更新日:2019年9月27日(金)
CFTC(全米先物取引委員会)建玉で投機筋の買い越しは9月3日の時点で30万枚(1枚=100toz)に達しました。買い越しが30万枚を超えるのは2016年9月6日以来、ちょうど3年ぶり。
その翌日、4日にNY金は2013年4月11日以来、6年5カ月ぶり高値となる1560.4ドル(高値では1566.2ドル)まで上昇しました。
2016年の建玉では7月の31万枚超が近年最大となっていました。今回も、近年最大付近となる30万枚超まで買い越し幅が拡大し、その後は減少、ピークアウトの可能性を示す状態となりつつあります。価格水準も6年5カ月ぶり高値からは水準を切り下げ、上値の重い状態にもなりつつあり、こちらもいったんピークアウトの可能性を示す状態とも言えそうです。
2015年末から2016年高値へと急騰局面を形成した際、価格は1050ドルから1360ドルへ、310ドル上昇し、投機筋建玉の買い越し幅は1万枚弱から31万枚まで、およそ30万枚の買い越し増となっていました。
2018年夏から2019年9月までの急騰局面では、1200ドルから1560ドルへ、360ドル上昇し、建玉は-3万枚から30万枚まで、およそ33万枚の買い越し増となっています。
価格では300ドル超上昇し、買い越し枚数は30万枚超増加して近年最大水準に到達、そして失速し始める状態からも、ピークアウト警戒感が漂います。
高値圏での保ち合い状態が続くNY金は9月4日高値1566.2ドルを頂点に、8月13日高値1546.1ドル、9月24日高値1543.3ドルと合わせて三尊天井(ヘッド・アンド・ショルダー)を形成しつつあるようにも見えます。
この間の安値は8月13日の1488.9ドル。これが三尊天井のネックラインとなり、この間の値幅は77.3ドル。
ネックライン割れで三尊天井(ヘッド・アンド・ショルダー)完成なら、最大77.3ドルの下落も予想されます。
今後、NY金の高値保ち合いが崩れて1490ドルを下回った場合には、7月前半の保ち合い水準、1410ドル台まで水準を切り下げるような展開を警戒することにもなります。
26日のNY金相場は+2.9ドル、0.19%の小反発。前日の大幅安からの自律反発も上値は1520ドルに届かず、下値は1510ドル割れを再度試す場面もありながら前日安値付近1507ドルまでとこれも限定的、概ね1510ドル台での保ち合い推移に。トランプ大統領の弾劾調査を巡る報道は続き、弾劾リスク自体はあまり意識されないものの不透明感はくすぶる状態となって米株安と長期金利の低下が金を下支え。ただし、ドル高地合いが続いていることが重石にも。目先、20日移動平均線(1520.3)が抵抗線となりやすく、1500ドル台が下値サポート水準。これを割れた場合、1560ドルの高値から1500ドルまで約60ドル下落した後に1540ドルまで反発、ここから再度60ドル下落した場合の水準1480ドル付近までが次の下値目安に。
NYプラチナは+8.2ドル、0.88%の反発。金と同様に前日の急落からの自律反発でNY午後には930ドル台後半まで上昇。結果的に今回も920ドル前半で折り返す形となり、この水準での底堅さを確認。目先、保ち合い回帰の動きも予想されるものの、20日移動平均線(946.2)が抵抗水準候補にもなり、あらためて920ドル台を割り込むようだと900ドルの大台ライン付近までが次の下値目安にも。
ドル円は10銭程度のドル高円安となって小幅に続伸。107円台半ばから70銭近辺までの小幅レンジでの揉み合い推移が続いた状態から、NY時間に入って米10年債利回りが1.7%割れへと低下の勢いが強まると、これに追随する形で一時107円40銭台まで下落。しかし、米8月米中古住宅販売成約指数が前月比+0.9%予想に対して+1.6%と上振れ、最近の住宅指標の好調ぶりに同調、さらに王毅中国外相の「中国は米国からの輸入を拡大する用意がある」発言なども好感され、米株の反発とともに一時107円90銭台まで上昇。ただし9日移動平均線(107.83)を上抜け切れず、今朝の東京時間では107円70銭台へとやや軟調。目先は107円から108円半ばまでのレンジで保ち合い推移が予想され、下方向へ抜け出せば106円割れが下値目安に、上方向へ抜け出せば109円台前半が上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/26終値とチャート
27日の国内金価格は前日から変わらず5601円での横ばい推移となり、4日連続で5600円の大台を維持。高値警戒感とともに一段安への警戒感も続く状態のなか、サイクル的には調整局面が続く状態にもあるものの、水準的には限定的にとどまっており、動き出したら急変動への警戒感も。今晩のPCEでは、インフレ上振れの場合には年内追加利下げ観測後退につながりやすく、大幅調整へのきっかけにもなりうる要注意指標。5580円を下回ると8月初旬の急騰後の安値圏、5460円台が下値目安に。
週間ベースでは+13円、0.23%の小幅反発。
プラチナ価格は-7円、0.2%の小幅安となって3日続落。1カ月ぶりに21日移動平均線(3440)を下抜け、9月11日の3428円も下回り、高値保ち合いから下方ブレイクへと動き始めた状態に。NYプラチナが下値トライへと向かえば、中長期節目水準3400円を割れる可能性は高まり、一段安の展開にも。高値保ち合いの値幅分下落すると仮定した場合の水準、3320円前後までが当面の下値目安に。
週間ベースでは-42円、1.21%の続落。
※参考:金プラチナ国内価格9/27とチャート
2019年9月27日(金)時点の相場
国内金:5,601 円 9/27(金) +-0(0.00%)
国内プラチナ:3,424 円 9/27(金) ▼7(0.20%)
NY金:1,515.2 ドル 9/26(木) ▲2.9(0.19%)
NYプラチナ:936.1 ドル 9/26(木) ▲8.2(0.88%)
ドル円:107.84 円 9/26(木) ▲0.09(0.08%)
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