更新日:2019年9月26日(木)
米商務省が発表した8月の新築住宅販売件数は年率換算で前月比+7.06%となって71.3万件。2017年末以降では6月の72.9万件に次いで2番めの高水準。
前年同月比では+18.05%となり、2017年11月(+25.22%)以来、1年9カ月ぶりの高水準となっています。
前年比の12カ月平均では+0.74%となりましたが、今年1月から7月までは7カ月連続で前年割れとなっており、8月は今年初、8カ月ぶりのプラス圏回復ということになります。
なお、前年比12カ月平均がマイナスとなったのは2012年1月以来7年ぶりのことで、7カ月連続マイナスとなったのも2006年5月から2012年1月まで5年9カ月連続マイナス以来のことで、住宅バブル破裂からリーマンショック、世界金融危機とリセッションに至る期間以来の低迷期を今年7月まで形成していたことになります。
なお、当時の新築住宅販売件数としては、2005年7月の138.9万件が過去最大となり、その後2011年2月の過去最小、27万件まで5年7カ月の急減少局面を形成していました。
21世紀2度めの低迷期から脱出の兆しとなっているのは新築住宅販売件数だけではありません。
市場シェアでは新築住宅の7-9倍の圧倒的シェアを占める中古住宅販売件数でも回復基調は鮮明となっています。
8月に549万件となって1年5カ月ぶり高水準となっただけでなく、前年比では7月の+0.6%から2.36%へと急増、2018年3月から今年6月まで1年4カ月連続の前年割れ、ボトムでは12月の-10.1%からの急回復が続きます。
さらに、不動産業者の景況感も急回復しており、NAHB住宅市場指数は昨年11月から今年7月まで9カ月連続で前年割れとなり、最後のリセッション以降では最長の低迷期を形成していましたが、8月に前年比+-0となり、9月には前年比+1ポイントとプラス圏を回復。
住宅ローン金利低下による需要回復に、FRBの金利引下げ効果も加わり、米住宅市場は好長期を形成し始めている可能性もありそうです。
25日のNY金相場は-27.9ドル、1.81%の大幅安で4日ぶりの反落となって1週間ぶりの安値水準に。下げ幅としては9月5日以来20日ぶり、今年2番めの急落。前回は米8月ISM製造業景況指数が50割れとなった直後のISN非製造業景況指数の下振れ警戒感も高まっていたのに対し、結果上振れでリスク回避の巻き戻しとなって今年高値からの急反落。今回は好調だった米消費者信頼感指数が前日に下振れたのに対してこの日は新築住宅販売件数が予想以上の上振れ。ただし、これは単なるきっかけに過ぎなかった可能性もあり、前日にはトランプ大統領の中国批判発言に対してこの日は通商合意早期実現を示唆する正反対の発言。さらに、前日のトランプ大統領弾劾調査開始に対してこの日、トランプ大統領と渦中のウクライナ・ゼレンスキ-大統領との電話会談記録が公開され、国連での共同会見では見返り要求や圧力なども否定され、弾劾確率後退が意識されてリスク回避の巻き戻し。5日の急落と同様に20日移動平均線(1522)割れとなったものの、1510ドル割れの水準では底堅さも見られる状況。ただし、1500ドル台のサポートを割れると1480ドル辺りまでの一段安は想定されそう。
NYプラチナは-27.5ドル、2.88%の大幅安で5日ぶりの反落。8月29日(920.0)以来、ほぼ1カ月ぶりの安値水準に。9月初旬に1000ドルの大台にワンタッチした直後から、960ドル台で上値を押さえられる日々が続き、抵抗感も強まる状態から、反落警戒感も漂い始めたタイミングでの急反落となり、右肩上がりでサポートラインとなってきた20日移動平均線(944.9)も大きく下抜け。これまで3度サポートされてきた920ドル前半での底堅さが健在でなければ、一段安で想定可能な下値目安は7月の保ち合い上限水準880ドル台まで。
ドル円は60銭超のドル高円安となって5日ぶりの反発。対中通商協議を巡ってはポジティブなトランプ発言、ウクライナ疑惑を巡るトランプ弾劾リスクは後退ムードに、米8月新築住宅販売件数は上振れてNY時間にはドル高の流れが急速に強まる展開となって107円80銭台まで上昇。前日下落分を取り戻し、包み線に近い足型となって反発への可能性も示唆。下値は107円ちょうど付近が当面のサポートとなる可能性も、上値は9日移動平均線にいったん押さえられた格好。下降し始めた9日移動平均線を下回る短期下落トレンドから抜け出すためには、9日移動平均線の上抜けと9日線自体の上昇軌道が必要条件。下落トレンド継続で107円割れの場合には106円割れへと一段安の展開にも、9日線を上抜けて直近高値108円半ばの抵抗水準も突破できれば短期トレンド好転で109円台前半までが上値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/25終値とチャート
26日の国内金価格は-64円、1.13%の大幅安で4日ぶりの反落。2度めの近年最高値5665円をつけに行った前日の一段高に違和感を覚える向きも多かった模様で、ある意味納得の急反落。トランプ発言への市場反応は過敏すぎる感もあるものの、米経済指標の強弱混在状態は、現状がまさにそういう時期にあり、ある程度仕方のない時期か。目先、5665円の高値から5580円までのレンジの下3分の1程度が主要レンジにも。5580円のサポートを割れた場合には8月初旬の急騰直後の安値圏、5460円台までが下値目安。11日につけた9月安値5523円を下回った時点でダブルトップも完成、これに伴う下値目安は最大で5381円。高値再更新なら5700円の大台再トライへ。
プラチナ価格は-78円、2.22%の大幅続落。前日の円高による下落の翌日にはNYプラチナの急落に伴う一段安、時折見られる負のスパイラルに警戒感も漂う局面にも。3500円の節目を大きく割り込み、19日の3439円をわずかに下回り、高値保ち合い下抜けの兆し。11日の3428円から21日移動平均線(3426)まででサポートされない場合には一段安の展開で中長期的な節目3400円割れ濃厚となり、3320円辺りまでが当面の下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格9/26とチャート
2019年9月26日(木)時点の相場
国内金:5,601 円 9/26(木) ▼64(1.13%)
国内プラチナ:3,431 円 9/26(木) ▼78(2.22%)
NY金:1,512.3 ドル 9/25(水) ▼27.9(1.81%)
NYプラチナ:927.9 ドル 9/25(水) ▼27.5(2.88%)
ドル円:107.75 円 9/25(水) ▲0.65(0.61%)
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