更新日:2020年10月9日(金)
米労働省が発表した10月3日までの週の新規失業保険申請件数は84万件。前週の84.9万件からは小幅ながら減少し、2週連続で減少。コロナ後、初めて100万件を下回った8月末の週以降は、前週比増加と減少が交互に繰り返され、下げ渋る状態となっていましたが、ようやく減少が続いてコロナ後で最少。
しかし、8月末以降は6週連続で80万件台での高止まり状態にもなっています。
コロナ以前の過去最大となっていた1982年10月2日までの週の69.5万件の1.2倍の水準で下げ渋っています。
コロナ直前の今年3月7日までの週の21.1万件との比較では、ほぼ4倍。
失業保険継続受給者数のほうは、比較的コンスタントに減少傾向が続いているように見えますが、9月26日までの週で1097.6万人。
コロナ以前の過去最大となっていた2009年5月30日までの週の663.5万人の1.65倍。
コロナ直前の今年3月7日までの週の170.2万人との比較では、6.45倍。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は先週、「2月の水準に雇用市場が回復するにはまだ遠い道のり」との認識を示し、現在協議がストップしている追加経済対策がなければ破綻企業はさらに増加し、回復がさらに遅れることへの懸念を示しました。
最タカ派のクリーブランド連銀のメスター総裁も「失業率が2月の水準に低下するには2-3年かかる」との認識を示しています。
パウエルFRB議長他、複数の高官が口を揃えて追加経済対策の必要性をアピール、催促していますが、なかなか進展しないようです。大統領選後まで先送りされるようなら、労働市場の回復ペースは少なからず、さらなるダメージを受けることにもなりそうです。
8日のNY金相場は+4.3ドル、0.23%の小幅高で3日ぶりの反発。中期上昇トレンドの重要なサポートラインとなっている90日移動平均線(1879.8)に下支えされる状態が続き、反発への動きも1900ドルの大台では上値も重い状態に。時間外での1890ドル付近での揉み合いからロンドン・NY朝にかけては1900ドルラインとの攻防、新規失業保険申請件数の増加なども材料に一時1905ドルまで上昇も、戻り売り圧力に押されて午後までに1885ドルへ20ドルの急反落。前日にトランプ大統領がツイートして市場が好感した航空会社向けの雇用支援など一部の財政出動先行案に対して、ペロシ下院議長がバッサリ否定。これを受けて一時株安となってドル安の流れにもなったこともあり、NY引けにかけては買い戻し、引け後には再び1900ドルの大台ラインとの攻防に。方向感中立で1880ドル前後から1900ドルまでを主要レンジに保ち合い継続の様相にも。しっかりと大台回復できれば反発の勢いも強まり、1920ドルの節目を超えることになれば一段高の展開へと発展、上値目標は1950ドルへ。
NYプラチナは-2.8ドル、0.32%の小幅安で3日続落。890ドルの節目を割れて下値目安860ドル近辺に即、到達したのが6日。下値トライこそ一服となったものの反発への勢いも弱く、860ドル台後半を中心に小幅揉み合い推移の展開が足掛け3日継続。この日も上下動の流れは金に追随、NY朝に870ドル台後半まで上昇も午後には861ドルまでの急反落、引けにかけては870ドルトライへ。この日の変動値幅は17.6ドルにとどまり、今年の平均35.8ドルの半分以下。水平状態の200日移動平均線(878.6)が反発方向への攻防ライン。
ドル円はわずかに5銭程のドル高円安、0.05%の続伸。終値では9月11日(106.17)以来、ほぼ1ヵ月ぶりの106円台。この日の高値は東京朝の106円10銭台、前日高値と同水準で上値を押さえられて以降は105円90銭台から106円05銭程度までの小幅レンジで揉み合い推移。欧州時間には小幅にドル高、NY時間にはドル安の流れも円も同じ方向での推移となって綱引き状態に。この日の値幅は18銭程度にとどまり、今年の平均75銭の4分の1以下の小動き。日足では保ち合い上抜けの形を維持し、ドル高円安方向への流れが進行しやすい状態に。90日移動平均線(106.36)を上抜けできれば200日移動平均線(107.47)付近までが上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/8終値とチャート
9日の国内金価格は+33円、0.47%の続伸。NY金と同様、中期上昇トレンドの重要なサポートラインとなっている90日移動平均線(6978)に下支えされ、短期的にも下値を切り上げる流れが再開し始めた兆しも。ただし、8月以降上値を切り下げてきた流れからもまだ抜け出し切れず、21日移動平均線(7093)を抵抗線として三角保ち合いを形成。21日線を超えて7100円台の節目も上抜けできれば上値トライ加速へ、7180円近辺までが短期上値目標に。下方向へは6970円が重要な節目、これを割れると戻り売り再開で中期トレンドにも黄色信号。
週間ベースではわずかに+4円、0.06%の小幅続伸。
プラチナ価格は-12円、0.37%の反落。中期的に重要な攻防ライン、90-200日移動平均線(3289-3285)手前でまたも失速。上値を切り下げる流れ再開リスクが浮上し、短期トレンド好転に向けた流れ腰折れへの警戒感も。3180円の節目を割れるとまずは9月安値3130円台が下値目安に。3240円超えへと反発できれば中期攻防ライン再突破と3300円回復が視野に。
週間ベースでは-69円、2.09%の反落。
※参考:金プラチナ国内価格10/9とチャート
2020年10月9日(金)時点の相場
国内金:7,059 円 10/9(金) ▲33(0.47%)
国内プラチナ:3,228 円 10/9(金) ▼12(0.37%)
NY金:1,895.1 ドル 10/8(木) ▲4.3(0.23%)
NYプラチナ:864.0 ドル 10/8(木) ▼2.8(0.32%)
ドル円:106.01 円 10/8(木) ▲0.05(0.05%)
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