更新日:2019年10月21日(月)
英国とEUとの間で先週合意した離脱協定案は、週末の英議会での先送り動議可決によってジョンソン英首相はやむなく離脱期限延長をEUに申請。
ただし、離脱再延期申請文書にはジョンソン首相のサインなし。これとは別に「さらなる延期は誤り」とする自身の意思を記したサイン入りの書簡を添える苦肉の策も。ジョンソン英首相の苦悩と議会との対立、英政局の混乱ぶりを象徴するような状況のようにも見えます。
それでも、今月末の離脱に向けてジョンソン英首相の模索も続いているようです。
可能性としては、「合意なきEU離脱」に陥る可能性も残されるとの見方もあり、月末に向けた不透明感と警戒感は依然として「晴れない」状況も続きます。
そんな状況下で英政府は今週、「オペレーション・イエローハンマー」を始動させたとも伝えられています。
「オペレーション・イエローハンマー」とは、合意なきEU離脱に伴い、想定しうる最悪の結果に対して関係省庁が備えるべき危機管理計画。
英仏海峡での物流に渋滞が発生し、食品や医薬品などの輸入が遅延し、品不足に陥る可能性や、街中で暴動が起きる懸念なども指摘され、これらに対処すべく事前準備を進めるものです。3月にも発動が噂されましたが、結果的には延長となった経緯もあります。
なお、この「イエローハンマー」とは、和名では「キアオジ」というホオジロ科に分類される鳥類の一種の名称。日本ではあまり見かけない種類のようですが、ヨーロッパでは普通に生息し、よく見かけるようです。見た目、オスの頭部が黄色いことも名前の由来となっているのかもしれません。
また、ベートーヴェンの交響曲第5番の冒頭部分について、このイエローハンマーの鳴き声がイメージされている?との逸話もあるようです。
この交響曲第5番、日本では「運命」とも呼ばれていました。
英国の合意なきEU離脱も、もしかすると「運命」なのかもしれません。
21日の国内金価格は-15円、0.26%安で3日ぶりの反落。時間外のNY金は先週末の水準1490ドル半ば付近でほぼ変わらずの週明けスタート、為替は108円30銭台まで10銭程度下げての東京市場スタートも40銭台へと買い戻し。週末の英議会での採決先送りにも、不透明感が続く状況からリスクオフにもオンにも傾斜し難い状態が継続。近年最高値圏での保ち合いレンジを徐々に縮小する形となっている国内金価格は下値を切り上げる三角保ち合いの頂点付近。反落警戒感を抱えながら、ブレグジット動向への警戒感も残しつつ月末のFOMC待ちへ。引き続き5640円の節目を割れた場合には大幅調整も警戒され、9月安値5520円台までが当面の下値目安に。高値再更新なら5750円近辺までが次の上値目標にも。
一目均衡表では三役好転の強気相場を維持。ただし直近3カ月の上昇チャネルで見ると下限を割れつつあり、調整局面入りへの警戒感も。
転換線(5640)が目先のサポート候補、これを割れると基準線(5599)、今週末にかけて5581円まで上昇する雲の上限などが次の下値サポート候補にも。
プラチナ価格は+13円、0.38%高となって3営業日続伸。週明け時間外のNYプラチナは先週末水準890ドル半ばを維持し、小幅ながらも3日続伸してきた堅調な流れが国内価格にも反映。3週間ぶりに中期的な節目水準3400円を回復し、中期レンジ上方シフトへと再び移行し始めた可能性も。短期的には9月末水準3440円近辺まで一段高への可能性も。ただしNYプラチナが900ドルの大台ライン近辺で上値を押さえられ続ける状態が重石にも。3380円割れへと反落するようだと下値再トライへ、10月安値保ち合い上限付近3320円台までが下値目安に。
一目均衡表上では、揉み合いの様相ながら、雲の上限(3379)にサポートされる状態。今週末には3405円まで上昇する雲の上限を割り込まず、基準線(3416)を上抜けることができるかどうかが中期レンジ上方シフトに向けての今週のポイントに。雲の上限を割り込んだ場合には、転換線(3348)から雲の下限(3303)までが次のサポート水準にも。
※参考:金プラチナ国内価格10/21とチャート
2019年10月21日(月)時点の相場
国内金:5,659 円 10/21(月) ▼15(0.26%)
国内プラチナ:3,401 円 10/21(月) ▲13(0.38%)
NY金:1,494.1 ドル 10/18(金) ▼4.2(0.28%)
NYプラチナ:895.9 ドル 10/18(金) ▲2.9(0.32%)
ドル円:108.43 円 10/18(金) ▼0.20(0.18%)
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