更新日:2019年11月20日(水)
米商務省が発表した10月の住宅着工件数は年率換算で131.4万戸。市場予想の132万戸は下回ったものの、前月からは3.79%増となり、8月(137.5)以来2カ月ぶりの高水準。8月は2007年6月(144.8)以来12年2カ月ぶりの高水準となっており、10月も直近17カ月では2番めの高水準。6カ月平均では127.6万戸となり、昨年6月(129.02)以来1年4カ月ぶり高水準。昨年前半でピークアウトの兆しにもなっていた状態から急回復した状態となり、着工件数の長期平均142.9万戸にも再接近。
先行指標となる建設許可件数は146.1万戸で市場予想の138.5万戸を大きく上回り、2007年5月(149.3)以来12年5カ月ぶりの高水準。6カ月平均では135.4万戸となって1年4カ月ぶり高水準。これもピークアウトの兆しからの急回復となり、長期平均135.6万戸を既に3カ月連続で上回り、6カ月平均でもこの水準に急接近。
前日発表された11月のNAHB住宅市場指数は70となり、10月からは1ポイントの低下とはなりましたが、前年同月比で見ると+10ポイントの大幅上昇。この指数は7月まで9カ月連続の前年割れが続きましたが、8月に前年比+-0、9月に+1、10月に+3ポイント。夏以降、11月にかけて住宅市場の景況感も急回復しています。
7月末FOMCからの3会合連続利下げ効果により、住宅ローン金利低下の恩恵も受けて米住宅市場は急回復中、となっています。
NY連銀のウィリアムズ総裁も3回の利下げは「非常に効果的」だったと評価し、少なくとも今のところは「必要な調整は済んだ」と発言。
調整が終了した今後、米10年債利回りも夏場の急低下後に下げ渋る状態となってきた今後の動向が注目されます。
19日のNY金相場は+2.4ドル、0.16%の小幅続伸。時間外は米10年債利回り上昇と株高・ドル高優勢の流れに売り先行、前日NY引け後に1470ドル台半ばまで上昇したのがこの日の高値となり、NY朝にかけて1460ドル台半ばまで10ドル程の下落。NY市場では米株もドル高も伸び悩み、米10年債利回りは11月前半に2.0%手前で反落して以降の低下基調が続く形となり、この日は1.8%台まで上昇して1.78%台まで反落し、2週間ぶりの低水準。これに呼応してNY金は1470ドル台半ばへ、元の水準へと反発。欧州時間に下げてNY市場で反発する下方向へ行ってこいの展開が連日続き、下ヒゲを残してジワリと水準を切り上げる展開に。NY引け後には米上院で香港人権法案が可決し、小幅にリスク回避の流れ、米中協議への懸念材料にも。
NYプラチナは+17.3ドル、1.93%の大幅高となって5日続伸。5日続伸以上は9月初旬以来2カ月半ぶりで今年5度め。前日NY市場で10日ぶりの900ドル台回復が一瞬で終わった後、時間外での下げは890ドル台半ばまでと限定的、金の下げにも追随せずに下げ渋り。抵抗線となりつつあった90日移動平均線(898.6)との揉み合いを経て、NY朝からの金の反発局面にはしっかり追随する形となって900ドルラインも超えると910ドル台前半へと一段高。11月7日(914.0)以来、2週間ぶりの高値水準に。11月2日高値959.9ドルから12日安値867.8ドルまで90ドル超の急落となった後、半値戻し(913.9)を達成した状態にもなって一服感も。地合好転に向けては61.8%戻し(924.7)付近までの戻りを試したいところだが。
ドル円は10銭余りのドル安円高となって小幅に続落。東京時間には日経平均の下落に連れて108円40銭台まで下落、しかし保ち合い下限でサポートされる形となり、欧州時間にかけては株価や金利上昇とともに反発基調で108円80銭台まで上昇。9日移動平均線(108.86)が抵抗線となっての反落基調は金利低下と米株失速にも追随、再び保ち合い下限となる108円40銭台まで下落。今朝の東京時間には米上院での香港人権法案可決をきっかけに一時108円40銭割れを試す場面もあり、下値警戒感も高まりつつある様子も。比較的強めのサポートにもなっている108円40銭台を割れて108円も割り込むようだと一段安へと向かう流れがスタートする可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/19終値とチャート
20日の国内金価格は-5円、0.09%の小幅安となって6日ぶりの反落。急降下が続く9日移動平均線(5601)をわずかに上回りながらも、揉み合い状態となって押し下げられた格好に。上方向にはゆるやかに低下し始めた21日移動平均線(5653)が当面の抵抗線候補となり、下方向には5580円台を下限に軟調気味の保ち合い継続の様相にも。
プラチナ価格は+51円、1.5%の大幅高で5日続伸。5日続伸以上は9月初旬以来2カ月半ぶりで今年4度め。11月8日(3474)以来の高値水準となり、わずかに上昇の兆しとなった21日移動平均線(3451)も上抜け。9月初旬と10月上旬の時と同様に3400円前後の水準ではいったん上値を押さえられるような動きとなった直後の急騰となり、11月前半の急落局面の半値戻し(3443)を上抜けて61.8%戻し(3468)も視野に。ただ、ここから上は4年越しの下降チャネル上限ラインとの攻防が意識される水準にも。
※参考:金プラチナ国内価格11/20とチャート
2019年11月20日(水)時点の相場
国内金:5,605 円 11/20(水) ▼5(0.09%)
国内プラチナ:3,458 円 11/20(水) ▲51(1.50%)
NY金:1,474.3 ドル 11/19(火) ▲2.4(0.16%)
NYプラチナ:912.3 ドル 11/19(火) ▲17.3(1.93%)
ドル円:108.56 円 11/19(火) ▼0.12(0.11%)
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