更新日:2020年10月3日(土)
オクトーバーサプライズは当事者自ら。日本時間2日、満月の日の午後、トランプ米大統領が自らのツイッターで、新型コロナウイルス陽性を公表。市場はリスク回避の流れとなってダウ先物は1日終値に比べて500ドル超の急落。ダウ先物の下落を受け、前日のシステムトラブルによる終日取引停止から無事復活していた東証では日経平均も一時2万3000円割れへと急落。為替も円全面高となってドル円は105円60銭台から一時105円割れへと急落、1890ドル台まで調整が進行していた時間外のNY金は1920ドル台まで急反発。
米10年債利回りも急低下で反応し、為替は円高の他に瞬間的にはドル高の動きも。
久々に従来のオーソドックスな「リスク回避」の流れが垣間見られた瞬間でした。
とりあえずは軽症ということで何より。また悪態をついて政局を盛り上げ、最後まで正々堂々大統領選で戦う姿を見せて頂きたいものです。これがオクトーバーサプライスの「始まり」でないことを祈るばかりです。
<これから悪化する雇用指標=長期失業者の割合>
やや霞んでしまった米9月雇用統計では、失業率が8.2%予想に対して7.9%まで低下し、雇用者数の伸びは市場予想を20万人近く下回る低調な結果となったものの過去2ヵ月分で14万人余り上方修正され、まずまずの好結果とも言える状況のようにも。
そのなかで、失業期間が半年以上となる「長期失業者の割合」が今後、悪化が鮮明となる可能性を示す状況にもなってきたようです。
長期失業者の割合は4月に4.1%へと急落し、66年ぶり低水準を記録した後、5ヵ月続伸となって9月は19.1%。2月(19.2%)以来、7ヵ月ぶり高水準。コロナ前の水準を回復、した訳ではなく、単なる通過点。
春に新規失業者が急増し、そのなかで再就職ができない人たちが長期失業者の仲間入りしていく状況が続き、4月に失業した人は9月でちょうど6ヵ月。10月以降も再就職できなければ失業期間は半年以上、長期失業者の仲間入り。
なお、9月の19.1%は前月比では+7.1%の急騰。8月の前月比+2.8%から急加速となり、これまでの過去最大だった2009年7月(+5.0%)を超える急騰。
今後、過去のリセッションの時と同様に、長期失業者の割合が急増していく流れが本格化していくことが予想されます。
フィラデルフィア連銀のハーカー総裁も「新型コロナウイルス危機で失われた職の多くが戻らないかもしれない」と警笛を鳴らします。
2日のNY金相場は-8.7ドル、0.45%の反落。時間外には1910ドルから1890ドル台の下値サポートまで下げたところでトランプ大統領の陽性報道サプライズ。1923.6ドルまで30ドル弱の急反発となって短期上値目標1920ドル台にも到達。一服感に加えて雇用統計前というタイミングもあり、その後はゆるやかに調整、1910ドル付近でNY朝を迎えると雇用統計では9月の雇用者数の伸びは低調となったものの過去分が上方改定され、失業率は予想よりも好結果となったことを受けてリスク回避の巻き戻し優勢の展開に。調整再開の動きも1900ドル付近では下値も堅く、下げ渋る状態で10月スタート週を終了。1890ドルから1920ドルまでが目先のコアレンジとなり、20日移動平均線(1924.6)にも上値を押さえられた形にもなり、反発局面一服か、継続かの攻防にも。上抜けなら8月最高値から9月安値までの38.2%戻し(1942.0)付近までが上値目標に、下抜けの場合には9月安値圏1870ドル前後までが下値目安に。
週間ベースでは+41.3ドル、2.21%の反発。
NYプラチナは-14.6ドル、1.61%の続落。時間外スタート時点の910ドル手前が高値となり、NY午後の890ドル割れまで20ドル余りの調整。時間外でのオクトーバーサプライズの一報には890ドル台前半から908ドル付近まで15ドルの急反発にとどまり、再度890ドル付近まで反落後の雇用統計への反応も限定的。900ドルでは上値も重く、NY午後にかけて890ドルを割れると上値を切り下げる形で振幅幅を縮小するとNY引け後には888ドル付近に収束。日足ではゆるやかな下落基調が続く20日移動平均線(907.5)と一目均衡表の雲の下限に上値を押さえられての反落の形となり、910ドル前後が強めの抵抗水準となりそうな様子も。短期的な流れとしては上方向優勢となり、次週910ドル超へと反発できれば940ドル付近までが上値目標にも。下方向には200日移動平均線(879.7)から870ドル付近までがサポート候補。
週間ベースでは+48.4ドル、5.87%高となって3週ぶりの反発。
ドル円は25銭のドル安円高、0.24%の反落。1週間ほど続いた105円台半ばでの小幅揉み合い状態が崩れ始めるきっかけに、なるかどうかは微妙な状態にも。東京午後に伝えられたトランプ報道を受けての急落では104円90銭台までにとどまり、欧州時間までに105円台を回復するとNY時間にかけては雇用統計を経て徐々に下値を切り上げ、ただし上値も105円40銭付近までと限定的に。終わってみれば揉み合い推移の中心を105円半ばから30銭近辺へと若干水準を切り下げただけ、という可能性も。上方向への節目は105円70銭に切り下げ、これを超えることができれば107円半ばまで上昇余地拡大も。下方向には105円付近が新たなサポート候補にも、ただし104円50銭が当面の節目、これを割れるようだと円高余地は103円付近まで。
週間ベースでは-32銭、0.3%の小反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/2終値とチャート
2020年10月3日(土)時点の相場
国内金:7,055 円 10/2(金) ▲63(0.90%)
国内プラチナ:3,297 円 10/2(金) ▲1(0.03%)
NY金:1,907.6 ドル 10/2(金) ▼8.7(0.45%)
NYプラチナ:891.4 ドル 10/2(金) ▼14.6(1.61%)
ドル円:105.29 円 10/2(金) ▼0.25(0.24%)
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