不確実性が懸念されるものの今後の見通しは総じてポジティブ」との指摘を好感し、108円ちょうど付近では下げ渋る状態となったものの、日本時間早朝に売り込まれて107円80銭台へ。比較的底堅く推移してきた107円80銭台のサポートを割り込むようだと下値トライへの流れが加速する可能性。月末のFOMCまでは極端な展開にはなり難いと想定されるものの、6月安値106円80銭近辺でサポートされない場合には6月安値から7月高値までの1.618倍返しとなる105円台前半までが当面の下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/17終値とチャート
18日の国内金価格は+60円、1.15%の大幅反発。近年最高値となった7月11日(5300)以来、1週間ぶりの高値水準。短期サイクル的には調整局面が続くなかでの逆行高となり、FOMC2週間前というタイミングと情勢からもNY金の一段高への可能性もいったん巻き戻しとなる可能性も。そうなれば5300円の高値では上値を押さえられる可能性。そうならなければ高値更新後の次の上値目標は5370円程度まで。当面の下値サポートは5220円台に切り上げ、これを割り込んだ場合の下値目安は5140円近辺まで。
プラチナ価格は+7円、0.22%高で3日続伸。5月17日(3152)以来、2カ月ぶりの高値水準でゆっくりと上値を伸ばす展開に。NYプラチナの反落警戒感を金の大幅高が打ち消す形でサポート。上値目標3200円に向けた流れは、到達確率が決して高くはない状態でのスタートにも負けず、ゆるやかに進行中。
※参考:金プラチナ国内価格7/18とチャート
2019年7月18日(木)時点の相場
国内金:5,289 円 7/18(木) ▲60(1.15%)
国内プラチナ:3,147 円 7/18(木) ▲7(0.22%)
NY金:1,423.3 ドル 7/17(水) ▲12.1(0.86%)
NYプラチナ:847.1 ドル 7/17(水) ▲0.2(0.02%)
ドル円:107.92 円 7/17(水) ▼0.30(0.28%)
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