更新日:2019年10月8日(火)
7日時点のCMEフェドウォッチによれば、年内の追加利下げ観測としては、あと1回の織り込みが51.3%。あと2回は34.6%、現状維持が14.1%。あと1回との予想が過半数を占めて優勢とはなっていますが、このところ三つ巴で目まぐるしく変動する状態ともなり、どう転ぶかは予測困難な状況にもなっています。
8月には米国による対中関税第4弾の発表などで米中対立激化懸念や逆イールド懸念などから米10年債利回りが1.5%台へと急低下、とともに年末FF金利予想125-150(現状あと2回の0.25%利下げ、当時はあと3回)が急上昇し、最大60%まで上昇しました。
9月初旬に発表された8月のISM製造業景況指数は3年ぶりに節目50割れとなったのに対し、非製造業の景況指数は好調を維持したことなどが好感されるなどし、米10年債利回りは1.9%まで急回復しました。この流れとともに年末FF金利予想125-150(現状あと2回の0.25%利下げ、当時はあと3回)も急低下、10%割れまで低下した時点で9月FOMCでの追加利下げとなって底打ち。このFOMCでは年末見通しを含めて意見が分かれ、ややタカ派的とも受け止められ、直後には年内据え置き予想(175-200)が42%まで上昇し、ピークをつけました。
その後、据え置き予想は徐々に低下、代わって最大勢力となったのは追加利下げあと1回(150-175)で50%を維持して高止まり。しかし10月1日にはまたも9月ISMの製造業景況指数が50割れ、しかも10年ぶり低水準となり、2日後に発表されたISM非製造業景況指数も予想外の低迷となって米10年債利回りは再び1.5%台へと急低下。
と同時に年内追加利下げあと2回予想(125-150)があと1回利下げ(150-175)をかわし、50%超へと急上昇。そして年内据え置き予想(175-200)は5%割れへと急降下。
そして週末の雇用統計を経て米10年債利回りが1.5%台で下げ渋り、あと1回利下げ予想(150-175)が50%超へと再浮上、あと2回利下げ予想(125-150)は35%割れへと急低下、現状維持も15%弱へと急反発。
なお、10月末FOMCでの0.25%追加利下げの織り込みは7日時点で73.2%。米10年債利回りが1.5%台での低迷が続くようなら現状の織り込み水準を維持して実際に今年3回目の利下げ決定となる可能性は高まりそうです。
そうなった場合、10月FOMC直後には現状維持(150-175)がいったん跳ね上がることになりそうですが、その後はこれまでと同様に徐々に低下する展開も予想され、12月FOMCに向けては1回利下げ(125-150)が徐々に優勢となることも予想されそうです。
その原動力としては、10月以降のISM非製造業・製造業景況指数、そして雇用統計、とPCEインフレ動向。従来から重要指標ではありながら、その注目度が俄然高まる状況となり、FF金利予想はこれらの重要指標次第で、日替わり状態で年末に向かうことにもなりそうです。
7日のNY金相場は-8.5ドル、0.56%の続落。1510ドル台後半でスタートした時間外から軟調推移となってNY引けにかけては1500ドルの大台割れ。週末の雇用統計後の反応がどっちつかずの感もあった状態から、週が明けて方向感が見えてきた格好にも。イマイチのNFPよりも賃金の伸び悩みよりも50年ぶり低水準となった失業率を評価する向きが優勢となり、10月FOMCでの金利据え置き予想が22%から26.8%へと若干増加したことにも同調する形で米10年債利回りが8日ぶりに上昇した流れに押された形。米中通商協議を巡っては、中国側がより困難な問題を来年に交渉する工程表を作成する用意があると伝えられたNY午後にドル高金安が加速。サポートされつつあった20日移動平均線(1508.9)を割り込み、1510ドル台が目先の抵抗水準となる可能性、突破できれば高値再トライへ向かう可能性も残されるものの、流れは調整方向優勢。1470ドル台の安値までの範囲で目先は軟調な展開にも。
NYプラチナは+1.4ドル、0.16%の小反発。9月末に900ドル割れへと急落して以降は下げ渋り、しかし反発も限定的となり、890ドルをはさんでの小幅保ち合い状態が継続。下方向へと動き出した場合には90日移動平均線(867.4)辺りまでが短期下値目安に。中期的にはこの90日線が重要なサポートラインにもなり、右肩上がりを維持する間にこの水準でサポートされて反発できれば高値再トライへの可能性も。
ドル円は30銭弱のドル高円安となって続伸、107円台を回復。週明け東京早朝には米中協議を巡って中国の消極的な姿勢が伝えられるなどして106円半ばへと下方向への窓開けスタート後、ほどなく窓埋めで先週末水準106円90銭台は回復も、これが上限となる形で小幅揉み合い状態となって欧州・NY時間へ。NY時間にはクドローNEC委員長の「米中通商協議は進展する可能性」発言なども好感されて堅調な流れとなって107円台を回復、NY午後には米長期金利上昇とドル高の流れが強まって一時107円40銭台まで上昇。上値の重さは解消し切れないものの、一段安へと向かう可能性は後退、106円80銭台までが目先の下値サポートとなり、108円前後までを主要レンジとして改めて方向感模索の展開へ。インフレ指標や米中協議の動向などを材料に108円超えへと上昇できれば109円台半ばを目指す流れへと発展する可能性、逆に106円80銭割れなら106円前後までの一段安も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/7終値とチャート
8日の国内金価格は-39円、0.69%の続落。10月2日(5597)以来、1週間ぶりの安値水準となり、高値圏での広めの保ち合いレンジ中ほどから下寄りへ。9日移動平均線(5611)は割り込んだものの、5600円の大台ラインから21日移動平均線(5596)辺りまでは強めのサポート候補にも。直近安値となった9月末の5566円を下回るような展開となった場合には下落局面拡大となって下値目安は5410円台辺りまで。さらに5523円割れで三尊天井完成と見れば最大5380円台までが次の下値目安にも。
プラチナ価格は+6円、0.18%の小幅高で3日ぶりの反発。NYプラチナの膠着状態に連動する形で3300円近辺での小康状態も、流れは下向き優勢の状態で3240円台辺りまでの下げ余地も継続。3320円台の抵抗水準超えへと切り返すことができれば反発局面形成で3380円台辺りまでが上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格10/8とチャート
2019年10月8日(火)時点の相場
国内金:5,606 円 10/8(火) ▼39(0.69%)
国内プラチナ:3,294 円 10/8(火) ▲6(0.18%)
NY金:1,504.4 ドル 10/7(月) ▼8.5(0.56%)
NYプラチナ:888.3 ドル 10/7(月) ▲1.4(0.16%)
ドル円:107.21 円 10/7(月) ▲0.27(0.25%)
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