更新日:2020年1月6日(月)
国内金価格は12月半ばから年明けにかけて、昨年夏以来の急騰局面を形成し、再び近年最高値を大きく更新。2018年8月16日につけた安値4458円からこの日の5927円まで、1年5ヵ月弱で1469円の大幅上昇。
長期的に見ると、2012年以降は4500円から5000円までを主要レンジとする保ち合いを形成してきましたが、2018年8月安値を起点としてトレンドが切り替わって長期上昇チャネルを形成しているようにも見えます。
そして足下では、地政学リスクに伴う急騰でチャネル上限ラインを超えて行き過ぎの状態に。事態はエスカレートするのか沈静化へ向かうのか、その行方には不透明感も漂い、金価格の動向も大きく左右されることになります。
長期上昇チャネル内での推移が続いた場合、数カ月後、今年春以降には最大6000円超えも想定可能となりますが、チャネル下限ラインは今年後半には5600円付近。2018年8月安値からここまでの上昇値幅の23.6%戻しでも5580円。
5600円付近は国内金価格にとって、今年のサポート水準として重要な意味合いを持つことにもなるかもしれません。
2020年1月6日の国内金価格は昨年末、12月27日と比べて+137円、2.37%の大幅高となって2営業日続伸。上昇率では昨年7月3日(+126円、2.44%)、夏場の急騰局面スタート時期以来半年ぶり。上げ幅としては2014年12月2日(+186円、3.95%)、ムーディーズが日本国債を格下げした翌日以来、5年1ヵ月ぶりの大幅上昇。東商取では過去最高値を更新し、現物価格でも1980年以来、40年ぶりの高値水準。年初の米軍によるイラン司令官殺害事件をきっかけに米国とイランとの緊張感が高まり、安全資産の金が買われるリスク回避の典型相場の状態となり、東京市場の大発会となる週明けから市場参加者が増加したこともあり、時間外のNY金も一段高。先週末の1550ドル台から一時1590ドル台まで急騰し、1570ドル台まで戻して落ち着き始めた様子も。為替は1ドル=108円割れでの週明けスタートも意外と下げ渋って108円との攻防に。
地政学リスクに伴う急騰局面であり、ある程度状況が落ち着けば急速に値を戻す展開も予想され、目先しばらくは不安定な値動きとなる乱高下状態にも。国内金価格の買われ過ぎ状態はRSI(14)が99.5%となり、少なくとも過去10年では最大となっていることが象徴。9月以降の安値圏となり、11-12月にはダブルボトムも形成した安値水準、12月10日の5565円からここまでの上昇幅の23.6%戻しで5842円。38.2%戻しなら5789円。高止まり状態がもう少し続く可能性とともに、一度調整の動きとなれば5800円前後までの急落も。
国内プラチナ価格は2015年の急落後、2015年末以降はゆるやかに上値を切り下げる長期下落トレンドが続きました。下値は2018年8月安値2911円で大底を打ち、3000円付近の安値を何度かつけてトリプルボトムに近い形状となり、そのネックラインとなる3500円近辺を年末に上抜け、2015年末以降の4年越しの抵抗線も超えてきました。
一目均衡表の雲の下限は今月の3768円から2月には3663円へと低下してきます。2月も現状水準以上となっていれば、4年半ぶりに雲の下限を上抜けることにもなり、長期的な主要水準とトレンドが切り替わる可能性も高まることにもなりそうです。
2018年8月安値からここまでの上昇値幅の23.6%戻しで3494円。3500円付近の水準は、4年越しの抵抗線が今年年央にかけて推移する水準でもあり、今年の国内プラチナ価格にとっての重要なサポート水準の一つとなるかもしれません。
6日のプラチナ価格は+58円、1.6%の大幅高で2営業日続伸。2018年2月27日(3693)以来、1年10ヵ月ぶりの高値水準。年末まで強めの抵抗水準となり、昨年高値圏となっていた3580円台をクリスマスの日に上抜けたことに伴う上値目標3650円近辺も年を跨いでようやくクリア。時間外のNYプラチナは金に煽られての上昇も990ドル台後半までと限定的、先週末に1000ドル到達後に失速した流れで上値が重くなった状態も継続している様子も。国内プラチナ価格も上昇一服となりやすい局面にも。
※参考:金プラチナ国内価格1/6とチャート
2020年1月6日(月)時点の相場
国内金:5,927 円 1/6(月) ▲137(2.37%)
国内プラチナ:3,674 円 1/6(月) ▲58(1.60%)
NY金:1,552.4 ドル 1/3(金) ▲24.3(1.59%)
NYプラチナ:990.3 ドル 1/3(金) ▲5.3(0.54%)
ドル円:108.11 円 1/3(金) ▼0.45(0.41%)
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