更新日:2020年12月15日(火)
アトランタ連銀が発表した賃金上昇トラッカー(個人時給の中央値を前年比3ヵ月平均で示した数値)では、11月は+3.7%となり、9-10月の+3.5%からは上昇。4月に3.3%の安値となった後は7月に3.9%まで上昇していました。2018年後半以降は概ね3%台後半での推移が続きます。
これに対して、賃金上昇率が+0.5%から-0.5%までの範囲に収まる、ゼロ賃金の割合は11月に14.0%となり、9-10月の14.7%からは急低下しています。
ゼロ賃金の割合は、リーマンショック後の2008年12月の11.7%から、2009年12月には16.1%。世界金融危機となった1年間で4.4%の急騰となっていました。
今回はコロナ前の今年2月の13.7%から9月には14.7%。7ヵ月で1.0%の上昇。近年最低となった2019年11月の12.7%(10年8ヵ月ぶり低水準)からでも2.0%の上昇にとどまっていました。
転職者賃金上昇率は11月に+4.4%となり、10月の3.8%からは急上昇。非転職者賃金上昇率が8月以降4ヵ月連続で3.3%で横ばい推移となっているのとは対象的で、賃金格差も8-9月の0.4%から11月には1.1%へと急拡大。
転職者賃金上昇率は2008年7-9月の前年比+4.3%から2009年8月には+1.6%。ちなみにこの2009年8月は自発的離職率が過去最低となる1.2%まで低下した月。転職者賃金上昇率はこの1年間で2.7%の低下となっていました。
今回、2020年1月に転職者賃金上昇率は前年比+4.8%まで上昇し、2007年10月(4.8%)以来12年3ヵ月ぶり高水準。ちなみにこの月の非転職者の賃金上昇率は+3.2%となり、賃金格差は1.6%。2018年2月と並び過去最大となった2001年8月(1.8%)以来2番めの高水準。
転職者賃金上昇率は8-9月に3.7%まで低下し、この8ヵ月で1.1%の低下にとどまっていました。
リーマンショック後と今回のコロナショック後を比較すると、今回ゼロ賃金の割合は前回危機の半分以下の上昇にとどまり、転職者賃金上昇率は前回の半分以下の低下にとどまっています。
雇用者数の回復状況としてはここ最近、停滞気味となっていますが、労働市場のひずみとしては10年前の危機時よりは低水準にとどまり、反転し始めた可能性を示しています。
14日のNY金相場は-11.5ドル、0.62%の反落で12月2日(1830.2)以来の安値水準。先週の英国に続いて米国、さらにカナダでもこの日からワクチン接種がスタート。リスク選好優勢の株高の流れも続き、時間外は1845ドルの高値から軟調推移。ロンドン時間には下値サポート1830ドル付近での揉み合いとなって下げ渋るも一時1820ドルまで一段安、しかしNY市場にかけては値を戻す展開となって一時1840ドル台まで急反発。デブラシオNY市長、クオモNY州知事によるNY市の全面ロックダウン警戒発言もあり株安ドル高の流れが強まる場面もあり、売り買い交錯状態となった金は1830ドルをはさんでの保ち合い状態に収束。目先、売り圧力がもう一段強まって1830ドルを維持できなくなるようだと1800ドルの大台付近までが下値目安に。上方向には20日移動平均線(1841.0)から1850ドルまでが抵抗水準となり、これを超えることができれば12月高値1880ドル近辺までが上値目標に。
NYプラチナは-6.2ドル、0.61%の続落。時間外の1020ドル台からNY朝には1030ドル台前半へと上昇も、これを維持できず金の反落に追随する形で一時1005ドルまで、30ドル弱の急反落。しかし、下値サポート水準1010ドル台半ばまで戻してNY午後には下げ渋り。1010ドル台から1030ドルまでの小幅保ち合いレンジの上下限両方のブレイクを試して失敗、徐々に下方向への圧力が強まりつつある様子も。1010ドル台を割り込めば上昇基調が続く20日移動平均線(990.6)近辺までが下値目安に。逆に1030ドル超へと切り返すことができれば1060ドル前後までが短期上値目安に。
ドル円は先週末からほぼ変わらず104円00銭台での横ばい推移。ワクチン相場でのリスク選好の株高ドル安の流れは欧州時間から強まって軟調推移、下値サポート103円80銭も割れてNY朝には一時11月9日(103.25)以来、5週間ぶり安値となる103円50銭近辺まで下落。しかしNY市のロックダウン警戒感などから株安ドル高の流れが強まると104円台へと急反発。下方向への行って来いとなって長めの下ヒゲを残しての横ばい推移。目先、FOMCでもう一段の緩和が意識されるなどしてドル安の流れがさらに強まるようだと、再度下値サポートを割り込んで102円台半ば辺りまでの一段安も警戒される状況にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/14終値とチャート
15日の国内金価格は-33円、0.49%安となって4日続落。12月2日(6633)以来、2週間ぶり安値圏での一段安。11月末安値(6512)から12月高値(6829)までの38.2%戻し(6708)付近を維持できず、半値戻し(6671)もわずかに割り込んでしまったことから、徐々に下値警戒感が強まる状況にも。61.8%戻し(6633)から6600円の大台ライン付近までが下値サポート候補、上方向には6700円から38.2%戻し(6708)辺りまでが目先の反発目安に。
プラチナ価格は-36円、0.98%の続落。NYプラチナが小幅保ち合い下限で下げ渋る状態を反映し、直近安値12月10日の3641円手前でいったん下げ止まりの可能性も。しかしNYプラチナの保ち合い下放れ、もしくは円高再トライとなれば節目割れとなって一段安へ、そうなれば3600円を割れて3580円程度までが当面の下値目安に。上方向には3730円が当面の抵抗水準に、上抜けできれば3800円の大台を目標に上値トライ再開へ。
※参考:金プラチナ国内価格12/15とチャート
2020年12月15日(火)時点の相場
国内金:6,669 円 12/15(火) ▼33(0.49%)
国内プラチナ:3,646 円 12/15(火) ▼36(0.98%)
NY金:1,832.1 ドル 12/14(月) ▼11.5(0.62%)
NYプラチナ:1,015.6 ドル 12/14(月) ▼6.2(0.61%)
ドル円:104.04 円 12/14(月) +-0.00(0.00%)
Copyright(C) Let's GOLD