更新日:2021年1月27日(水)
IMF(国際通貨基金)が発表した2021年の世界経済成長見通しは5.5%。昨年10月時点の予想値5.2%からは0.3ポイント上方修正され、6月時点の予想5.4%も上回る水準に。第2四半期の落ち込みによって10月に引き下げられた予想値は、ワクチン進展効果と各国の財政出動期待、そして景気回復予想に伴って再び引き上げられた格好に。
主要国のなかで10月からの上方修正幅が最も大きかったのはインド。2.7%引き上げられて2021年成長率予想は11.5%。
2番めが米国で2.0%の上方修正で5.1%へ。3番めにはトルコ、1.0%引き上げられて6.0%へ。4番めには日本、ブラジル、メキシコが0.8%の上方修正で並び、それぞれ3.1%、3.6%、4.3%へ。
逆に10月からの下方修正幅が最も大きかったのはイタリア。2.2%引き下げられて2021年成長率予想は3.0%。
2番めにはポーランドの-1.9%で成長率2.7%へ。3番めはカナダ、1.6%引き下げられて3.6%へ。4番めは英国で-1.4%、成長率は4.5%へ。5番めにはスペイン、タイ、インドネシアの3カ国が-1.3%で並び、それぞれ成長率は5.9%、2.7%、4.8%へ。
ユーロ圏としては-1.0%で成長率は4.2%予想となり、ドイツは-0.7%となって3.5%へ。フランスは-0.5%で5.5%へ。ユーロ圏主要国は軒並み引き下げられていますが、それでも引き上げられた日本の成長率予想3.1%を上回ります。
なお、2021年の予想成長率で日本の3.1%を下回るのは、イタリア(3.0)、オランダ(3.0)、ロシア(3.0)、イラン(3.0)、南アフリカ(2.8)、タイ(2.7)、サウジアラビア(2.6)、ナイジェリア(1.5)、パキスタン(1.5)など。政局不安、政情不安、景気不安などを抱える国が並びます。
26日のNY金相場は-4.3ドル、0.23%安となって4日続落。4日合計では15.6ドルの下落にとどまり、5日前の20日の上昇幅26.3ドルの6割弱。200日移動平均線(1850.2)にもサポートされて下げ渋る状態。ロンドン朝にかけてのユーロ安ドル高の流れに連れて1860ドル付近から1850ドル付近まで軟調推移となり、その後反転した流れではNY朝の1860ドル手前までの反発にとどまると、元の水準へと押し戻される展開に。変動値幅は13.6ドルで今年最小、今年の平均35ドルの4割弱の小動き。FOMC前の警戒モードの様相にも。今回は大きな変更なく、当面の緩和姿勢表明が既定路線と思われるものの、今後どこかのタイミングでテーパリングへの可能性を示唆する時が来ることが予想され、今年はFOMCの度に下方リスクへの警戒感が高まることにも。短期的には引き続き1820ドル台から1870ドルまでのレンジで保ち合い継続が見込まれ、足下ではゆるやかな上昇基調を維持する200日移動平均線にサポートされる状態から上値トライへと向かって上方ブレイクなら1900ドルの大台ライン付近を目指す流れにも。200日線割れなら下方ブレイクトライへ。
NYプラチナは+2.7ドル、0.24%の小幅高で3日ぶりの反発。時間外の軟調局面では前日安値をわずかに下回るも1085ドルのサポート水準で切り返し、ロンドン・NY市場にかけてはユーロドルや株価の反発基調にも連れる形で堅調推移となって1110ドル台まで上昇。しかし金の失速状態にも連れるように上値も限定的に。この日の変動値幅は28.8ドルで今年最小、今年の平均49.1ドルの6割弱。1080ドル台から1130ドルまで今年の平均値幅分のレンジ半ばに位置し、上下両睨み状態も目先はレンジ内推移継続か。上方ブレイクなら上値目標は1180ドル台、下方ブレイクなら1040ドル近辺が目標に。
ドル円は15銭ほどのドル安円高、0.14%安となって3日ぶりの反落。ユーロ安の巻き戻しと株高の流れでドル安基調となった欧州・NY朝にかけて103円80銭台から103円50銭台まで軟調推移。足下の保ち合い下限では底堅く、20日移動平均線(103.60)にもサポートされた格好となって下げ渋り。この日の変動値幅は27銭となって前日の26銭に続いて今年最小レベルの小動き。FOMCではドル高圧力が強まるような展開はあまり予想されないものの、積み上がった投機筋の円買いポジションの巻き戻しがいずれ起きることも想定され、円売りの流れで104円の節目を超えるようだと105円超を試しに行くような展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/26終値とチャート
27日の国内金価格は-32円、0.47%安となって4日続落。1月19日(6694)以来1週間ぶり安値となり、下降し始めた9日移動平均線(6735)を下抜け。上から降順に並ぶ、全て下向きの9-90日移動平均線を価格ラインが下回る弱気のパーフェクトオーダーを完成。下値警戒感は若干強まるものの、6620円台から6800円までの広めのレンジ半ばに位置し、方向感としては中立からやや弱め、といった程度にも。
プラチナ価格は-2円、0.05%の小幅安で3日続落。下方向への節目3940円付近でしぶとく下げ渋る状態に。この状態が続けば切り返す展開となる確率が高まることにも。しかし、耐え切れなければ短期的にはいったん下値トライへ。その場合の下値目安は、割れてはならない要注意水準ともなるトリプルトップのネックライン、3820円前後まで。右肩上がりの21日移動平均線(3882)辺りでサポートされれば浅めの下押しにとどまる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格1/27とチャート
2021年1月27日(水)時点の相場
国内金:6,721 円 1/27(水) ▼32(0.47%)
国内プラチナ:3,946 円 1/27(水) ▼2(0.05%)
NY金:1,850.9 ドル 1/26(火) ▼4.3(0.23%)
NYプラチナ:1,107.4 ドル 1/26(火) ▲2.7(0.24%)
ドル円:103.61 円 1/26(火) ▼0.15(0.14%)
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